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ビルメンテナンス業界には安定した需要があると言われています。ビルが存在する限り、この仕事は無くならないからです。
しかし、ビルメンテナンスは誰でもできる仕事ではありません。数多くの資格があり、資格がなければ請け負えない仕事もたくさんあります。そこで今回は、ビルメンテナンス業界の資格について取り上げます。
ビルメンテナンスに役立つ4つの資格「ビルメン4点セット」や、その上位版である3つの資格「ビルメン3種の神器」について解説します。この記事を読めば、どのような資格を取ればビルメンテナンス業界で活躍できるかが理解できるはずです。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
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目次
1.ビルメンテナンス業界は資格なしでは働けない?
ビルメンテナンス業界には数多くの資格があります。
たとえば、第2種電気工事士、危険物取扱者乙種4類、2級ボイラー技士、第三種冷凍機械責任者の4つは、ビルメンテナンス業界でも基礎的な資格として「ビルメン4点セット」と呼ばれてます。
もちろん、必ずしも資格が無ければ働けないというわけではありません。しかし、取得しておくと役に立つ資格はたくさんあります。
企業によっては「資格がなければ一定の役職に就けない」というところもあります。正社員登用に際し「少なくとも3つ以上の資格を取得していること」との規定を設けているところもあります。また資格に応じて「資格手当」を支給する会社もあります。
基本的には資格がなくても仕事はできます。しかし、資格があれば有利になるということは覚えておきましょう。
なお、ビルメンテナンス業界の仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。
ビルメンテナンスはきつい仕事?後悔する人・辞める人がいる理由【優良企業への転職方法】 |宅建Jobマガジン
2.ビルメンテナンス業界で役立つ資格【4点セット】
ビルメンテナンスの世界では、資格がなければ担当できない業務もあります。また資格があれば、実務に活かせるだけでなく「資格手当」というかたちで年収upにもつなげることが可能です。
なかでも注目してほしいのが「ビルメン4点セット」と呼ばれる次の関連資格です。ビルメンテナンス業界に転職したいなら、早めに取得しておくことをオススメします。
資格の名称 | 資格の内容 |
---|---|
第ニ種電気工事士 | 電気設備に関する工事で必要な資格 |
危険物取扱者(乙種4類) | 消防法で定めた「危険物」を取り扱うのに必要な資格 |
2級ボイラー技士 | ボイラーを安全に取り扱うために必要な資格 |
第三種冷凍機械責任者 | 冷凍設備の管理者になるために必要な資格 |
いずれも難易度は高くありません。それぞれの概要について解説します。
2-1.第2種電気工事士
「ビルメン4点セット」の中でも、まず最も重要な国家資格が「第2種電気工事士」です。ビルメンテナンスの世界では代表的な資格です。
工事の欠陥による災害の発生を防ぐために設けられたもので、電気設備に関する工事を行う際に必要となる資格です。業界で活躍したいなら早々に取得しておきたい資格です。
試験は、以下の2つから構成されています。
- 筆記試験:四肢択一のマークシート方式
- 技能試験:実技
筆記試験は次の7項目で構成され、60%以上の得点ができれば合格できます。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物の保安に関する法令
筆記試験に合格すると、技能試験を受験することができます。形式は「問題の配線図を一定時間内で施工する」というものです。
試験は年に2回行われます。合格率は次のとおりです。
■筆記試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2018年上期 | 74,091人 | 42,824人 | 57.8% |
2018年下期 | 49,188人 | 25,497人 | 51.8% |
2019年上期 | 75,066人 | 53,026人 | 70.6% |
2019年下期 | 47,200人 | 27,599人 | 58.5% |
2020年上期 | 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、筆記試験中止 | ||
2020年下期 | 104,883人 | 65,114人 | 62.1% |
■技能試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2018年上期 | 55,612人 | 38,586人 | 69.4% |
2018年下期 | 39,786人 | 25,791人 | 64.8% |
2019年上期 | 58,699人 | 39,585人 | 67.4% |
2019年下期 | 41,680人 | 25,935人 | 62.2% |
