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宅建の問題は民法改正の影響で難しくなる?過去問の正誤が変わる事例も解説!

今年、2020年に宅地建物取引士試験=宅建試験を受けようと考える人の最大の関心事は、何といっても「民法大改正」の影響ですね。

過去になかなか例のない、大規模な法令の変更がされました。

宅建試験にも影響があり、過去これまで正解だった回答が間違いになってしまうなど、注意点が多くあります!

ただ、早く中身を知れば安心ですし、対策にもかかれます。

最後まで必ず読んで「民法改正」に備えてくださいね!

この記事を読むと分かること
  1. 今回の「民法改正」ってどんなもの?
  2. 宅建の試験に「民法改正」の影響は?
  3. 「民法改正」で契約書・重要事項説明も変わる【対応必須!】
  4. 宅建試験・「新民法」の攻略法は? 独学でもできる?

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1.民法改正とは?何がいつから変わる?

1.民法改正とは?何がいつから変わる?

民法大改正は今年2020年4月から施行されます。

範囲は債権法と呼ばれる部分の改正で、改定箇所は1000以上になります。

明治29年に制定・公布されてから120年経つ債権法は、そのルールの多くが判例に作成され、条文化されていない事項が多くありました。そこで今年まで5年の歳月をかけて検討の上改正されたのです。

この改正の目的は「現代社会・経済への対応を図り、国民一般にわかりやすいものとする」ことです。

条文化されていれば、いつでも参照でき、根拠を「第〇条」と示せます。

本改正は、民法が制定されて以来の、財産法分野における最も大きな改正であり、約款に関する規定の新設、賃貸住宅の敷金ルールの明文化、消滅時効規定の見直しなど、消費生活に密接に関連する内容も多く含まれています。

出典:民法改正の概要とポイント― 国民生活センター

民法全体の構成と法規の意図、改正部分は以下です。

総 則
民法すべての共通項の決まり
財産法
所有や売買、賃貸借などの財産関係の決まり
物権法
人と物との関係についての決まり
債権法(大改正)
人と人との関係についての決まり
家族法
夫婦・親子・兄弟姉妹の身分関係、死後の相続などの関係の決まり
親族法
婚姻、離婚、親子、親権などの決まり
相 続(小改正)
死亡などによる相続、遺言などによる財産移転などの決まり

民法総則・物権法・債権法・親族法・相続5つのパートで構成されますが、その中で改正に関わるのは「債権法」「相続」の2つです。

2.民法改正・宅建試験への影響ポイントは?【過去問など影響範囲・重要項目はここ!】

2.民法改正・宅建試験への影響ポイントは?【過去問など影響範囲・重要項目はここ!】

それでは、この「民法改正」が実際にどのように宅建試験へ影響してくるのかを、整理します。

2-1.宅建試験への影響例

数年前から「民法が変わり、宅建試験が影響を受ける」ということは何度も情報として出ていましたが、改正された民法が実際に宅建試験に影響を及ぼすのは今年10月の試験からとなります。

民法改正対策の要点

  • 改正部分が試験の出題にどのように影響するかしっかり把握。
  • 過去問は正答が変わっているものがあるので、要注意!
  • テキスト等教材は必ず新しいものを。

民法改正箇所の項目別重要度

ではここで、改正箇所のどこが出題されやすいかを表で見てみましょう。
=最優先 =優先 =最優先かつ法改正関連)

項目名 重要度
債権 債務不履行
保証
連帯保証
債権譲渡
弁済・相殺等
債権者代位権・詐害行為取消権
同時履行の抗弁権
契約の解除
危険負担
手付
買戻し
売主の担保責任
賃貸借一般
使用貸借 消費貸借 
請負・贈与
委任
不法行為
不当利得
その他
相続・遺言

このように、改正箇所はほとんどの項目がもともと最重要項目なのです。

2-2.民法条文上の改正ポイント

以下のように、表現や規定が変更になった箇所にご注意ください。

初学者の方は昨年までの知識がないので、古いテキストなどに注意すれば基本はOKです。

民法改正に伴う表現や規定の変更

錯誤 改正前:無効

改正後:取り消し

代理 改正前:帰属者が制限行為能力者かつ法定代理人も制限行為能力者だった場合⇢取り消しできる

改正後:制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為⇢取り消しできる

時効 改正前:職業別の年数が異なる、商事時効5年

改正後:全て統一して

  • 権利者が権利を行使できることを知った時から5年
  • 権利を行使できる時から10年間

に変更。

  • 時効の「中断」⇢「更新」
  • 時効の「停止」⇢「完成猶予」
弁済 改正前:

  1. 「利害関係を有しない」第三者は債務者の意思に反して弁済することはできない。
  2. 債権者は利害関係を有しない第三者からの弁済を拒むこ とができない。

改正後:

  1. 「正当な利益を有する者でない」の弁済が債務者の意思に反する場合であっても、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときには、その弁済は有効とする。
  2. 「弁済をするについて正当な利益を有する者以外の第三者」 は、債権者の意思に反して、弁済をすることができない。
債務不履行解除 改正前:債務者に帰責事由がない場合には解除が認められないと定めている

改正後:債務不履行による解除一般について、債務者の責めに帰することができない事由によるものであっても解除を可能なものとする。ただし、不履行が債権者の責めに帰すべき事由による場合には、解除はできない。

連帯債務 改正前:連帯債務者1人に対して行った履行の請求は他の連帯債務者にも効力が生ずる

改正後:他の連帯債務者には効力は生じない。各々に履行の請求をする必要がある

賃貸借契約 改正前:民法での契約期間の上限は20年

改正後:民法での契約期間の上限は50年

瑕疵担保責任 改正前:1.「瑕疵担保責任」

改正後:1.「契約不適合責任」

2.追完請求、代金減額請求が明文化された。

譲渡契約 改正前:譲渡制限特約のある債権の譲渡は無効

改正後:悪意重過失でない限り有効 ※悪意かつ重過失の場合、譲受人から履行を請求されても、債務者は拒絶または譲受人に弁済することを主張可能。

※改正に関連の深い項目についていくつかご説明します。

意思表示【心裡留保・錯誤・虚偽表示など】

【詐欺とは?】

例えば:騙されて家を売った
売主は: 騙されたという落ち度あり

【強迫とは?】

例えば:脅されて家を売った
売主は:落ち度がない

【詐欺と脅迫の共通点は?】

他人から意思表示を求められたが、本意でないので取消す(契約を望む場合もあり)

【虚偽表示】

例えば:売主と買主が一緒になって嘘をつくこと(実例)仮装譲渡
売主は:嘘をついたという落ち度あり

【錯誤】

例えば:勘違いして家を売ること
売主は:勘違いはありうる。重過失でなければ落ち度なし

【虚偽表示と錯誤の共通点】

自分自身で意思表示をしたが、無効に(契約の意志なし)

【心裡留保】

例えば:売主が買主に嘘をつくこと
売主は: 嘘をついたという落ち度あり
※原則有効だが、例外として無効あり。錯誤による無効は、売主の勘違いに重過失がなく、かつ、要素(契約の重要な部分)の錯誤である時だけ主張可能。

連帯債務とは

複数の債務者が同一内容の債務をそれぞれ独立に負担し、その1人が弁済すれば、他の債務者も債務を免れる関係。

  • 連帯債務者のうちの1人に無効・取消の原因があっても、他の債務者に影響なし。
  • 連帯債務者の1人が破産した場合、債権者は全額を破産財団の配当に加入できる。

【保証との違い】
主従の関係がなく、それぞれの債務が独立している=附従性がない。

【連帯債務の具体例】
Aは、B、C、Dの3人に1,800万円の別荘を売る。確実に代金を回収するには?

本来、3人で1,800万円=1人600万円ずつ支払えば良い。

共同購入メンバーの誰かひとりに無効、取消原因があった場合、Aは1,200万円しか得られなくなる。

それぞれの債務が独立し、かつ、それぞれが1,800万円の責任を負う制度を設けた=これが連帯債務。

2-3.過去問が変わる!

