建築施工管理技士の受験資格は?試験制度・法改正などを解説【学歴・実務経験・免除】
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「建築施工管理技士」の受験制度が変更になり、ステップアップのチャンスが増えています。
「建築施工管理技士の受験資格が知りたい」
「学歴は必要なのか?高卒でも大丈夫?」
「法改正で何が変わったのか知りたい」
「実務経験の証明は?ごまかすとどうなる?」
もともと建築施工管理技士の受験資格は大変細分化されていて複雑なので、さらに門戸が広がることになります。気になりますね?
そこで今回は「建築施工管理技士の受験資格」をなるべく分かりやすく解説します。進路の参考に、最後までお読みください。
目次
1.建築施工管理技士の受験資格が緩和化された背景
建設業法の中で、技術検定試験に関する大幅改正が2021年度試験から適用されます。
1級施工管理技士の技術検定試験を「第1次検定と第2次検定」に再編し、新たに「技士補」を創設するということになりました。
この技士補は第1次検定に合格することでなることができ、技士の仕事をサポートし、技士補の存在によって技士は現場の掛け持ちを認められるようになるというものです。
1級・2級ともに技士補は、第2次検定に合格することによって技士になることができ、第1次検定の有効期限は無期限とされました。
さらに、2級施工管理技士は、2級取得後「最低5年以上の実務経験」がないと1級を受験出来ませんでしたが、2級合格の翌年から1級の「第1次検定」を受験可能になります。
その他、この法改正によって学科試験の合格者が実技試験に合格するまでの学科試験有効期限が11年と、大幅に延長されるなどが変更されました。
この法改正の背景には、少子高齢化による技術者・有資格者不足があります。経験豊かな技士が引退して数が減っているのです。
早く権限を授与され、現場で経験を積む中でどんどんステップアップができる環境が整ってきたということで、建築施工管理技士を目指す人にはチャンスと言えるでしょう。
2.建築施工管理技士の受験資格【改正の影響】
受験資格は1級・2級の別や様々な条件によって差異があります。(公式な発表前のため、一部令和2年の試験制度を継続掲載している場合があります)
1級建築施工管理技士
下表のいずれかに該当する方が受験申込可能です。
学歴・指定科目・技能検定合格者
学歴または資格 | 実務経験年数 | |
---|---|---|
大学 専門学校の「高度専門士」 |
指定学科卒業:卒業後3年以上 指定学科以外卒業:卒業後4年6カ月以上 |
|
短期大学 5年制高等専門学校 専門学校の「専門士」 |
指定学科卒業:卒業後5年以上 指定学科以外卒業:卒業後7年6カ月以上 |
|
高等学校 専門学校の「専門課程」 |
指定学科卒業:卒業後10年以上 指定学科以外卒業:卒業後11年6カ月以上 |
|
最終学歴問わず | 15年以上 | |
2級建築士試験合格者 | 合格後5年以上 | |
2級建築施工管理技術検定合格者 | 合格後5年以上 | |
2級建築施工管理技術検定合格後
5年未満で右の学歴の者 |
短期大学 5年制高等専門学校 専門学校の「専門士」 |
指定学科卒業:卒業後5年以上 指定学科以外卒業:卒業後9年以上 |
高等学校 専門学校の「専門課程」 |
指定学科卒業:卒業後9年以上 指定学科以外卒業:卒業後10年6カ月以上 |
|
最終学歴問わず | 14年以上 |
2級建築施工管理技士の実務経験短縮:建設業法改正により、主任技術者の要件クリア後、専任の監理技術者の配置が必要な工事で監理技術者の指導を受けた2年以上の実務経験を有する方、 指導監督的実務経験として「専任の主任技術者」を1年以上経験した方などは、実務経験年数を2年短縮可能な場合があります。
職業訓練修了者の実務経験短縮:職業能力開発促進法に規定される職業訓練等のうち国土交通省の認定を受けた訓練を修了した者は、受検資格を満たすための実務経験年数に職業訓練期間を算入することが可能です。
免除
以下の方は学科試験が免除され、実地試験のみの受験が可能です。
(1)11年以内の有効期間に学科試験のみ合格している者
(2)建築士法による1級建築試験の合格者で、かつ、1級建築施工管理技術検定試験の受験資格を有す者
2級建築施工管理技士
- まず、2級建築施工管理技術検定試験には以下3つの試験区分があります。
学科・実地試験 - 実務経験を積んで所定の受検資格を満たした方が受験申込可能。この区分で受験申込を行った場合は、学科試験を欠席して実地試験だけの受験は不可。
実地試験のみ
(学科試験免除)学科・実地試験の受検資格を満たし、かつ学科試験免除資格を有する方が申込可能。 学科試験のみ 満17才以上であれば受験申込可能。所定の有効期間内に学科・実地試験の受検資格を満たすと(学科試験免除で)実地試験へ受験申込可能。
