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宅建の難易度と合格率!勉強時間や学習法・他資格比較も解説!

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宅建士(宅地建物取引士)資格は、毎年20万人が受験するという、日本有数のマンモス資格です。

合格するのは3万人から4万人なので、平均的な合格率は16%前後です。100人のうち16人が受かるということは「100人のうち84人が落ちる試験」でもあるということです。

しかし過度に心配しないでください。なぜなら、適切な勉強方法で、適切な勉強量をこなすことができれば、誰でも合格を勝ちとることのできる試験でもあるからです。

とはいえ、「宅建の難易度はどの程度なのか?」「本当に自分でも合格できるのか?」など、不安に感じる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、宅建の難易度合格率宅建の試験内容、そして独学と通信教育のメリット・デメリットについて解説します。

また「どれくらいの勉強時間が必要か」という点や「1発合格するための勉強ロードマップ」も紹介します。この記事を読めば、宅建に合格するためにどのような勉強をしていくべきなのか、その道筋が見えてくるはずです。

監修者棚田健大郎

この記事・サイトの監修者

棚田 健大郎

保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有…続きを読む

不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。

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保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有…続きを読む

不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。

1.宅建試験の難易度・合格率は?

1.宅建試験の難易度・合格率は?

まずは宅建の難易度を知るにあたり、過去10年間の受験動向をデータで見てみることにしましょう。

受験者数合格者数合格率の推移を見た上で、他の国家資格の難易度との比較をチェックしてみます。

1-1.合格率の推移【過去10年分】

宅建の合格率は、年度によって異なります。過去10年間を概観してみると、だいたい15%から17%で推移していることがわかります。

詳しいデータは、試験の実施団体である「不動産適正取引推進機構」が公表しています。過去10年間の推移は次のとおりです。

年度 合格率(c/b) 申込者数(a) 受験者数(b) 合格者数(c)
2012年(平成24年) 16.7% 236,350人 191,169人 32,000人
2013年(平成25年) 15.3% 234,586人 186,304人 28,470人
2014年(平成26年) 17.5% 238,343人 192,029人 33,670人
2015年(平成27年) 15.4% 243,199人 194,926人 30,028人
2016年(平成28年) 15.4% 245,742人 198,463人 30,589人
2017年(平成29年) 15.6% 258,511人 209,354人 32,644人
2018年(平成30年) 15.6% 265,444人 213,993人 33,360人
2019年(令和元年) 17.0% 276,019人 220,797人 37,481人
2020年(令和2年)10月 17.6% 204,163人 168,989人 29,728人
2020年(令和2年)12月 13.1% 55,121人 35,261人 4,610人
2021年(令和3年)10月 17.9% 256,704人 209,749人 37,579人
2021年(令和3年)12月 15.6% 39,814人 24,965人 3,892人

出典:試験実施概況(過去10年間):一般財団法人 不動産適正取引推進機構

2020年と2021年は、コロナ対策により「年2回」の試験となりました。そのため数字にブレがありますが、だいたい「15%から17%くらい」の合格率だと考えると良いでしょう。

毎年20万人前後が受験して、3万数千人が合格しています。つまり、「20人が受験したら、そのうち3人から4人くらいしか受からない」というのが現実です。

1-2.他資格との比較

今度は、他の主要な国家資格との違いを見てみることにしましょう。

難易度が具体的にイメージしやすくなるように「合格に必要とされる勉強時間」「平均的な合格率」で比較してみます。

資格名 必要とされる勉強時間 平均的な合格率
弁護士(予備試験) 6,000時間 3%
公認会計士 3,000時間 10%
不動産鑑定士 2,000時間 10%
宅地建物取引士 300時間 16%
日商簿記2級 250時間 30%

出典:宅建の偏差値は50~60!試験の難易度と必要な勉強時間は?【他資格との比較も紹介】 |宅建Jobコラム

こうしてみると、弁護士(6,000時間)公認会計士(3,000時間)不動産鑑定士(2,000時間)に比べると、はるかに短い勉強時間で合格できる試験であることがわかります。

たしかに宅建は、難関資格と言われています。平均の合格率は16%なので、100人のうち84人が落ちる試験です。もっと言えば、25人のうち21人が落ちる試験です。

しかし、弁護士公認会計士などと比べれば、より合格しやすい試験であることがわかるはずです。

1-3.偏差値で考えると?

