宅建試験の科目は4つ!配点・難易度と必要な勉強時間・おすすめ学習順まで紹介【5問免除も解説】
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宅建試験にも、学校の勉強のように「科目」があります。
学校の勉強の国語・算数・理科・社会のような、あの科目です。そして、科目それぞれに勉強方法にコツがあります。
宅地建物取引士試験=宅建試験は、「土地建物」「契約」「法令」「都市計画」「建築」などなど、多彩な方向性の知識を問いますので、それに則した科目の分類があります(分野とも言います)。
科目と言えば得意・不得意があります。宅建試験はどの科目も、法律や統計の知識を問うのが主なので、国語・算数・理科・社会ほどには、勉強の性質にばらつきは出ませんが、それぞれの科目に目的や特徴があり、勉強の仕方も異なります。
受験するからには、科目ごとの特徴を把握して、一発で合格したいですよね?
そこで本日は、科目の違いと、それぞれの具体的な勉強方法を紹介します。
- 宅建試験の科目について
- 科目ごとの出題数と順番
- 科目ごとの特徴
- 5問免除とは?
- 宅建試験の科目ごとの勉強時間配分・優先順位の戦略
目次
1.宅建試験の科目【出題される順番に紹介】
宅建試験の科目は4科目です。4科目で合計50問が出題されます。
面白いのは、「1問目から14問目までは権利関係から出題される」出題順番が決まっていることです。(年によって多少変更の可能性あり)
1-1.科目と出題数
設問位置と設問数 | 科目 | 主な内容 |
問1から問14 合計14問 |
権利関係 | 民法を中心に、借地借家法、不動産登記法など |
問15から問22 合計8問 |
法令上の制限 | 国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、農地法など |
問26から問45 合計20問 |
宅建業法 | 重要事項の説明、37条書面など |
問23から問25 合計3問 問46から問5 合計5問 |
税法 その他 |
地価公示法、不当景品類及び不当表示防止法など |
- 後述しますが「税法・その他」は5問免除対象科目です。(宅建業に従事している人で「登録講習」を受講すると回答免除される問題)
- 科目による出題数の割合は年度により若干変化する場合があります。2022年の改正もあり、「宅建業法」が増加する傾向です。理由に、実務やコンプライアンスに直結する分野ということもあるかと思います。
- 2020年に民法の大改正があったため、「権利関係」の科目で新しく民法(債権法)に関連した設問がまだ確実視されます。この新設問は要注意です。
1-2.宅建試験の補足情報
その他、宅建試験の基礎的な情報です。
試験時間 | 2時間 |
回答方式 | マークシート・4肢択1方式 |
受験資格 | 規定なし |
試験日 | 毎年10月の第3日曜日 (コロナ対策で一部都市では12月の第3日曜日にも実施) |
試験会場 | 申し込み時の在住都道府県 |
合格発表 | 毎年12月の第1水曜日 (12月受験者は1月末頃) |
2.宅建試験の科目別難易度【ポイントは宅建業法】
それぞれの科目について、性質や難易度はどうなのでしょうか?
2-1.権利関係
設問数:14問(問1から問14)
この科目がいきなり1問目から始まるのは、ちょっと意地が悪いなといつも思います。出題範囲が広く、最も難易度が高く暗記では対処できいないからです。法解釈と運用への「理解」が求められるため、勉強にも時間を要します。
「権利関係に深入りは禁物」とよく言われるのですが、その意味は平たく言うと「時間かかるけど、かけすぎちゃダメ!」「暗記科目を優先して!」」ということです。
2-2.法令上の制限
設問数:8問(問15から問22)
この科目は専門用語や数字などを覚える点が多いのですが、慣れれば比較的簡単に解ける出題が多いです。数字や選択肢など一定量の暗記で対処でき、「ここが出る」という出題ポイントも絞りやすい科目です。
アドバイスとして、「この地域はこういう場所だから、こんな基準や許可が必要」という、都市計画の意図を結び付けながら覚えると勉強が進みます。宅建業の実務に就いている人が強くなる分野です。
2-3.宅建業法
設問数:20問(問26から問45)
出題範囲がほぼ「宅地建物取引業法」のみと狭く、さらに出題の多い箇所が毎年固定されているため、暗記が進めば比較的簡単に得点しやすい科目です。
2022年5月に「デジタル社会」の形成を目的としたデジタル改革関連法整備の一環として、宅地建物取引業法が改正された点は、重点出題点です。
最重要科目のため、満点を目指すことが合格への道、逆に言えばここで点を取れなければ合格が困難な科目が「宅建業法」です。
2-4.税法・その他
設問数:8問(問23から問25、問46から問50)
設問により難易度の差が大きく、ボーナス的問題が出る科目です。
「税法」は突き詰めればある意味「権利関係」よりも深入り禁物な分野なのですが、あまりに複雑かつ法改正で変わり過ぎて、逆に設問は基礎的な暗記中心で対処できる状況になっています。(重大な法改正があった場合は、その限りにありませんが)
「その他」も比較的平易な内容で、5問免除対象ですが、免除を受けない人にも勉強はしやすいです。土地建物の統計、着工戸数などは、宅建試験で唯一「ヤマ張り」的な要素のある分野ではないかと思います。
2-5.5問免除とは
5問免除とは、宅建業に従事している人が、「登録講習」を受講することによって「税その他」科目の回答を5問分免除=5問正解となる制度です。
宅建試験の通常の合格率は15%前後ですが、5問免除を受けた人の合格率は20%前後になるそうです(もっとも、業界ですでに働いている分合格率が高いこともあるでしょう)
5問免除は、受けられる人は受けた方がいいです。
5問免除対象設問は例年、問46~問50です。5問免除の出題範囲を少し深く掘ると、以下の通りです。
- 宅地建物取引業法施行規則 第8条第1号
土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること - 宅地建物取引業法施行規則 第8条第5号
宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること
2-6.その他 出題の注意点【要注意】
2-6-1.暗記知識+αが要求される「個数問題」と「組み合わせ問題」【要注意】
暗記した知識+αが求められる出題形式の問題が、毎年8問前後出題されています。
「正しいものはいくつあるか」「間違っているものはいくつあるか」などの個数問題と、「正しいものの組合せはどれか」「間違っているものの組合せはどれか」などの組み合わせ問題です。
この「個数問題」「組み合わせ問題」の特徴は、単純な正誤問題=「正しいものはどれか?」と違い、すべての選択肢を検討したうえ、それぞれの正誤を正しく判断しないと不正解になるという意味で難問です。
これらの問題には、ひっかけに屈しないだけのしっかりした理解と正確な暗記が必要となるため、ハードルは高いです。しかしこういった問題は試験結果、正答率が低いのが通常なので、正解したときの価値は高いです!
