無足場工法とは?種類・メリットとデメリットを比較して解説!
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工事現場では、足場を設置されることが多いですが、足場を設置しない「無足場工法」が増えていることをご存じでしょうか?
ガイアの夜明けでも、工事費用や工期を短くできる施行方法として取り上げられて注目を浴びています。
「足場を設置しない施行方法とは…?」
「なぜ、テレビでも取り上げられたのか…?」
「どのような工事が行えるのか…?」
この記事では、注目を浴びる「無足場工法」について分かりやすく解説します。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
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1.無足場工法とは?【足場付き工法との違い】
改修工事や修繕工事の施行方法には「足場付き工法」「無足場工法」の2通りがあります。
従来の工事現場では、足場付き工法が採用されていましたが、無足場工法(ブランコ作業)を採用する現場が増えてきています。ここでは、無足場工法について分かりやすく解説します。
1-1.そもそも「無足場工法」とは
無足場工法とは、足場を設置しない施行方法をいいます。ビルの屋上に器具を設置して、ブランコやゴンドラを吊り下げて、作業員が搭乗して作業する施行方法です。
ひと昔前は、昔は、ビルの窓掃除で採用されていました。しかし、産業ロープアクセスが普及したり、法律が定められたりしたことにより工事現場でも用いられています。
1-2.無足場工法の種類
無足場工法には(1)ロープアクセス(2)ブランコ(3)ゴンドラの3つの種類があります。
(1) ロープアクセス
名前の通りで、特殊ロープで固定された作業員が吊り下がり工事する施行方法をいいます。
ロープアクセスが導入され始めたのは1990年代です。海外でロープアクセスが普及したのは1980年代ですが、国内では安全性が重視されていたため、ロープアクセスは採用されていませんでした。
しかし、産業用ロープアクセスの普及や法律が誕生したことで、ロープアクセスによる無足場工法が認められました。近年では、公共施設の工事でも、ロープアクセスによる工事が認められています。
(2) ブランコ
ブランコも、ロープアクセス同様に作業員が吊り下がって工事を行います。ブランコとロープアクセスの違いは「安全性」です。ブランコは、ロープアクセスが普及前から使用されていました。安全性が確保されていないため、ブランコによる施行を禁止している現場は多いです。
(3) ゴンドラ
屋上に設置した器具から可動式のゴンドラを吊り下げ、ゴンドラに乗って作業員が工事する施行方法です。ゴンドラは安定性が増すので安全ですが、ロープアクセスやブランコのような機動力はありません。
1-3.無足場工法と足場付き工法の違い
無足場工法 | 足場付き工法 | |
施行方法 | 屋上からロープを吊るして、ロープブランコと呼ばれる台に作業員が乗って工事をする | 鉄パイプを格子状に組み合わせて仮設の作業通路を設置して工事する |
費用 | 本工事費 | 足場設置費用+本工事費+足場解体費用 |
工期 | 本工事 | 足場架設+本工事+足場解体 |
防犯性 | 通常通り | 不審者侵入の危険性がある |
クレーム | 塗料の飛散や道具の落下 | 足場の金属音
シートで覆うため圧迫感がある |
施行条件 | 屋上からロープを吊り下げられない現場は施行できない | 足場を組むためのスペースが必要 |
2.無足場工法のメリット
無足場工法を採用する現場が増えてきていますが、どのような効果があるのでしょうか?
