賃貸不動産経営管理士は登録しないと働けない?講習内容・制度・費用などを解説
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「賃貸不動産経営管理士」資格は、業務に利用するために試験に合格するだけでなく、「登録」が必要となります。
「登録しないとどうなる?」
「登録のための条件は?何が必要?」
「費用はいくらかかる?」
「受かっただけじゃダメ」ならば、この登録のことは、試験に合格する前から大変気になりますね。しかしこの登録のための要件が、賃貸不動産経営管理士が国家資格化された関係で現在、複雑怪奇な状況※になっています。
※この記事は、試験の国家資格化に伴う制度変更に合わせて加筆修正を行いました。
ということで、「賃貸不動産経営管理士」の登録の詳細について見ていきましょう。合格後のイメージをつかむためにも、最後までお読みください!
目次
1.賃貸不動産経営管理士の登録【しないとどうなる?】
賃貸不動産経営管理士は、他の不動産系資格同様、合格したという事実だけでなく、登録しないと資格を使って働くことは出来ません。
合格後、登録が完了すると、以下のリンクのように有資格者名簿に登録番号、登録年、氏名が記載されることになります。
宅建や管理業務主任者などの資格は、登録する上で実務経験がない点を補うための、「登録実務講習」が設定されていましたが、賃貸不動産経営管理士も、令和3年6月からの国家資格化にともない、登録のための講習が行われるという情報※を得ました。
※試験主催者=一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会 受付センターへの電話確認。
この講習の受講、もしくは賃貸管理実務経験2年以上の証明(従事証明を勤務先か、元勤務先に記名押印をもらって提出)するという流れです。
しかし、これは令和3年試験以降の合格者の場合です。それ以前の試験の合格者含め、合格後どのようにすれば、登録の要件を満たすのでしょうか?
次項以降で、その整理をします。
※受験前の5問免除資格を得たり、合格後に知識を補完するための講習については、こちらの記事を参考にしてください。
賃貸不動産経営管理士の講習とは?5問免除・申し込み方法も解説
1-1.登録要件(令和2年以前の合格者の移行期間)
まず、令和2年以前の試験に合格し、かつ登録をまだ行っていない人を対象とした流れです。国家資格化に伴い、登録手続き後に「移行講習」の受講が義務付けられました。
賃貸不動産経営管理士 登録要件宅地建物取引士である者(*1)、又は協議会が認める賃貸不動産関連業務(*2)に2年以上従事している又は従事していた者が、「移行講習」を受講すること。
∗1 登録手続き時において、有効な宅地建物取引士証の交付を受けている者。
∗2 協議会が認める賃貸不動産関連業務とは、宅地建物取引業、不動産管理業、不動産賃貸業(家主業)及び協議会構成団体(*3)の会員とその従業者のほか協議会が認める者。
∗3 協議会構成団体は、(公財)日本賃貸住宅管理協会、(公社)全国宅地建物取引業協会連合会、(公社)全日本不動産協会の3団体
公式の文章なので堅い表現になっていますが、要するに宅建士登録者か、3つの団体に加盟した職場で2年以上働いている、もしくは働いていたことが、登録の要件となるのです。
ここで注意点がいくつか。
- 宅建士は、合格した事実だけでなく、宅建士として登録されていることが条件です。
- 賃貸不動産関連業務の実務経験は、現在進行でなくとも、過去に勤めていたものでもOKです。
- 賃貸不動産関連業務の実務経験は、営業職だけでなく事務でもOKです。
- 「移行講習」を受講して手続き完了と出来る期間は国家資格化より1年間、つまり令和4年6月までで、それを過ぎた場合、2年の実務経験もしくは「登録実務講習」の受講が必要となります。
合格実績に有効期限はないため、期限切れ自体に焦る必要はありませんが、令和2年以前の合格者で移行期間で登録をする方は、急いだほうが登録の時間や金銭的負担が少なくて済みます。
「知らなかった!要件を満たさない!」という人は以下の方法が考えられます。
登録要件を満たす
- 登録実務講習(仮称)を受講する(この講習は、行われるということだけわかっており、詳細の発表は令和3年の年末頃と思われます。)
- 賃貸不動産経営管理士の合格証明を武器に、実務のできる職場に働き始める。期間に足りない部分働いたら、従事証明をもらって登録が可能になる。
1-2.登録要件(令和3年以降の合格者)
「登録手続き時に有効な宅建士証を持っている人」は要件から外されました。つまり、試験に合格した人は、宅建士であろうとなかろうと、
- 実務経験2年を証明する「従事証明」の提出
- 「登録実務講習」の受講
のどちらかを求められます。永年宅建士で実務を行っていても、売買専門だった人は登録実務講習が必要ということです。
なるべく簡単に整理をしますと
受験年 | 要件 |
令和2年以前 | ・有効な宅建士証を持っている もしくは ・実務経験2年以上の証明かつ、「移行講習」の受講 |
令和3年以降 | ・実務経験2年以上の証明 もしくは ・「登録実務講習」の受講 |
1-3.登録料・費用
6,600円
この他写真代、振込手数料が別途かかります。