宅建の難易度について、合格率の推移他資格との比較を紹介してきました。この難易度は、大学受験の偏差値でいうと、どれくらいのレベルにあると考えるべきなのでしょうか。

以前「宅建Job」がまとめた記事では、宅建の偏差値は「50〜60」と紹介しました。

宅建の偏差値は50~60!試験の難易度と必要な勉強時間は?【他資格との比較も紹介】 |宅建Jobコラム

これを大学受験に当てはめると、以下のようなレベルに該当するようです。

​​​■国公立大学の場合
偏差値50: 琉球大(国際地域創造夜)・青森公立大(経営経済)など
偏差値60: 新潟大(法)・信州大(経法)・静岡大(人文社会科)など

■私立大学の場合
偏差値50: 大東文化大(経済)・帝京大(法)・神戸学院大(人文)など
偏差値60: 成城大(文芸)・東洋大(文)・関西学院大(人間福祉)など

しかし上の記事でも紹介したとおり、この数字はあくまでも「ざっくりとした指標」に過ぎません。

「宅建の難易度」を理解するには、偏差値を過度に気にするのではなく、「300時間の勉強が必要な試験だ」とイメージするようにすると良いでしょう。

2.宅建試験の内容

2.宅建試験の内容

宅建の難易度や合格率について見てきました。今度は具体的に、宅建の試験内容について見ていくことにしましょう。

宅建の試験は全部で50問あります。すべてマークシート方式です。1問あたり1点となっており、50点満点の試験になっています。

試験の科目は次の4つです。どのような内容が出題されるのか、科目ごとに解説していきます。

  1. 権利関係(民法など):14問(第1問~第14問)
  2. 宅建業法:20問(第26問~第45問)
  3. 法令上の制限:8問(第15問~第22問)
  4. 税・その他:8問(第23問~第25問、第46問~第50問)

2-1.権利関係(民法)

まず1つ目は「権利関係(民法)」です。50問中14問が出題されるため、宅建の中でも重要な位置を占める領域です。

中心となるのは民法で、意思表示や代理、相続や賃貸借、抵当権などがよく出題されます。民法は非常に幅広いのが特徴で、条文の数も1,000以上あります。

難しい法律用語もあるため、苦手意識をもつ人も少なくありません。そのため、時間をかけて、じっくりと丁寧に学習すべき分野だと言えます。また民法のほか、不動産登記法建物区分所有法、借地借家法からも問題が出ます。

合格を狙うためには、14問のうち7点から10点を目標とするのがオススメです。

2-2.宅建業法

2つ目は「宅建業法」です。50問中20問が、ここから出題されます。

取り上げられるのは、宅建業者や宅建士の仕事上のルールがメインです。売買や賃貸の契約書である「37条書面」や、買主や借主が契約前に把握すべき「重要事項説明」住宅瑕疵担保履行法などが出題されます。

宅建業法は「民法」と異なり、理解しやすく点が取りやすいのが特徴です。数字などの暗記項目が多いものの、過去問を繰り返していけば、満点を取ることも不可能ではありません

合格を狙うためには、17点から19点、できれば満点を目標にするのがオススメです。

2-3.法令上の制限

3つ目は「法令上の制限」です。50問のうち8問が出題されます。

出題される領域は、土地や建物を規定するルール、開発行為や役所への届け出などです。具体的には、国土利用計画法や都市計画法、建築基準法、農地法などで、暗記すべき事柄や数字が多いのが特徴です。

似た内容の法律も多いため、「どちらがどちらだっけ?」と混同してしまうところも少なくありません。

しかし「法令上の制限」は、宅建士として実務にあたる上でも必須の分野です。過去問を繰り返しながら、地道に得点アップに努めるしかありません。

合格するためには、8問のうち5点から7点を狙うのがオススメです。

2-4.税・その他

最後の4つ目は「税・その他」です。50問のうち8問が出題され、試験のうち第23問から第25問、そして第46問から第50問までが対象です。

第23問から第25問の部分で出題されるのは、税金関係の問題です。範囲が広いのが特徴で、たとえば不動産取得税固定資産税、所得税、印紙税、登録免許税、贈与税などがあります。