法改正の影響で過去問の正答が変わっている例があります。2019年まで正解だった設問が、2020年には不正解になる例が出ます。特に2度目以降の受験者は注意が必要です!初学者の方は古い教材は使わないでください。

正答の変わる例1
(2017年 問7)
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、A、B、Cの負担部分は等しいものとする。
  1. DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知らなければ、B及びCについては、その効力が生じない。

2017年 宅地建物取引士試験問題

2019年まで:誤り
2020年より:正しい

⇒ 「履行の請求」に絶対的効力がある(=他の連帯債務者に影響する)点は、改正によって削除。したがって(知っているかどうかにかかわらず)効力が生じないため正しい。(440条) 

正答の変わる例2
(2018年 問7)
債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 譲渡禁止特約のある債権の譲渡を受けた第三者が、その特約の存在を知らなかったとしても、知らなかったことにつき重大な過失があれば、当該債権を取得することはできない。

2018年 宅地建物取引士試験問題

2019年まで:正しい
2020年より:誤り

⇒ 改正により債権譲渡は、譲渡制限の意思表示があったとしても有効となったため(466条)

正答の変わる例3
(2016年 問1)
次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

  1. 債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨

2016年 宅地建物取引士試験問題

2019年まで:誤り
2020年より:正しい

⇒ 債権は「権利を行使することができる時から10年間行使しないとき」時効により消滅する(166条)。但し、人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効は、改正民法の167条で20年間とされた。

3.民法改正で変わる契約書・重要事項説明【出題に影響?】

3.民法改正で変わる契約書・重要事項説明【出題に影響?】

不動産取引実務の現場では民法改正の具体的影響が出始めたところで、この記事を書いている時点で、法改正施行からまだ2カ月弱の経過ですから、契約書や重要事項説明書の書式は新しいものを使い始めたばかりです。

「契約書」「重要事項説明書」は宅建業法分野でそれぞれ37条書面・35条書面の書類名で出題されます。「民法」改正はこれらの書面にどういった影響があるのでしょうか?

※これらの書面は契約の状況によってさまざまな書式があるので、特に契約書に関して「第〇条はこう変わる」という書き方はできませんが、以下で、お手もとに古い書面があれば照合確認ができます。

3-1.契約書の変更点

売買契約書の変更点

瑕疵担保責任から契約不適合責任に名称が変更 「契約不適合」の意味は、これまでの瑕疵担保責任の「瑕疵」と基本的に同じ。

売買契約書において、これまで瑕疵担保責任と記載していた点については、用語を契約不適合に変更しておくことが必要。

買主が知っていた不適合責任も責任の対象に 民法改正後の契約不適合責任では、買主が知っていた不適合責任であっても、契約後に売主が契約不適合責任を負う可能性がある。
不適合責任があった場合に買主は修補請求や代金減額請求が可能に 不適合責任に対し、これまでの買主の手段「契約解除」「損害賠償の請求」の2つにくわえて、「修補請求(追完請求)」「代金減額請求」が可能になった。

ただし、今後も売主が不適合責任を負わない内容の特約を付けることは可能なので、特約事項で上記4種類の中から適宜選択して責任を負う旨を定義が可能に。

売主が不適合を知っていた場合などは売主の責任期間が延長になる 売主が不適合を知っていたか、知らないことについて重大な過失があった場合、売主の責任期間は6か月~1年だったものが5年となった。
手付に関する契約条項の表記の見直し 手付解除可能な期限について条文上、「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」

「相手方が契約の履行に着手するまで」に変更。

賃貸借契約書の変更点

賃貸借終了時の敷金 敷金額から未払い債務残額(損害賠償金、未払の賃料、原状回復費用など)を差し引いたものが敷金返還額と明示。
賃貸借終了時の原状回復 賃借人が負う原状回復義務について、「通常損耗」や「経年変化」による部分についてはその義務を負わないというルールを明記。
賃貸不動産が譲渡された場合 物件オーナーチェンジの際に、家賃の支払先を新オーナーに明確化。
修繕についての義務 賃貸人の修繕義務と賃借人の修繕義務の範囲が明確化。
連帯保証人の責任範囲と限度額 連帯保証人の責任範囲は「債務の元本」「債務に関する利息」「違約金」「損害賠償」「その他に発生する債務」の4つ。

あらかじめ決められた極度額を限度とする。

設備の一部滅失による賃料減額 使用できなくなった部分の割合に応じて、当然に賃料は減額される、と厳格化。

3-2.重要事項説明書の変更点

重要事項説明書は、以下の点に変更が出ています。

売買の場合「契約の解除等に関する事項」のうち「引渡し完了前の滅失・損傷による解除」および「契約不適合による補修請求・解除」の項目が、(■有・□無)の選択チェックがなくなりました。

これは、売主の意思による費用負担にて修復が可能な場合には修繕して引渡すかどうかを契約ごとに選択していたものが、法改正後は選択せずに全ての契約が対象になったということです。

(売主及び買主以外の理由(自然災害等)で引渡困難な場合を除きます)

3-3.出題の可能性は?