2-6-2.「足切り」について
ある科目が一定点数以下だと不合格になる「足切り」は宅建試験にはありません。
合計で一定得点に達していれば合格というわけです。したがって、試験当日は
- 勉強中に「どうしても無理。これ以上点数は伸びない!」と思った科目
- 試験本番中に「苦手なのに今年はさらに難しい!」と思った科目
はほどほどに切り上げて、「できる科目」に時間を集中するのも、合格のためには必要な決断です。
3.宅建試験の科目別・必要な勉強時間と目標点数【勉強する順番(優先順位)も紹介】
宅建試験に合格するためには、200~400時間、平均でも300時間の勉強時間が必要となると言われています。
これは4月から勉強を始めたとして、1日に1時間半から2時間に相当する分量です。「意外に多いなあ」と感じる人も多いと思います。
勉強方法は様々で、机に向かう以外に、予備校の授業・通勤時間中のアプリ勉強や録画・録音講義視聴、模試などいろいろですが、私の感覚では、予備校の授業は含まないでそのくらいの時間かな?という感じがします。
もちろん勉強時間とその結果の効率は、年齢他の要素で個人差はあります。しかし個人差を問わず何より考え、工夫すべきは「効率よくやる」ことなのです。
3-1.効率よく戦うには優先順位
効率よく合格を目指すためには、科目ごとに優先順位をつけて勉強を始めることが必要になります。
試験は50点満点中35点前後あれば合格、37点なら安全圏です。
効率よく合格に必要な点数を確保する実力をつけ、安心して本番の試験にのぞめるよう、各科目ごとで目標点を決めて、それに向けて勉強することが励みにもなり、合格への早道なのです。
実は勉強する優先順位は「宅建業法」⇒「権利関係・民法等」⇒「法令上の制限」⇒「税その他」というのがおすすめです。
3-2.科目別の目標・優先順位
以下は
- どの科目から勉強を濃くするか
- 出題数に対して何問正解を目指すか
- 得点するための勉強時間の割き方
を、科目ごとの割合を目安として表にしたものです。
試験勉強の期間中には、早めの段階で範囲全体を見渡したり答練があったり、自分の苦手分野をあぶりだす必要もありますから「最初のふた月は宅建業法のみ!」というような勉強の進め方はできません。
並行して進める必要はありますが、この基本的な優先順位は常に頭に置くべき、基本的なセオリーです。
優先順位・科目 | 正解目標 勉強時間めやす |
理由は? |
1位 宅建業法 | 20問中20問 120時間(4割) |
宅建業法は暗記で得点しやすく、内容が取っつきやすい=満点が狙える。
全50問中20問を占める宅建業法でもし満点がとれれば、あとの30問で1/2以上正解できれば試験に合格できる。 |
2位 権利関係 | 14問中10問 90時間(3割) |
この分野は暗記だけでなく理解が必要なので勉強時間がかかる。苦手とする人も多く、それぞれ自分に合った攻略法を見つける必要がある。 |
3位 法令上の制限 | 8問中6問 60時間(2割) |
専門用語や数字が多いが、比較的暗記でも点が取れ、出題ポイントも絞りやすい=慣れれば簡単になってくるので後半に力を入れるのでもOK。 |
4位 税法・その他 | 8問中6問 30時間(1割) |
いちばん最後でOK。設問により難易度の差が大きいが。直前の暗記でも十分対処できる。
5問免除対象科目。 |
もちろん、これは基本的なセオリーですのでそれぞれの得意・不得意などで目標点数は変える場合もあります。どんな風に変えたらいいでしょう?
たとえば、以下のようなやり方がオススメです!
- 法科系の勉強経験あり。法律関係に苦手意識がない ⇒ 「権利関係」の目標点数を増やす
- 宅建業の実務経験、あるいはいま勤めている ⇒ 「法令上の制限」の目標点数を増やす
ただし「宅建業法」に関しては、得点の基礎となる科目ですので、業法は満点を目標にするというのは、外すことはできないと思います。
4.「宅建試験の科目」まとめ
以上、宅建試験の科目について、それぞれの特徴や勉強法などご紹介しました。
科目の特徴や自分の得意・不得意に合わせて、勉強方法・重要なウエイトの配分の戦略を立てるのは、合格する上でとても重要です。
ぜひ何度も読み返してみてください!
- 宅建試験の各科目の出題構成を知ろう
- 宅建試験の科目ごとの性格、優先順位を知ろう
- 科目ごとの勉強の時間と順番が合格を左右!
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