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「建設コンサルタント」は日本では比較的知名度も地味目で、話題に上ることが少ない業界ですが、取り扱う事業の規模、金額が大きく、不況にあってもなかなか仕事の減らない業種です。
「建設コンサルタントのランキングを知りたい」
「地域、部門、棟梁、年収、鉄道、湾港、など会社別のランクは？」
「過去からの推移や何か変動はある？」
日本の国土を俯瞰して、街づくりのために調査・企画を行う建設コンサルタントは、社会的・経済的に影響の大きい、やりがいのある仕事と言えるのです。詳細が気になりますね？
そこで今回は「建設コンサルタントのランキング」を分かりやすく解説します。就職・転職・業界知識の参考に、ぜひ最後までお読みください。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格：宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、ＦＰ２級など多数保有
不動産業界歴１０年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。３０００人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第１位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数10万人以上。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格：宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、ＦＰ２級など多数保有
不動産業界歴１０年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。３０００人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第１位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数10万人以上。
目次
1.建設コンサルタント業界の基礎知識
ダム・河川・道路・鉄道など、暮らしにかかわる（主に公共の）施設を「社会資本」「公共インフラ」と呼んだりします。
建設コンサルタントは、これらの社会資本整備に関して、「どこに課題があり」「どんな需要があり」「どう対策するか」「どう設計するのが最適解か」を調査の上、立案する事業を行っています。
土地・建物の調査から評価・不動産マターの都市計画を「不動産鑑定士」が担うように、公共インフラに関しての最適解を出すのが、建設コンサルタントの仕事です。
一般的ななじみの薄い仕事ですが、民間の市場だけでなく行政機関など、予算が大きいところから受注するため、このコンサルの業界規模は5,018億円にものぼり、東日本大震災の影響から脱してきた2012年以降より、年々右肩上がりに伸びています。
2.建設コンサルタントの会社ランキング【売上高順】
日本工営、パシフィックコンサルタンツ、建設技術研究所の3社が売上高規模でBIG3と呼ばれています。
しかし歴史の長い会社が強いとは限らず、イデア、オリエンタルコンサルタンツ、EJホールディングスなど、新しい企業も台頭しています。
以下は「建設コンサルタント決算ランキング2019」（日経コンストラクション）の順位です。（単位：百万円）
| 1 | 日本工営 | 50,442 |
|---|---|---|
| 2 | パシフィックコンサルタンツ | 50,442 |
| 3 | 建設技術研究所 | 35,108 |
| 4 | JR東日本コンサルタンツ | 21,800 |
| 5 | オリエンタルコンサルタンツ | 21,005 |
| 6 | 八千代エンジニヤリング | 20,694 |
| 7 | オリエンタルコンサルタンツグローバル | 18,626 |
| 8 | 日水コン | 17,868 |
| 9 | エイト日本技術開発 | 17,650 |
| 10 | いであ | 17,306 |
2-1.海外
続いて海外の建築コンサルティング会社のランキングです。Consultancy.orgが独自のデータベースに基づき、世界をリードするコンサルタント会社をランク付けしたものです。
| 1 | KPMGインターナショナル | 155か国で155,000 人以上のスタッフ。クライアントは、企業、政府、公共部門の機関、非営利団体。 |
|---|---|---|
| 2 | デロイト | 世界中の独立系企業の何万人もの専任専門家が協力して、監査、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスク管理、税務、および関連サービスを特定のクライアントに提供するブランド。 |
| 3 | マッキンゼー・アンド・カンパニー | 老舗のグローバルな経営コンサルティング会社として、日本でも著名。 |
| 4 | ボストンコンサルティンググループ | 1963年に設立さ。45か国に80を超えるオフィスを持つ非公開企業。 |
| 5 | EY | ビジネスへの信頼向上、持続可能な成長、人材育成により、より良い職場世界を構築。 |
| 6 | アルバレス＆マーサル | 1983年設立。アドバイザリー、業績改善、ターンアラウンド管理サービスを提供するサービス企業。4大陸に4,500人を超えるスタッフが在籍。 |
| 7 | Bain＆Company | 創業40年。グローバル500の大部分、数千の主要地域・地方組織、数百の非営利団体、およびグローバル株式資本の75％を占めるプライベートエクイティファンドと協業。 |
| 8 | コーデンスワールドワイド | 専門知識・説明責任・多様性にコミット。独立したメンバーファームで構成されるグローバル経営コンサルティングパートナーシップ。 |
