宅建士の独立開業は儲かる?必要資金・流れ・失敗しないための準備方法を解説!
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宅地建物取引士=宅建士の資格を取って業務経験を積んだら考えるのが、「自分で開業したらどうだろう?してみたい!」ですね。
そう思わない人もいるでしょうし、実務を開始する前から「独立して自分でやるんだ!」と決めている人までさまざまでしょうが、どんな人でも開業のための仕組みや決まりを知っておくのは大切です。
なぜなら開業の仕組みの中に、不動産業務の役割の縮図があるからです。
では、いったいどんな方法で開業するのでしょう?
この記事では、現実的な不動産開業の流れを解説します。ぜひ参考にしてください!
- 不動産開業の流れ 資金・届け出・ほかの準備
- 開業は個人でできるの?事務所は?
- 独立開業のメリット・デメリット
- こんな開業例も!
- 独立開業に大事なこと
目次
1.宅建士が不動産開業をする際の流れ
不動産開業までの流れの基本は、以下の図の順番です。
不動産の開業は「宅地建物取引業法」により色々な規定に沿い、手続きを踏まねばならないことになっています。まずはその内容と理由です。
専任の取引士を決め、個人か法人か形態を決めて届け出、事務所を作り、宅建業免許を申請し交付を受けるということになります。
1-1.開業前の準備 個人でも開業できる?保証金とは?
個人と法人の比較
宅建業は個人経営でも開業できますが、法人(会社)経営の方がメリットが多いです。
コスト面では開業当初は個人事業の方が有利ですが、株式会社も今は設立費用が30万円弱と安くなっているほか、法人の場合いざという時の負債の責任が、出資の範囲内になるというのは、家族を持つ人には安心ではないでしょうか?
個人経営 | ●開業手続きは、税務署への届出のみで済むので簡単。 ●開業時の申請等は法人より安い。 ●個人事業者との取引を制限している企業がある。 ●負債について、事業主が無限の責任を負う。 |
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法人経営 | ●開業手続きは、税務署への届出と登記申請が必要。 ●開業時の申請費用等のコストとして、定款認証手数料が必要。 ●社会的信用が高い。ユーザー・銀行やリース会社と取引の際有利。 ●株式会社の場合は、出資した範囲内で責任を負えばよい。 |
1-2.事務所の設置
事務所は個人開業・法人開業問わず、専用出入り口や独立した事務所スペースを設けることが義務付けられています。
これは適正な環境で業務遂行したり、接客されるお客様の安心感を守る意味もありますが、メインの理由は「宅地建物取引業法」=宅建業法で、「不動産の契約をする場所は一定の条件を備えて、ユーザーの正しい判断を担保する環境でなくてはならない。」という考え方によるものです。
適当な環境だと、つい深く考えずにハンコを突いちゃうからというわけです。たとえばお客様の自宅で行った契約は無効扱いになる場合があります。それで事務所とはこういう場所、という定義がされています。
※事務所開設にはその他いろいろな決まりがあります。
出典:不動産開業における事務所の必須条件(全日本不動産協会 埼玉県本部)
一般の戸建て住宅の場合、条件を満たしていれば、都道府県庁等の窓口へ事前に相談すれば事務所として利用することも可能な場合があります。
1-3.宅地建物取引士の設置
不動産業を開業するには、専任の”宅地建物取引士”を5人に1人以上の割合で所属させるルールがあります。不動産業務の中には、消費者への重要事項の説明や契約内容記載書への記名・押印など、宅建士の有資格者だけが行える独占業務があるためです。
最初5人までの会社ならば専任の宅建士はあなた自身1人いればいいということになりますが、注意が必要なのは、あなたが以前の職場で専任の宅地建物取引士として登録されていた場合、その解除を先に行い、それから自らの専任宅建士となる必要がある点です。
1-4.免許の申請
不動産業を営むのには専任の宅建士の資格だけではできません。開業するためには「宅地建物取引業免許」の申請が必要になります。(自ら所有する物件を賃借するのみの場合は除く)いわば業者としての免許ですが、この免許を受けるためにも、いくつかクリアする条件があります。
- 前述の「事務所の形態」を整えていること
- 「宅地建物取引士」を設置していること
- 「欠格事由」に該当しないこと
「欠格事由」とは?