2020年上期 | 6,884人 | 4,666人 | 67.8% |
2020年下期 | 66,113人 | 48,202人 | 72.9% |
資格手当は会社により異なるものの、一般的には2,000円から5,000円程度のようです。なお試験の詳細については、次の公式サイトを参考にしてください。
第二種電気工事士試験 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
2-2.危険物取扱者乙種4類
「危険物取扱責任者乙種4類」は、消防法で定めた「危険物」を取り扱うのに必要となる資格です。たとえば、ガソリンや過酸化水素などがあります。
甲種、乙種、丙種の3種類があり、以下のような分類になっています。
- 甲種:すべての種類の危険物の取り扱いが可能。
- 乙種:1類から6類まであり、取り扱い可能な危険物が異なる。
- 丙種:4類のうち、特定の危険物が取り扱い可能に。
今回紹介する「乙種4類」は、ガソリン、軽油、灯油、重油などの取り扱いが可能となる資格です。全受験者の7割が「乙種4類」試験を受けています。
なお、すでに他の「乙種危険物取扱者」資格や「火薬類取扱保安責任者」の資格を持っている人は、試験の一部が免除されます。
試験は五肢択一式で、次の3つの科目があります。
- 危険物に関する法令
- 基礎的な物理学及び基礎的な化学
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
それぞれ60%以上の得点ができれば合格です。最近5年間の合格状況は次のとおりです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 264,946人 | 76,575人 | 28.9% |
2017年 | 256,587人 | 88,328人 | 34.4% |
2018年 | 240,102人 | 93,667人 | 39.0% |
2019年 | 221,867人 | 85,669人 | 38.6% |
2020年 | 200,876人 | 77,466人 | 38.6% |
合格率は低いですが、試験内容は難しくありません。そのため資格手当の制度が無い会社も多く、あるとすれば責任者に選任されている場合です。それでも1,500円〜5,000円程度です。
なお試験の詳細については、次の公式サイトも参考にしてください。
2-3.2級ボイラー技士
「二級ボイラー技士」は、ボイラーを安全に取り扱うために必要な国家資格です。
ボイラーは工場やビルなどに設置されており、おもに給湯や暖房の熱源として活躍しています。ボイラーのある施設では「ボイラー取扱作業主任者」を選任しなければいけないため、ニーズの高い資格となっています。
求人情報を見ると「二級ボイラー技士を優遇します」といった記述を見かけます。ビルメンテナンス業界で働くなら、取得して損のない資格です。
ただし、近年ではボイラーのあるビルは減っています。また資格が無くても取り扱い可能なボイラーも増えています。しかし、まだまだ資格としてのニーズは高いです。
試験は五肢択一式で、以下の4つの科目で構成されています。
- ボイラーの構造に関する知識
- ボイラーの取扱いに関する知識
- 燃料及び燃焼に関する知識
- 関係法令
合格するには、全体の60%の得点で、かつ科目ごとの得点が40%以上であることが必要です。
最近5年間の合格率は以下のとおりです。50%から58%あたりで推移しています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 27,211人 | 15,919人 | 58.5% |
2017年 | 27,393人 | 15,609人 | 57.0% |
2018年 | 25,601人 | 14,297人 | 55.8% |
2019年 | 25,192人 | 12,803人 | 50.8% |
2020年 | 16,098人 | 9,400人 | 58.4% |
資格手当については、あまり望めません。ボイラーのあるビルが減っているということもあり、重要性が下がっているためです。あるとしても責任者に選任されている場合で、2,000円から5,000円程度です。
また試験の詳細については、次の公式サイトも参考にしてください。
2-4.第三種冷凍機械責任者
「第三種冷凍機械責任者」は、業務用の冷蔵機械の保守管理をするのに必要な国家資格です。これをもっていると、冷凍設備の管理者になることもできます。
一定の規模の冷凍施設では「冷凍機械責任者」の設置が義務付けられており、資格としてのニーズは高いです。
なお、1種、2種、3種の間には次のような違いがあります。
- 第一種:すべての冷凍設備の取り扱いが可能。
- 第二種:冷凍能力が1日あたり300トン未満の冷凍施設のみ。
- 第三種:冷凍能力が1日あたり100トン未満の冷凍施設のみ。
第三種の場合、試験科目は次の2科目です。
- 法令
- 保安管理技術
なお「第三種冷凍機械講習」に参加し、講習の最後に行われる試験に修了した人は、「保安管理技術」の試験が免除になります。講習は3日間で、以下のとおりです。
- 法令(7時間)
- 保安管理技術(14時間)