| 9 | OC＆Cストラテジーコンサルタント | 30年以上のキャリアをもつグローバル戦略のブティック。 シンプルでユニークな感覚でビジネス上の課題を明らかに。 |
| 10 | Twynstra Gudde | オランダの経営コンサルタント会社。重要なテーマは、「持続可能な未来」＝エネルギー転換、循環経済、気候変動、スマートで持続可能なモビリティ、資産管理の5つの提案。 |
3.建設コンサルタントの会社ランキング【部門別】
以下は建設コンサルタント会社の、建設コンサル部門のみの売上比較のランキングです（2013年の決算ベース・単位：百万円）
| 1 | 日本工営 | 39,736 |
|---|---|---|
| 2 | パシフィックコンサルタンツ | 30,574 |
| 3 | 建設技術研究所 | 25,904 |
| 4 | オリエンタルコンサルタンツ | 21,553 |
| 5 | 八千代エンジニヤリング | 15,457 |
| 6 | 国際航業 | 13,836 |
| 7 | いであ | 13,423 |
| 8 | 日水コン | 12,758 |
| 9 | エイト日本技術開発 | 12,250 |
| 10 | ニュージェック | 11,856 |
トータルの売上高ランキングとは、顔ぶれ・順位ともに、そう変わりはありません。
それでは今度は、インフラの種類別に、落札企業のランキングをごらんください。コンサルタント会社の名前が出ない点注目です（JVの形で関係している場合あり）
3-1.橋梁工事
| 順位 | 企業名 | 落札案件数 |
|---|---|---|
| 1 | 利賀ダム庄川橋梁上部工事三菱・宮地特定建設工事共同企業体 | 3 |
| 2 | JFE・MMB・川田・宮地・ピーエス三菱中国自動車道(特定更新等)吹田JCT~中国池田IC間橋梁更新工事特定建設工事共同企業体 | 2 |
| 3 | りんかい日産・日本橋梁異工種建設工事共同企業体 | 2 |
| 4 | 東急・矢作・高野北陸新幹線福井橋りょう他特定建設工事共同企業体 | 2 |
| 5 | 株式会社東京鐵骨橋梁・株式会社沖電工特定建設工事共同企業体 | 2 |
3-2.鉄道
| 順位 | 企業名 | 落札案件数 |
|---|---|---|
| 1 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 429 |
| 2 | 西日本旅客鉄道株式会社 | 423 |
| 3 | 九州旅客鉄道株式会社 | 347 |
| 4 | 北海道旅客鉄道株式会社 | 274 |
| 5 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 273 |
3-3.港湾
| 順位 | 企業名 | 落札案件数 |
|---|---|---|
| 1 | 一般財団法人港湾空港総合技術センター | 1160 |
| 2 | 株式会社日本港湾コンサルタント | 1035 |
| 3 | 北日本港湾コンサルタント株式会社 | 656 |
| 4 | 公益社団法人日本港湾協会 | 287 |
| 5 | 財団法人港湾空港建設技術サービスセンター | 228 |
3-4.電力土木
| 順位 | 企業名 | 落札案件数 |
|---|---|---|
| 1 | 一般社団法人電力土木技術協会 | 10 |
| 2 | 社団法人電力土木技術協会 | 1 |
3-5.道路
| 順位 | 企業名 | 落札案件数 |
|---|---|---|
| 1 | 日本道路興運株式会社 | 2290 |
| 2 | 日本道路株式会社 | 1867 |
| 3 | 東亜道路工業株式会社 | 1509 |
| 4 | 福田道路株式会社 | 1248 |
| 5 | 鹿島道路株式会社 | 1216 |
3-6.トンネル
| 順位 | 企業名 | 落札案件数 |
|---|---|---|
| 1 | 一般社団法人日本トンネル技術協会 | 16 |
| 2 | 一般国道40号音威子府村音中トンネル 清水・伊藤・岩倉特定建設工事共同企業体 |
7 |
| 3 | 一般国道40号音威子府村音中トンネル 清水・伊藤・岩倉特定JV |
6 |
| 4 | 横浜湘南道路トンネル工事 西松・戸田・奥村特定建設工事共同企業体 |
4 |
| 5 | 社団法人日本トンネル技術協会 | 4 |
4.建設コンサルタントの平均年収ランキング
建設コンサルタント企業の平均年収は624万円といわれています。
以下は平均年収の上位ランキングです。（単位：万円）売上高1位の日本工営は、待遇上は標準的であることが分かります。
| 1 | 構造計画研究所 | 866 |
|---|---|---|
| 2 | E・Jホールディングス | 847 |
| 3 | 建設技術研究所 | 842 |
| 4 | NJS | 801 |
| 5 | 長大 | 782 |
| 6 | 大日本コンサルタント | 772 |
| 7 | オリジナル設計 | 717 |
| 8 | 日本工営 | 715 |
| 9 | いであ | 706 |
| 10 | オリエンタルコンサルタンツHD | 701 |
5.「建設コンサルタントランキング」のまとめ
以上、「建設コンサルタントランキング」というテーマで解説をしました。業界の概要は、理解をいただけたでしょうか？
公共インフラは関連する公務員でない限り、職業的な関心を持ちづらいのが実情だと思います。しかし、建設コンサルタントのように、民間でも関わりを持って働く仕事があるわけです。
そして、本来都市計画という意味で、建築・施工管理や不動産の世界ともかかわりのある世界と言えますね。
- 建設コンサルタントは社会資本整備の企画立案から設計・メンテナンス計画を行う企業。
- 市場規模は5千億円。売上高トップは日本工営で500億円ほど。
- 海外では経営コンサルタント会社がインフラ企画業務を行う。
- 業界全体の年収平均は624万円。
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