ここでは、無足場工法のメリットについて分かりやすく解説します。
2-1.工事費用が安い
一般的な戸建て(30坪程度)に足場を設置する場合は、約17万円程度の費用が必要です。
そのため、軽微な補修工事で足場を設置すると工事費用が高くつきます。しかし、無足場工法は本工事費用だけで済むため、工事費用を安く抑えることができます。
2-2.工期が短い
一般的な戸建て(30坪程度)に足場を設置する場合は、3名体制で1日程度かかります。
また、足場解体も3名体制で半日程度かかります。また、周辺住民の理解が得られない場合は許可を得てから作業をしなければいけず、交渉期間が必要なため工期が伸びます。さらに、悪天候時の足場設置は大変です。
しかし、無足場工法であれば、足場の設置・解体工事の必要がありません。すぐに現場で工事が行えるため工期が短くなります。
2-3.狭い箇所でも施行が可能
隣家との距離が近い場合は、足場の設置が困難です。
足場を設置するためには、60cm以上の幅が必要になりますが、幅が足りない現場も存在します。このような狭い箇所でも、無足場工法であれば施行できます。
2-4.機敏性に優れている
建物の軽微な補修であれば、機敏性に優れている無足場工法がおすすめです。
足場設置も不要で、すぐに補修工事に当たれます。足場を設置する必要もなく、すぐに工事に当たれる機敏性が魅力となっています。
2-5.防犯面に優れている
足場付き工法では、盗難や盗撮、住居への侵入に注意しなければいけません。
足場が設置されていれば、ベランダや窓から室内に侵入されやすくなります。そのため、防犯面に注意しなければいけません。
その一方で、足場設置が不要な無足場工法では、防犯上の心配は必要ありません。
2-6.景観が変わらない
足場付き工法では、足場が設置されて、建物がメッシュシートで覆われます。
通行人は工事現場であると一目で分かります。そのため、テナント店舗の営業損失に繋がってしまうかもしれません。
その一方で、無足場工法は景観が変わりません。工事中であることも知られにくいため、テナント店舗の営業に影響が出にくいです。
2-7.届け出が不要
建物の改修工事や修繕工事で足場を設置する場合、足場が道路から出てしまう場合には、警察署に道路仕様許可を提出しなければいけません。
また、道路管理者(国・都道府県・市区町村)に道路占有許可を申請しなければいけません。これらの許可証が発行されるまでには、3日程度かかります。
その一方で、無足場工法は足場設置が不要なため、道路仕様許可の届け出は不要です。
2-8.自然災害時のリスクが減る
無足場工法は、台風や地震など自然災害時のリスクが減ります。
例えば、強風で足場が崩れてしまって、建物や車が破壊することもあるため、足場を設置した場合は、十分な安全対策が求められます。
しかし、足場を設置しない施行方法であれば、このような心配は必要ありません。
3.無足場工法のデメリット
無足場工法は、メリットだけではなくデメリットも存在します。ここでは、無足場工法のデメリットをご紹介します。
3-1.広範囲作業の効率は悪い
無足場工法は吊り下がりの作業になるため、縦方向しか動くことができません。横に移動ができないため、一列ずつの施行となります。
そのため、広範囲作業の効率は落ちます。そのため、大規模工事などには不向きです。
3-2.チェック体制が弱くなる
現場に足場が設置されていれば、お客様も足場をのぼって作業完了したかをチェックできます。
しかし、無足場工法は足場がないため、作業員以外は作業内容を確認できません。
作業員に作業箇所の写真を撮ってもらって確認する方法もありますが、一般的な施行方法と比較するとチェック体制が弱くなります。
3-3.対応できる業者が少ない
無足場工法に対応できる業者は少ないです。施行の難易度が上がるため、採用している業者は少ないのが現状です。
また、作業員の安全性を確保しなければ大変なことになります。そのため、作業を依頼する場合は、実績が豊富な業者に依頼をするようにしましょう。
3-4.対応できない施設もある
無足場工法は、マンションの形状や規模によっては対応できない場合もあります。
例えば、14階以上の高層マンションやビルなどでは対応できません。また、屋根が三角形で、屋上に器具が設置できない建物も行えません。
そのため、対応できる施設であるかを確認する必要があります。
3-5.安全面対策が必要
無足場工法で施行を行う場合は、安全面対策を行わなければいけません。
従来は規制がなかったロープアクセスですが、平成28年の労働安全衛生法改正によって、ロープアクセスの規制が含まれることになりました。
規制では、メインロープ以外にライフラインを儲ける必要があると規定されています。従業員が怪我をするリスクが高いため、これらの規制を守らなければいけません。
3-6.落下物を防ぐことが出来ない
工具はセーフティコードを活用して管理しますが、何かの拍子で道具が落下してしまう可能性もあります。
もし、歩行者に落下物が当たると取り返しのつかない事態になるため、注意しなければいけません。
無足場工法のまとめ
無足場工法は機敏性に優れている施行方法のため、軽微な工事に最適です。足場設置・解体の必要がない分、コストや時間を削減できます。
TVなどでも取り上げられる施行方法で注目を浴びていますが、気をつけなければいけないこともあります。
そのため、メリット・デメリットを良く理解した上で施行方法を選びましょう。建設業界に興味がある方は、ぜひ、どのような施行方法を行っている業者であるかを把握して転職をしてみてください。
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