合格率については30%台が続いてきましたが、2020年に18.3%という低い水準を記録しました。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 8,913人 | 3,106人 | 34.8% |
2017年 | 8,120人 | 3,007人 | 37.0% |
2018年 | 7,768人 | 3,090人 | 39.8% |
2019年 | 7,908人 | 2,565人 | 32.4% |
2020年 | 7,541人 | 1,383人 | 18.3% |
資格手当としては、2,000円から3,000円くらいが相場のようです。試験の詳細については、次の公式サイトも参考にしてください。
2-5.取得する順番
最後に「ビルメン4点セット」を攻略するにあたり、オススメの順番をご紹介しましょう。大きく分けて、次の2つの考え方があります。
- 重要度の高い資格から取得する。
- 簡単な資格から取得する。
2-5-1.重要度の高い資格から取得する
まずは、重要度の高い資格から攻略するという方法です。具体的には次の順になります。
- 第二種電気工事士
- 第三種冷凍機械責任者
- 危険物取扱者乙種4類
- 2級ボイラー技士
第二種電気工事士は、ビルメンテナンスの世界で代表的な資格で、電気工事をするには不可欠なものです。取得していて当然とも言える資格のため、まず初めにおさえておきたいところです。
第三種冷凍機械責任者は、冷凍機だけでなくエアコンの管理でも重要です。この内容が理解できないと空調業者との打ち合わせも困難になるため、重要度は高いです。
危険物取扱者乙種4類はガソリンや重油などの「危険物」を取り扱うのに必要な資格ですが、これが「ビルメン4点セット」に入っているのはボイラーの燃料が重油だからです。
しかし前述の通り、近年ではボイラーを備えたビルは少なくなっており、重要性は高くありません。したがって「2級ボイラー技士」の優先順位も低くなります。
2-5-2.簡単な資格から取得する
続いては、簡単な資格から順番に取得するという方法です。
まだ業界に入って間もない方、資格試験に慣れていない方、勉強習慣がないという方にオススメの方法です。具体的には次の順になります。
- 危険物取扱者乙種4類
- 2級ボイラー技士
- 第三種冷凍機械責任者
- 第二種電気工事士
先ほど紹介した通り、重要度からすれば「危険物取扱者乙種4類」や「2級ボイラー技士」は後回しにしても良い資格です。
しかし簡単な試験から始めれば、合格しやすいのでモチベーションも続きやすくなるはずです。1つ、2つと合格していくうちに、次第に効率の良い勉強方法も身についてくることでしょう。
3.ビルメンテナンス業界で役立つ資格【3種の神器】
「ビルメン4点セット」について解説しました。この4資格があれば、ビルメンテナンスの基礎的な業務なら一通りをこなすことができます。
その上で、さらに次のステップを目指したいという人におすすめなのが「ビルメン三種の神器」と呼ばれる次の資格です。
資格の名称 | 資格の内容 |
---|---|
建築物環境衛生管理技術者(ビル管) | ビルの環境衛生の維持や管理、監督を行うのに必要な資格 |
第3種電気主任技術者 | ビルや工場の電気設備の保安監督を行うのに必要な資格 |
エネルギー管理士 | 「第一種エネルギー管理指定工場」で選任が義務付けられている資格 |
「ビルメン4点セット」とは違って、難易度は高いです。しかし実務で活かせるだけでなく、「プロフェッショナルの証」になるため転職でも有利になります。それぞれについて説明していきましょう。
3-1.建築物環境衛生管理技術者(ビル管)
「建築物環境衛生管理技術者」は、ビルにおける環境衛生の維持や管理、監督を行うのに必要な国家資格です。名前が長いため、通常は「ビル管理技術者」や「ビル管」と呼ばれます。
3,000平方メートル以上の面積をもつ特定建築物では、法律で「建築物環境衛生管理技術者」を選任する必要があります。
選任されると、ビルのオーナーやテナントに対して意見を述べることができます。ただし、その意見は「尊重されなければいけない」と規定されているため、ビル管理の最高責任者と言っても良いでしょう。ビルメンテナンスの最高資格とも言われています。
合格するには、次の2つの方法があります。
- 国家試験を受験する(毎年10月上旬)。
- 日本建築衛生管理教育センターによる「登録講習会」を受講する。
3-1-1.国家試験を受験する場合
試験は次の7科目です。合格基準点は年によって異なりますが、例年なら各科目で40%以上、全7科目で65%以上の正解率となっています。
- 建築物衛生行政概論
- 建築物の構造概論
- 建築物の環境衛生
- 空気環境の調整
- 給水及び排水の管理
- 清掃
- ねずみ、昆虫等の防除
また、最近5年間の受験動向は以下のとおりです。合格率は年によって開きがあり、12%〜28%となっています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 10,394人 | 2,956人 | 28.4% |
2017年 | 10,209人 | 1,387人 | 13.6% |
2018年 | 11,096人 | 2,339人 | 21.1% |
