躯体工事とは?種類・手順や流れ・工期短縮のコツまで徹底解説
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建築工事の全工程の7割を占める工事が「躯体工事」です。
そのため、躯体工事がスケジュール通りにいかなくなると大変なことになります。そのため、施行管理士を目指したい方は「躯体工事」について理解しておきましょう。
「躯体工事とは、どのような工事なのだろうか…?」
「躯体工事とは、どのような流れで行われるのだろうか…?」
「躯体工事の工期を短縮するにはどうすれば良いのだろうか…?」
このような疑問を抱いている方のために、この記事では、躯体工事について分かりやすく解説します。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
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棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
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目次
1.躯体工事とは?
躯体工事(くたいこうじ)は、柱・壁・梁・床・天井の建物の主要構造部を作る重要な工事のことをいいます。
主要構造部に使用する材料により「木造」「鉄骨造」「RC造」「SRC造」に区分され、耐久性・耐震性・耐火性・防音性・気密性などの性能が変わります。
躯体工事は、工期の約7割を占める工事のため、綿密な計画と施行管理が必要です。そのため、施行管理者には、コンクリートや鉄筋・鉄骨・施行方法など高度な知識が求められます。
施行管理者には鉄筋・鉄骨に関する知識が求められると聞くと「RC造」「SRC造」を想像してしまいがちですが、「鉄骨造」「木造」でも躯体工事があります。
英語では「main frame construction work」と書きますが、建物の主要構造部を作る工事であることが分かりやすいです。
2.躯体工事の種類
躯体工事は、主に5種類に分類されます。
2-1.基礎工事
基礎工事とは、建物と地面のつなぎ目となる基礎(土台)を作る工事です。
基礎は耐震補強の効果もあるため、建物の耐震性や耐久性に左右する重要な工事です。地盤の状態や建物の性質に応じて「ベタ基礎」「布基礎」「独立基礎」を使い分けます。また、地盤が軟弱な場合には、杭基礎が使用されます。
2-2.打設工事
打設工事とは、基礎に生コンクリートを流し込む工事です。
生コンクリートは硬化するため、高さや流す速度に注意しなければいけません。また、隅々まで充填するための締固め作業が行われます。締固め作業だけでは、表面に凹凸ができるため、コテを使用して表面を均一に仕上げます。
2-3.鳶工事
鳶工事とは、建物の骨組みとなる部分を組み立てる工事です。
建物の骨組みを作る工事(建方工事)は、下部荷捌き揚重班と上部鉄骨取付班の2班に分かれて作業を行います。下部荷捌き揚重班は、上部作業員が作業しやすい環境を整え、上部鉄骨取付班は吊り上げられた部材を取り付ける作業をします。建方工事は鳶職の技量が問われる工事です。
2-4.型枠工事
型枠工事は、RC造やSRC造の建築工事の一種です。
RC造やSRC造では、鉄骨や鉄筋を加工して組み合わせて骨組みを造ります。その骨格を囲むように合板製の型枠を組み立てていき、コンクリートを流し込みことで躯体を造ります。
2-5.圧送工事
生コンクリートは、コンクリートポンプを使用します。
油圧や機械的圧力により所定の型枠内に生コンクリートを流し込んでいく工事です。高度経済成長期(1964年)に普及して現在に至っています。
3.躯体工事の流れ・工程
躯体工事の流れは、建築工事の全工程を把握しておくと分かりやすいです。そのため、建物が完成するまでの流れも含めて、躯体工事の流れをご紹介します。
3-1.建物が完成するまでの流れ
躯体工事について理解するため、まずは、建築工事の全工程を理解しておきましょう。
(1) 杭工事
地盤が軟弱な場合でも、建物の重量を支持できるよう杭を打ち込みます。コンクリート・鋼製などの材料から適切なものを選ばなければいけません。
(2) 基礎工事
基礎工事は、建物の重量を杭に伝えていき、しっかりとした土台作りをするための重要な工事です。基礎工事は木造もRC造でも工法は一緒です。
(3) 躯体工事