以上のような点が影響して、宅建業法分野での出題がある可能性はないとはいえません。

ですが、宅建業法自体は土地建物や人のための法律ではなく、宅建業をいかに営むかの決まりなので、契約書や重要事項説明書の内容ではなく、どう運用したかを問われるのが基本です。

よって、改正関連の項目はやはり民法分野で出題される可能性が高いでしょう。

4.宅建試験・新民法の勉強法【おすすめテキストや問題集・独学は可能?】

4.宅建試験・新民法の勉強法【おすすめテキストや問題集・独学は可能?】

改正民法で予想される影響をカバーした教材は、どんなものがあるでしょうか?

4-1.改正民法に対応したテキスト・問題集

新民法に対応したおすすめ教材をご紹介します。

過去問の変更点をおさえる勉強に

解き直すべき過去問が重点解説されています。新設条文や変更点についても予想問題で確認できます。「膨大な改正点から出題可能性のある160項目を厳選!」

時間に余裕のあるうちに、民法単独で条文解説を勉強

民法関連の教材では珍しく、kindle版なのでスマホで電車の中での学習が可能です。

問題集ー民法改正(債権法改正・相続法改正)完全対応

最新年度を含む12年分の過去問を、年度別に合格基準点が高い順=やさしい順に掲載しています。

4-2.独学は可能?

もともと法改正がなくとも、何か有利な条件(実務・行政書士等の受験経験・若くて記憶力が良いなど)がない限り、民法含む権利関係の学習は難しいです。

そのわけは、暗記だけでなく条文に対する理解が求められるからです。そして法改正の影響は現状では未知数です。様々なところから情報を取るのがよいでしょう。

どうしてもチャレンジするのでしたら最新の教材を用いて、改正後に対応するため模試参加など自分なりの工夫をしましょう!

5.宅建試験・新民法の攻略【民法改正に対応!】

5.宅建試験・新民法の攻略【民法改正に対応!】

■そもそも法改正に関係なく:民法学習の基本セオリーとして、法令や判例の小難しい言い回しを、意味を間違えないように気をつけながら、普段着の表現に柔らかく変えてみたり、図にしてみる工夫はしましょう。誰かに口で説明できるレベルを目指します。

■改正点は頻出は必ず出題頻度が上がります:これまでの様々な法改正時の例で、改正点=頻出は間違いありません。前述のように、改正部分はもともと頻出項目でしたが、民法の広大な範囲の中では、一部分には違いありません。

つまり考え方によっては民法大改正の影響で、債権法を丁寧に攻めれば、点をとりにくい民法でいくぶん的が絞りやすくなる可能性もあります。

その分、合格点数ラインが上がることも考えられますが。それから、民法に時間を取り過ぎて準備・本番ともに他教科に影響を及ぼさないようにしましょう!

■初受験組も実務に結び付けてみる:法律の改正と思うと堅くて頭に入りませんが、前述の重要事項説明書・契約書のように、改正で不動産取引にどのような変化があったかを知ると、理解の助けになります。

この資料は実務者向け資料ですが、非常に分かりやすくまとまっています。
「宅建業者のための民法改正を考える最新動向」ー全国宅地建物取引業協会連合会・全国宅地建物取引業保証協会

6.「宅建 民法改正」まとめ

宅建の問題は民法改正の影響で難しくなる?過去問の正誤が変わる事例も解説!

以上、2020年宅建試験のトピック「民法改正」について解説をしました。

大きな法改正ですし、影響についても予測はあくまで予測ですが、リベンジ組は「攻略法はある!」初受験組は「チャンスかもしれない!」と感じて頂けたら嬉しいです。

宅建試験の「民法」について 本記事のポイント
  • 「民法改正」は2020年試験から出題・債権法部分中心
  • 「民法改正」箇所は頻出間違いなし。規定・用語・過去問の正答が変わる!
  • 「民法改正」の攻略は図に書き、実務を意識して理解を。深入りしすぎは禁物。

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