2019年 | 10,146人 | 1,245人 | 12.3% |
2020年 | 9,924人 | 1,933人 | 19.5% |
なお「受験資格」が定められており、申し込み時点で「環境衛生上の維持管理に関する実務に2年以上の従事」をしている必要があります。また資格手当は5,000円から10,000円が相場のようです。
試験の詳細については、次の公式サイトを参考にしてください。
3-1-2.「登録講習会」を受講する場合
試験を受ける他に、「登録講習会」を受講して資格を得るという方法もあります。
受講資格は「学歴」や所有する「免許」によって詳しく定められていますが、受講資格をもつ人なら、合計103時間の講習を受講すれば資格をもらうことが可能です。講義内容は次のとおりです。
- 建築物衛生行政概論(10時間)
- 建築物の構造概論(8時間)
- 建築物の環境衛生(13時間)
- 空気環境の調整(26時間)
- 給水及び排水の管理(20時間)
- 清掃(16時間)
- ねずみ、昆虫等の防除(8時間)
講習の料金は108,800円です。詳しい受講資格の内容については次の公式ページを参考にしてください。
建築物環境衛生管理技術者講習会|公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター
3-2.第3種電気主任技術者
「第3種電気主任技術者」は、ビルや工場にある電気設備の保安監督をつとめるために必要な国家資格です。「電気主任技術者試験」を略して「電験」と呼ぶこともあります。
事業用の電気工作物においては、工事や維持メンテナンスのために「電気主任技術者」を選任しなければいけないことが「電気事業法」で定められています。
1種、2種、3種という3種類がありますが、第3種に合格すると、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物について「主任技術者」になることができます。
試験は、五肢択一のマークシート形式で、次の4つの科目が出題されます。
- 理論:電気理論、電子理論、電気計測、電子計測
- 電力:発電所や変電所の設計と運転、送電線路や配電線路(屋内配線を含む)の設計と運用
- 機械:電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス、電力システムに関する情報伝送と処理
- 法規:電気法規(保安に関するものに限る)と電気施設管理
合否は科目ごとに発表され、すべての科目に合格する必要があります。また試験問題の多くが計算問題で占められていることもあり、一定条件をクリアした電卓の利用が認められています。
合格率の状況は次のとおりです。10%未満というかなりの難関資格です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 科目合格者数 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 46,552人 | 3,980人 | 8.5% | 13,457人 |
2017年 | 45,720人 | 3,698人 | 8.1% | 12,176人 |
2018年 | 42,976人 | 3,918人 | 9.1% | 12,335人 |
2019年 | 41,543人 | 3,879人 | 9.3% | 13,318人 |
2020年 | 39,010人 | 3,836人 | 9.8% | 11,686人 |
なお資格手当については、5,000円から10,000円が相場になっているようです。また試験の詳細については、次の公式サイトも参考にしてください。
第三種電気主任技術者試験 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
3-3.エネルギー管理士
「エネルギー管理士」は、政府が推進する「省エネルギー施策」の一貫として設けられた国家資格です。
年間のエネルギー使用量が3,000キロリットルを超える工場は、「第一種エネルギー管理指定工場」の指定を受けます。このうち以下の5業種の工場については、エネルギー利用量に応じて1名から4名の「エネルギー管理者」(エネルギー管理士の免状をもつ人)を選任しなければなりません。
- 製造業
- 鉱業
- 電気供給業
- ガス供給業
- 熱供給業
つまり、大量にエネルギーを消費する工場において、その管理と指揮監督を行うのが「エネルギー管理士」のミッションです。
合格するには、次の2つの方法があります。
- 国家試験を受験する(毎年8月)。
- 省エネルギーセンターの「エネルギー管理研修」を受講して修了する。
3-3-1.国家試験を受験する場合
試験は4科目でマークシート方式です。以下のように「熱分野」か「電気分野」かを選択します。
■「熱分野」の場合
- エネルギー総合管理及び法規(共通科目)
- 熱と流体の流れの基礎
- 燃料と燃焼
- 熱利用設備及びその管理
■「電気分野」の場合
- エネルギー総合管理及び法規(共通科目)
- 電気の基礎
- 電気設備及び機器
- 電力応用