その他、令和2年以前の合格者は追加された移行講習(ネット回線を使用したeラーニング講習・2時間20分)の費用として7,700円が、令和3年以降の合格者で登録実務の講習を受ける方はその費用(未公表)がかかります。
1-4.有効期限
5年間
5年経過後以降の更新は手続きのみで、義務化された講習等はありませんが、今後行われる可能性が高いと思われます。
1-5.賃貸業者も登録制度が開始
賃貸管理業の法整備に伴い、賃貸不動産経営管理士だけでなく、一定の要件に該当する=管理戸数(棟ではなく戸数)200戸以上の賃貸管理業者も、「登録」及び「業務管理者を置くこと」が義務付けられました。
そして、賃貸不動産経営管理士はこの業務管理者の要件とされる国家資格となりました。業務管理者は現状の規定で、
- 賃貸管理業務の実務経験2年以上か相当と認められる賃貸不動産経営管理士
- 賃貸管理業務の実務経験2年以上か相当と認められる宅建士で、法定講習を修了した者
のどちらかである必要があります。この宅建士の法定講習はネット回線を使用したeラーニング講習10時間・費用19800円を要します。
1-6.独占化してゆく業務
また、今後業者が貸主との間で管理受託契約を締結する場合、
- 賃貸住宅管理に関する重要事項説明および重要事項説明書の記名・押印
- 賃貸住宅の管理受託契約書の記名・押印
上記の業務は、
- 賃貸管理業務の実務経験6年以上を有するもの
- 賃貸管理業務の実務経験2年以上か相当と認められる賃貸不動産経営管理士
のどちらかである必要があります。
これで、賃貸不動産経営管理士が「賃貸業務を行うために必ず必要な資格」になり始めたことがはっきりしました。
※賃貸業者の登録制度の詳細はこちらです。
賃貸住宅管理業者登録申請の手引き(国土交通省 関東地方整備局)
2.賃貸不動産経営管理士試験合格から登録までの流れ
要件を満たしていたら、登録の手続きが開始できます。試験合格から登録までの流れは以下です。(以下は従来の試験合格者の手続きフローです。令和3年以降の合格者の場合は内容が異なる場合がありますので、正式な発表をお待ちください)
※令和3年以降の合格者の正式な登録内容は今後こちらを参照してください。
賃貸不動産経営管理士 > 登録
「登録手続き案内」が届く (自宅) ↓ |
合格者には合格通知と合わせて「登録手続き案内」が届く。
書類に記入し、顔写真(大きさ縦3cm×横2.4cm 写真の裏に記名)を貼り付けして、封筒とともに準備しておく。 倫理憲章の署名、要件を満たす事を証する内容の貼り付け、もしくは記載が必要。 |
---|---|
登録料振込 (郵便局か銀行) ↓ |
登録料を郵便局か銀行で登録料を振り込む。 6,600円 |
残り準備・郵送 (郵便局) ↓ |
ゆうちょ銀行の「振替払込受付証明書(お客さま用)」又は、銀行の「銀行振込払込受付証明書」原本を登録申請書に貼付。簡易書留郵便で郵送。 |
登録完了 | 提出から2ヶ月後を目安に、管理士証書と管理士証が自宅に郵送される。 |
今どきの諸手続き・払い込みは、ネット上で写真添付・フォーム入力・カード等で決済、というのが普通のことになっています。
しかし公的なものに関しては対応が遅れており、まだまだ上の表のように金融機関を行ったり来たり、写真も紙焼きの証明写真等を準備する必要があります。
「4月から登録証がほしい!」という人は日程や時間に余裕をもって、間違えないように手続きしましょう。
出典:賃貸不動産経営管理士の登録(賃貸不動産経営管理士・公式)
出典:賃貸不動産経営管理士資格の登録手続きについてご紹介します(金子不動産)
先ほど解説のように、有資格者だけでなく、業者にも登録を課す形が始まるなど、賃貸不動産経営管理士は、公的な性格が日増しに濃くなっています。
※賃貸不動産経営管理士の国家資格国家資格化については、こちらの記事もぜひご覧ください。
賃貸不動産経営管理士は国家資格にいつなる?ならない?変更後の影響も解説
3.「賃貸不動産経営管理士試験 登録」のまとめ
以上、「賃貸不動産経営管理士 登録」というテーマで解説をしました。登録の要件や方法などについて理解をいただけたでしょうか?
賃貸不動産経営管理士資格は賃借人=不動産を借りる人の保護のために、賃貸管理・経営について正しい知識とモラルを持った人材を育成・認定するのが目的です。
国家資格化だけでなく、賃貸投資物件マーケットの活性化などから益々ニーズの高まってゆく資格ですので、チャレンジする価値は非常に高いです!
試験に向き合うだけでも、専門知識が増えて有益なのですが、国家資格化された今、是非登録して、キャリアに活かしましょう。
- 試験合格後に「賃貸不動産経営管理士」として働くためには登録が必要となる。
- 国家資格化に伴い、合格年度によって登録用件が異なるので要注意。
- 令和3年試験以降の合格者は登録に、実務経験か登録講習受講を要する。
- 令和2年以前の試験以前の合格者は登録に、移行講習受講・宅建士登録などを要する。
- 登録の手続きは面倒なので、事前に要領を確認の上、手際よく。
賃貸不動産経営管理士に合格してキャリアアップしたい方へ
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