建物の本体部分を作る工程です。RC造では、基礎工事と同じように、建物の骨組みを配筋で組み立てていき、型枠を取り付けます。その後にコンクリートを流し込んで建物本体を作るのです。その一方で、木造は木材を組み合わせて建物本体を作っていきます。
(4) 内装工事
建物の内装を仕上げていく工程です。壁紙や床材を仕上げていくだけではなく、断熱処理や遮音性を高める工事も内装工事に含まれます。
(5) 外装工事
建物の美観を決定付ける工程です。外観タイルを貼りつけたりします。
(6) 外構工事
玄関などアプローチ部分の外観を整える工程です。
3-2.基礎工事の流れ
基礎工事は、建物を支える重要な箇所です。耐震性や耐久性に関与するため、建物の構造に関わらず、鉄筋コンクリートで作ります。(※木造建築も基礎工事は該当する)
(1) 事前準備
杭の位置を測定して、作業用通路を設置します。鉄筋や型枠の配置が分かるように付けていきます。この作業を墨出しといいます。目印を付けたら事前準備は完了です。
※墨出しについて詳しく知りたい方は、下記の記事「墨出し(すみだし)とは?作業手順と用語・レーザーの使い方まで解説」を参考にしてみてください。
(2) 鉄筋組み
クレーン車で運ばれてきた鉄筋を、職人が1本1本結んでいきます。長い主筋は溶接して繋げていきます。溶接作業は2名1組で行いますが、1日100本程度の溶接作業を行うようです。
(3) 型枠の組み立て
組み立てられた配筋の周囲に型枠(木製)を組み立てていきます。木製の型枠は、職人が1枚1枚、金槌を使用して打ち付けていきます。
(4) コンクリートの流し込み
型枠が完成したら、生コンクリートを流し込みます。流す前に、型枠を水で濡らします。濡らすことで、コンクリートの水分を吸い取りやすくなり、キレイに仕上げられるのです。鉄筋に付着したコンクリートは落とします。
3-3.上棟工事の流れ
上棟工事は、建物の構造によって流れが変わります。RC造・SRC造は基礎工事と同じ流れで建物が作られます。その一方で、鉄骨造と木造の上棟工事は異なる方法で建物本体を組み立てていきます。建物の構造によって上棟工事の方法は変わることを覚えておきましょう。
躯体工事の流れについて解説しましたが、詳しく知りたい方はヘーベルハウスが提供している動画「基礎工事から躯体工事まで」をご覧ください。
4.躯体工事の費用【見積もり相場】
躯体工事の費用は構造によって費用が異なります。また、施行会社によって費用は変動しますが、平均相場は以下の通りです。
- 木造:3~5万円/坪
- 軽量鉄骨造:2~6万円/坪
- コンクリート造:2~8万円/坪
一般的な住宅の大きさ(30坪)で計算すると、木造住宅が150万円、鉄骨住宅が180万円、RC造住宅が240万円程度となります。
躯体工事費は調整しにくいです。そのため、建築費用を調整したい場合は、設備機器の取捨選択で調整するのが主流となっています。
4-1.工期を短縮するには
建築工事の工期が増える分だけ、人件費が必要になります。そのため、住宅会社は工期短縮をするための創意工夫がされているのです。躯体工事の工期を短縮する方法には、以下の方法があります。
・プレキャスト工法の活用
プレキャスト工法(Precast Concrete)は、コンクリート成形済みという意味があります。マンション壁など運搬可能な大きさに成形しておき、建設現場で組み立てる工法です。コンクリート部材を現場で組み立てるだけなので、一般的な工法よりも工期を短縮できます。
・特定支柱の活用
スラブ面に複数の特定支柱を活用すれば、コンクリート強度が出る前に、型枠を解体することができます。また、上層階の型枠工事やコンクリート打設にも入れるので、工期を大幅に短縮することができます。
・コンクリート型枠の転用
コンクリートを流し込む際に使用する型枠ですが、コンクリート硬化後に解体しますが、型枠は再利用ができます。型枠をいくつかの工区に分けて、規格化・ユニット化した枠を転用すれば、型枠組立の作業が短縮できます。
「躯体工事」のまとめ
躯体工事は、建物の主要構造部を作る重要な工事のことをいいます。建築工事の工程の7割を占める部分であり、さまざまな職人と連携を取り合わなければいけません。
そのため、施行管理技士には、高度な知識と技術、コミュニケーション能力が求められます。
しかし、建物の形が仕上がってきたときには達成感を感じられるはずです。ぜひ、施行管理技士を目指している方は、躯体工事に関する知識を深めておきましょう。
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