科目ごとの合格基準は60%で、4科目すべてに合格すると「エネルギー管理士試験」の合格となります。また1科目でも受かれば「科目合格」と見なされ、翌年、翌々年において試験免除の対象となります。
試験の合格状況は以下のとおりです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 10,468人 | 2,108人 | 20.1% |
2017年 | 10,558人 | 3,002人 | 28.4% |
2018年 | 9,912人 | 2,770人 | 27.9% |
2019年 | 9,830人 | 3,207人 | 32.6% |
2020年 | 7,707人 | 2,828人 | 36.7% |
合格後、「エネルギー管理士免状」を受けるためには、1年以上の実務経験を証明するため「エネルギー使用合理化実務従事証明書」の提出が必要です。
なお試験の詳細は、以下の公式ページも参考にしてください。
ECCJ 省エネルギーセンター / 令和3年度エネルギー管理士試験 / 目次
3-3-2.「エネルギー管理研修」を受講して修了する場合
もう1つの方法は、省エネルギーセンターが実施する「エネルギー管理研修」を受講して、最終試験に合格することです。
ただし「エネルギー管理研修」に参加できるのは、研修の申込み時点で、3年以上の実務経験をもつ人に限られます。研修は7日間で、最後に記述式の修了試験が行われます。
講義内容は次のとおりです。1時限は40分となっています。
■「熱分野」の場合
- エネルギー総合管理及び法規(共通科目)(9時限)
- 熱と流体の流れの基礎(16時限)
- 燃料と燃焼(7時限)
- 熱利用設備及びその管理(18時限)
■「電気分野」の場合
- エネルギー総合管理及び法規(共通科目)(9時限)
- 電気の基礎(6時限)
- 電気設備及び機器(12時限)
- 電力応用(23時限)
料金は70,000円で、修了試験の合格状況は次のとおりです。
年度 | 受験者数 | 修了者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2018年 | 1,208人 | 676人 | 56.0% |
2019年 | 1,067人 | 585人 | 54.8% |
2020年 | 868人 | 566人 | 65.2% |
なお試験の詳細については、以下の公式ページも参考にしてください。資格手当としては、だいたい5,000円から10,000円あたりの会社が多いようです。
ECCJ 省エネルギーセンター / 第43回 エネルギー管理研修 令和2年度 受講の手引 / 目次
エネルギー管理士の難易度は?合格に必要な勉強方法・時間等を解説 |宅建Jobマガジン
4.その他ビルメンテナンス業界への転職に役立つ資格
ここまでは、「ビルメン4点セット」と「ビルメン三種の神器」を紹介してきました。もちろんビルメンテナンスの関連資格は、これら7資格以外にもたくさんあります。
なかでもオススメなのが「ビルクリーニング技能士」です。転職にも役立つので、ぜひチェックしておいてください。
4-1.ビルクリーニング技能士
「ビルクリーニング技能士」は、ビル清掃のスペシャリストを認定する国家資格です。
この資格があると、清掃現場における監督としての仕事ができるようになります。世の中にビルがある限り、ビルクリーニングの需要はなくなりません。取得しておいて損のない資格だと言えるでしょう。
試験は年1回で、学科試験と実技試験があります。1級から3級まであり、問われるのは以下の内容です。
- 学科試験:ビルクリーニングに関する知識
- 実技試験:ビルクリーニングで使用する機器の取り扱い方法
試験は50点満点で、65%以上の得点ができれば合格できます。級ごとの合格率は発表されていませんが、単一等級実績では次のとおりです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 4,306人 | 2,124人 | 49.3% |
35年累計 | 98,161人 | 55,384人 | 56.4% |
35年平均 | 2,607人 | 1,582人 | 60.7% |
資格手当は企業によっても異なりますが、5,000円前後の会社が多いようです。試験の詳細は、以下の公式ページも参考にしてください。
ビルクリーニング技能士 – 公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会
5.「ビルメンテナンスの資格」のまとめ
ビルメンテナンスの資格について解説してきました。
この業界には数多くの資格があり、どの資格を取るべきか迷ってしまう業界関係者も少なくありません。一方で、資格があるだけで会社から重用されるというケースもあります。資格をとって損をすることはありません。
今回の記事では、ビルメンテナンスで大事な資格について、詳しく取り上げました。業界で活躍したいなら「ビルメン4点セット」だけでなく「ビルメン3種の神器」にもチャレンジすべきです。
この記事を参考に、少しでも多くの方がビルメンテナンス業界で活躍できるよう期待しています。
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