また、第46問から第50問までの部分で出題されるのは、主に不動産関連の最近の統計や、景品表示法などです。直近の統計数値からも出題されるため、予備校各社の「直前対策講座」「予想問題」を活用すると良いでしょう。

合格を狙うためには8問のうち、4点から5点を目標にするのがオススメです。

3.宅建試験に1発合格する勉強ロードマップ

3.宅建試験に1発合格する勉強ロードマップ

宅建の難易度合格率、試験内容について見てきました。宅建は難関資格であり、試験内容も複雑ですが、しっかりした戦略のもとに勉強すれば、誰もが合格できる試験です。

一発合格するには、どのような手順で勉強を進めていくべきなのでしょうか。効率的な勉強で合格を勝ちとるための方策として「宅建に1発合格する勉強ロードマップ」を紹介していきましょう。大事なことは次の3点です。

  1. 必要な勉強時間を知る。
  2. 勉強計画を立てる。
  3. 効率的な勉強方法。

3-1.必要な勉強時間を知る

一発合格を目指す上で1つ目に大事なことは「必要な勉強時間を知る」ということです。

結論から言うと、宅建に合格するには「最低でも300時間は勉強する必要がある」と言われています。とはいえ、合格に必要な勉強時間は人によって異なります

たとえば、すでに不動産業に従事している人なら、すでに実務を通じて身につけている知識がたくさんあるはずです。また、検定試験や国家試験など、いわゆる「試験慣れ」している人なら、より短時間での合格が可能です。

しかし、不動産にも法律にも詳しくないという人なら、まずは300時間から400時間は確保するようにしましょう。

3-2.勉強計画を立てる

2つ目に大事なことは「勉強計画を立てる」ということです。まずは大まかなスケジュールを立ててみましょう。

宅建試験が行われるのは、原則として「10月の第3日曜日」です。合格に必要な勉強時間は300時間と言われています。そこで、試験日までの残り期間から逆算してみることをオススメします。

勉強開始の月 勉強の期間 勉強時間(1ヶ月あたり) 勉強時間(1日あたり)
前年10月から 1年間 25時間 1時間弱
4月から 6ヶ月 50時間 1.6時間
7月から 3ヶ月 100時間 3.3時間
9月から 1ヶ月 300時間 10時間

こうしてみると、必要な勉強時間がより具体的に見えてくるはずです。勉強を始める時期は人によって異なりますので、ぜひあなた自身の現状をふまえて計算してみてください。

なお、2021年2022年は、コロナ対策のため、10月試験と12月試験の2回に分けて実施されています。2023年以降はどうなるかわかりませんが、例年通り「10月の第3日曜日」に実施されるものと考えておくと良いでしょう。

3-3.効率的な勉強方法

ここまで解説したように、まず「必要な勉強時間」を知り、その上で「勉強計画を立てる」という流れが必要になるわけですが、もし一発合格をしたいなら、特に気をつけておきたいのが「効率的な勉強を心がける」ということです。

宅建の合格者を見ていると、次の3つのステップを重視している人が多いようです。

  1. 問題構成を把握する。
  2. 過去問を何度も解く。
  3. テキスト・参考書を読む。

まずは問題構成を把握(①)します。どのような問題が出題されるのか、頻出のテーマは何か、などがわかるので、どのような勉強をすれば合格できるか、どのような順番で解くのが効率的なのか、といった傾向が見えてきます。

続いては「過去問を何度も解く」(②)ということです。合格者に共通している点は、過去問を繰り返し攻略しているという点です。

最初のうちは解けなくても問題ありません。「わからないこと」があれば、テキストや参考書をチェック(③)するようにしましょう。

合格者に共通するのが、この繰り返しです。

  1. 過去問を何度も解く = アウトプット
  2. テキスト・参考書を読む = インプット

これを何度も繰り返すことによって、だんだんと得点できるようになります。苦手分野も次第に消えていくはずです。まずは「過去問を重視する!」ということを心がけて下さい。