学歴・指定科目
受検種別 | 最終学歴 | 実務経験年数 |
---|---|---|
建築 躯体 仕上げ |
大学 専門学校の「高度専門士」 |
指定学科卒業:卒業後1年以上 指定学科以外卒業:卒業後1年6カ月以上 |
短期大学 5年制高等専門学校 専門学校の「専門士」 |
指定学科卒業:卒業後2年以上 指定学科以外卒業:卒業後3年以上 |
|
高等学校 専門学校の「専門課程」 |
指定学科卒業:卒業後3年以上 指定学科以外卒業:卒業後4年6カ月以上 |
|
最終学歴問わず | 8年以上 |
実務要件(技能検定合格者)
受検種別 | 技能検定職種 | 級別 | 実務経験年数 |
---|---|---|---|
躯体 | 鉄工(構造物鉄工作業)、とび、ブロック建築、型枠施工、鉄筋施工(鉄筋組み立て作業)、鉄筋組み立て、コンクリート圧送施工、エーエルシーパネル施工 | 1級 | 問わない |
2級 | 4年以上 | ||
平成15年度以前に上記検定職種に合格した者 | – | 問わない | |
単一等級エルシーパネル施工 | – | 問わない | |
仕上げ | 建築板金(内外装板金作業)、石材施工(石張り作業)、石工(石張り作業)、建築大工、左官、タイル張り、畳製作、防水施工、内装仕上げ施工(プラスチック系床仕上げ工事作業、カーペット系床仕上げ工事作業、鋼製下地工事作業、ボード仕上げ工事作業)、床仕上げ施工、天井仕上げ施工、スレート施工、、熱絶縁施工、カーテンウォール施工、サッシ施工、ガラス施工、表装(壁装作業)、塗装(建築塗装作業)、レンガ積み | 1級 | 問わない |
2級 | 4年以上 | ||
平成15年度以前に上記検定職種に合格した者 | – | 問わない | |
単一等級レンガ済み | – | 問わない |
※上記表の区分は職業能力開発促進法による技能検定合格者が対象です。職業能力開発促進法に規定される職業訓練等のうち、国土交通省の認定を受けた訓練修了者は、受検資格を満たすための実務経験年数に職業訓練期間を算入することが可能です。
免除
下記の条件に該当する方は学科試験を免除して、実地試験のみの受験が可能です。
(1)建築士法による1級建築士試験の合格者
(2)2級建築施工管理技術検定試験の「学科試験のみ」受験の合格者で、有効期間内の者
(2)について、対象の方は、合格発表日の属する年度の初日から起算して12年以内で、連続する2回までの有効期間内に限り、学科試験免除で実地試験のみを受験することが出来ます。
※建築施工管理技士の受験資格詳細は、下記リンクからご確認ください。
3.建築施工管理技士の受験資格の証明方法
実務経験は学歴と並び、受験資格の重要要件です。実務経験は正確に公正に報告する必要があります。
施工管理技士の実務経験証明は、受験願書とともに実務経験証明書に実務経験を記入して提出します。「勤務先名称」「勤務先所在地」「所属部署」「従事した工事種別・工事内容」「従事した立場」を記入し、それに見合った実務経験年数を書き、勤務先の会社印と代表印も必要です。
受験者が経営者の場合は、工事を請け負っていることが証明できる書類が必要となります。
この実務経験を捏造するなどして不正受験すると、受験停止、合格取り消しや、証明者も責任を問われる場合がありますので、注意が必要です。
4.建築施工管理技士の受験資格は確認必須
ここまで見て頂いたように、建築施工管理技士の受験資格は要件が非常に細かい上に、令和3年から法改正で変更される試験制度の確認も必要になってきます。
自分がどういうルートで合格まで到達するか、あるいはすでに働いている人は、どうすれば受験できるのか、事前に理解し、はっきり決めておく必要があるのです。
実務経験も重視されますが、建築の世界は分業制で、仕事の幅が非常に広いです。どこでどんな経験を積んで受験するのかも、合格ルートに影響する大事な要素となるでしょう。
5.「建築施工管理技士 受験資格」のまとめ
以上、「建築施工管理技士 受験資格」というテーマで解説をしました。受験資格の概要は、理解をいただけたでしょうか?
法改正によって、合格へのルートがさらに多様化し、それは「チャンスが増えた」と捉えることができるでしょう。
繰り返しますが、受験資格を自分に当てはめ、キャリアのロードマップを具体化しましょう!
- 「建築施工管理技士」の受験資格は建設業法改正で資格取得のチャンスが増え、年数もかけられるようになった。
- 受験資格は実務経験・学歴等たいへん細かく、しっかり確認する必要あり。
- 実務経験証明の際のごまかしは発覚すると合格取り消しや証明者罰則。
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