「5年間」免許を受けられない場合 |
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免許を受けられない場合 |
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このように、不動産取引をする一般の客様を守るために、犯罪歴や宅建業法違反歴のある代表者の開業を制限しようという意図のもとに、「欠格事由」がチェックされます。
免許の区分は2種類
宅地建物取引業免許の申請は、「1つの都道府県内に事務所を持つ」場合は都道府県知事免許、「2つ以上の都道府県に事務所を持つ」場合は国土交通大臣免許です。開業からいきなり都道府県をまたいで2以上の事務所を持つのは、他業種を既に展開していて、宅建業にも参入するというケースに多いでしょう。
1-5.保証金の供託・保証協会への加入
営業保証金と弁済業務保証金
次は、保証金を供託します。この保証金は宅地建物の取引で生じた損害から取引の相手方を保護するために、金銭や国債などを供託するものです。
「営業保証金」は供託所へ自分で供託するものです。「営業保証金」は主たる事務所1000万・その他の事務所500万と結構な高額となるため、「弁済業務保証金」を主たる事務所60万・その他の事務所30万ほど保証協会に供託すれば開業が可能なようになっています。
この保証協会は業界団体も兼ねており、日本国内に「全国宅地建物取引業協会」(通称:全宅連・ハトマーク)と「全日本不動産協会」(通称:全日・うさぎマーク)2つの団体があります。
この2団体を通じて業者免許更新・宅建士免許更新・法定講習・研修など様々な業務を行うため、不動産業者は2団体のどちらかに加入しています。
宅建の保証協会をわかりやすく解説!種類は?費用は?【申込書の書き方】
2.宅建士として独立開業するデメリット(悪い点)
2-1.開業資金が最低でも400万円が必要
不動産業は供託金があるため、開業に要する費用はその分多めにかかります。供託金にその他の開業経費を合わせると、
保証協会に加入した場合:約400万~1,000万円
保証協会に加入せず直接供託した場合:約1,110万~1,800万円
出典:不動産業で独立をお考えの方へ(全日本不動産協会 埼玉県本部)
2-2.売上が出なければ給料もなくなる
会社員のときは、売上がゼロでも給料は最低限保障されますね。歩合付きの営業でも、成績が悪い月でも最低保証はありました。
開業したら収入額は全て自己責任です。開業自体は未経験でも可能ですが、実務経験がないと、最初のうちは仕事にならず、開業資金で食べていく可能性が高いでしょう。
2-3.業務量が増える
開業後最初のうちは、何でも自分でやる必要が出てくるでしょう。収入源になる営業活動以外にも、以前は他の社員が担当してくれていた経理や雑務も自分でおこなう必要が出てきます。
結果、慣れるまで、あるいは人出が増えるまで忙しくて営業に割く時間が減ることも計算に入れる必要があります。
3.宅建士として独立開業するメリット(良い点)
3-1.会社員でいるときよりも利益が大きい
営業力次第ですが、契約さえ取れれば、会社員のときより稼ぎは増えます。また、自分の給与は自分で決めるので、年収1,000万円も可能になります。(税法上、社長給与は定期間固定になりますが)
3-2.自分の裁量で働くことができる
働く時間や場所、誰と働くかなど、すべて自分で決めることが出来るようになります。独立して、身を粉にして働いていても、それができると思うだけで、ずいぶんとストレスが減ってゆくのを感じるでしょう。
3-3.在庫を抱えるリスクが無い
仲介業をメインにしているうちは在庫持たずに済むため、独立した後もリスク少なく働くことができます。これは他の業種に比べて大きなメリットと言えると思います。
もちろんあなたが成功を収めて資金力が付き、売主物件売買をさかんに行うようになったら話は別です。売れない在庫物件のローン金利と、租税公課に堪えていくことになります。でもその分売れて手にする利益は大きいですが。
4.結論:開業自体は難しくない【宅建】
実例として、それまでずっと専業主婦だった人が79歳で宅建を取得して起業し、年商5億円の会社を作ったケースもあります。徹底してお客さん目線だったことと、本人は控えめに語っておられますが、お客様との主婦目線の会話が勝因だったように思います。
このように、アイデアと志があれば、宅建業は成功することができます。
79歳で宅建取得→起業→年商5億円のおばあちゃん社長!24時間営業で業界の革命児?(Business Journal)
あなたが持っているアイデアや計画が理にかなっているかが確かめたくなりますよね?開業について無料で相談できる「開業支援センター」があります。(東京・新宿 地元の窓口はそれぞれの地域の協会サイトでご確認ください)
5.宅建士が独立開業するときに大事なこと
不動産開業で重要とよく言われる点をまとめてみます。いますでに開業を考える人には「わかってるよ」でしょうが、確認をしてください。
まず一人でやれる仕事量を把握する
開業当初は一人で色々なことをこなし、業務の全体像を知る必要があります。そのうえでどの程度営業活動が動けるかが初動のポイントになります。
地域に密着しながら、自分のお店の打ち出す個性を明確に
「広く浅く仲介で」という業態もありますが、息長く安定して業務を継続するためには、「地域密着」と「お店の個性」は欠かせない要素です。
地域密着は詳しさと品揃え、個性は「うちは女性にやさしい品ぞろえと接客で行こう!」などの特徴付けです。
賃貸と売買のバランス
賃貸だけでは経営が大変。売買だけでは経営が安定しない。両方やるお店がほとんどですね。中古物件を買い、賃貸して社員と自分の給与をねん出するお店は多いです!
人脈を大事にする
不動産業は物件情報が命ですから、同業者との無駄話は重要ですよね。土地建物の情報は人伝いが最速です。
オーナーを大事にする
エンドユーザだけでなく売主・貸主にも門戸を広げ、良い関係を築きましょう。ただし既存業者との関係にも要注意。
よそのお客さまを抜かない
同業者はライバルでありながら、お互いさまの助け合い。共存共栄が大切です!
広告宣伝はムダなく最新の展開を
不動産の宣伝もすっかりインターネット中心。お金をかけるより最新の手法を研究し、実践し続けましょう。以下のリンクは、開業するすべての人が見るべきだと思います。物件情報の更新を1週間放置するなど「ありえない」ということがよくわかります。
6.「宅建 開業」のまとめ
今回は「宅建 開業」というテーマで解説をしました。
ハードルはそれなりにありますが、「自分もやってみようかな!」と思っていただけたら嬉しいです。
- 宅建の開業は法にのっとり届け出などの準備が必要
- 宅建の開業資金は事務所の準備や供託金を計算して準備を
- 開業にはアイデアと志がいちばん大事!
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