なお「宅建に1発合格する勉強ロードマップ」の詳細については、以下の記事にまとめてあります。ぜひチェックしてみてください。

宅建に独学で一発合格するロードマップ!勉強時間、勉強法を徹底解説! |宅建Jobコラム

4.独学のメリット・デメリット【宅建の難易度】

4.独学のメリット・デメリット【宅建の難易度】

宅建の試験にチャレンジする上では「独学でチャレンジするか、通信教育を活用するか」という問題があります。

結論からすると、どちらが正解ということはありません。人によって、独学が向いている人もいれば、通信教育が向いている人もいるからです。

そこでまずは、独学のメリット・デメリットについて見ていくことにしましょう。

4-1.独学のメリット

独学のメリットは、いろいろあります。なかでも通信教育と比べた場合の最大のメリットは「低コストで勉強できる」という点です。

大手予備校の宅建講座を見ると、十万円前後の講座がザラにあります。

しかし独学なら、

  • 書店で購入するテキスト・問題集
  • 予備校各社が提供する模擬試験

など、低いコストで済ませることができます。

また、通信教育ではカリキュラムが定められています。独学の場合「規定のカリキュラム」に左右されずに勉強できるため、「勉強したい分野だけを集中的に勉強できる」というメリットもあります。

4-2.独学のデメリット

一方で、独学のデメリットは、つい挫折してしまいやすいという点です。

たとえばテキストを読んでいて、わからない点があった時、質問できる相手がいません。わかる人を探したり、ネットで情報を探したりと、不明点の解消には予想以上の手間がかかるものです。

また、

  • どの教材をやるべきか。
  • どのような順番で学習すべきか。

という点も、独学では把握するのが難しいです。

さらに言うと、きちんと自分を律して自己管理できる人でないと、勉強の継続そのものが厳しくなるはずです。モチベーションの維持が困難だというのも、独学のデメリットだと言えるでしょう。

5.通信教育のメリット・デメリット【宅建の難易度】

5.通信教育のメリット・デメリット【宅建の難易度】

独学のメリット・デメリットについて解説してきましたが、今度は通信教育のメリット・デメリットについて見ていくことにしましょう。

5-1.通信教育のメリット

通信教育のメリットは、「時間が大幅に節約できる」という点です。

まず、講座で使われている教材は、経験豊富なプロの講師陣が作り上げたものです。そのため、自分で教材選びに悩む必要がありません

講師は教え方も一流です。宅建は難解なので、自分で書籍を読むだけでは理解しづらい部分も多々あるはずです。

しかし通信教育の講師なら、わかりやすく噛み砕いて解説してくれます。もしわからないところがあったとしても「講師に質問できる」というメリットがあります。

また通信講座では、メリハリの効いた講義が展開されているのがほとんどです。合格のために「覚えるべきところ」「理解すべきところ」に重点が置かれ、優先順位をつけた講義になっているものが多いです。

これらの結果、独学で挑むよりも、はるかに短時間で効率よく学習できるというのが、通信教育のメリットです。

5-2.通信教育のデメリット

それに対し、通信教育のデメリット「お金がかかる」という点です。

先ほど、通信教育のメリットとして「時間が大幅に節約できる」という点をあげました。つまり「お金で時間を買う」というのが通信講座とイメージするとよいでしょう。

つまり、以下のようになります。

独学:低コストで勉強ができるが、効率は悪くなりがち。
通信教育:効率の良い勉強ができる反面、コストがかかる。

もしあなたが、コストを重視したいなら独学を選ぶと良いでしょう。ただし「短時間で一発で受かりたい」ということであれば、コストはかかっても通信教育を選ぶのがオススメです。

6.「宅建の難易度」のまとめ

宅建の難易度と合格率!勉強時間や学習法・他資格比較も解説!

宅建の難易度について解説してきました。

冒頭で紹介したとおり、宅建は難関資格として知られています。平均的な合格率は16%なので「100人のうち84人が落ちる試験」です。

しかし注目してほしいのは「100人のうち16人が受かる」試験でもあるということです。一発合格する人はたくさんいます短期で合格する人もたくさんいます適切な方法で、適切な時間量の勉強ができれば、誰でも合格できる資格です。

今回は、宅建の難易度合格率、宅建の試験内容、そして独学と通信教育のメリット・デメリットについて解説しました。

もし宅建に興味があるならば、この「16%」という数字にひるむことなく、合格に向けたチャレンジをしていきましょう。記事の後半では「宅建に1発合格する勉強ロードマップ」も紹介しました。きっと参考になるはずです。

皆さまの合格をお祈りしています。

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