宅建の試験内容・2022年(令和4年)の変更ポイント・出題割合を攻略!
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2022年の宅建試験(宅地建物取引士試験)はどんな内容になると予想されるのでしょうか?
しかし、その前にまず基本が大切です。そもそも、宅建試験の問題はどのような範囲や分野で構成されるのでしょうか?
ここでは宅建試験の内容と、2022年宅建試験のポイント・戦略についてお伝えします。
目次
1.宅建の試験内容とは?
宅建試験の問題はすべて土地と建物に関することで構成されますが、出題範囲は7つ・試験科目は4つに分類されます。
ここでは、出題範囲と試験科目について説明します。具体的なイメージを持ち、とっつきやすくなるように、それぞれの項目が「何のためにあるのか」も解説します。
1-1.宅建試験の出題範囲
1-1-1.土地の形質・地積・地目および種別、建物の形質・構造・種別に関すること
土地・建物について、利用目的と構造への理解。
土砂災害の危険性が高い土地、耐震性を持っている建築物の構造などを勉強します。建築士ではないので、ここは深入りはしません。
1-1-2.土地および建物についての権利および権利の変動に関する法令に関すること
土地・建物を人が所有したり、売り買い、貸し借りする時に、所有権・抵当権・登記など利害が対立したとき、「どちらの権利が勝つか」を知っておくこと。
AさんBさんに加えCさんDさんEさんFさん…あたりまで登場する場合は、必ず混乱しますので、紙に図を描くなどして、それぞれの立場を整理して問題を解きます。
1-1-3.土地および建物についての法令上の制限に関すること
色々な土地・建物を法令で分類できるようになること。
「どういう土地に何が建てられるか」「こういう目的の建物はどう作らねばならないか」などです。この際に、「人の住む、住むことのできるところとは?」が大きなテーマとなります。
1-1-4.宅地および建物についての税に関する法令に関すること
土地・建物の取引で発生する税金の種類と、その適用の仕組みの基礎。
ここは実は、覚えればあなたの実生活でも役立つ分野ですが、深入りせずどこまでが基礎か見切るのが、このジャンルの極意です。
1-1-5.宅地および建物の需給に関する法令および実務に関すること
土地・建物の公正な取引を促進する制度や、不動産に関する統計など。
「最高の住環境!」などと広告すると罰せれる景表法。もう一つの統計は土地建物の最新の取引・消費動向です。最新のものを覚えておけばOKです。
1-1-6.宅地および建物の価格の評定に関すること
不動産鑑定評価=土地建物の値打ちをどうやって決めるかの手法。地価公示をどのように見たらいいかなどです。
相場だけで価格を決めず、土地・建物の素性をしっかり見極めるための基礎知識ですね。
1-1-7.宅地建物取引業法および同法の関係法令に関すること
宅建業と宅建士の免許のルール、土地・建物の取引ルールを決めた法律。
宅建業者の行為をさまざまに定義づけて制限し、消費者を保護するという側面があり、「宅地」と「建物」を円滑公正に取引するための決まりを勉強します。
では、各出題範囲を表で整理してみましょう。それぞれの姿やボリューム感がさらに見えてきますよ!
出題範囲 | 試験科目(分野) | 関連法令・出題数 |
出題内容 | ||
1.土地の形質・地積・地目および種別、建物の形質・構造・種別に関すること。 | 法令上の制限
その他の法令 |
2問=土地1問・建物1問 |
土砂災害の危険性が高い土地、建築物の構造ほか | ||
2.土地および建物についての権利および権利の変動に関する法令に関すること。 | 権利関係 | 14問=民法10問・借地借家法2問・区分所有法1問・不動産登記法1問 |
不動産の所有権・抵当権 売買・賃貸借などの契約 | ||
3.土地および建物についての法令上の制限に関すること。 | 法令上の制限 | 8問=都市計画法2問・建築基準法2問・国土利用計画法1問・宅地造成等規正法1問・土地区画整理法1問・農地法1問 |
土地開発・建物建築の規制(土地の利用制限・建物の建築制限) | ||
4.宅地および建物についての税に関する法令に関すること。 | 法令上の制限
その他の法令 |
2問=不動産取得税、登録免許税、固定資産税、印紙税、贈与税、相続税 |
不動産取引・所有に関係する金について | ||
5.宅地および建物の需給に関する法令および実務に関すること。 | 法令上の制限
その他の法令 |
3問=住宅金融支援機構1問・景表法1問・不動産に関する最新統計・1問 |
不動産公正取引の促進制度・不動産関連の統計 | ||
6.宅地および建物の価格の評定に関すること。 | 法令上の制限
その他の法令 |
1問=地価公示法・不動産鑑定評価基準 |
不動産の価格を決めるための基準を定めた法令 | ||
7.宅地建物取引業法および同法の関係法令に関すること。 | 宅建業法 | 20問=ほぼ全問宅建業法・特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律 |
土地・建物の円滑公正取引の促進。宅建業・宅建士の就業関係法規 |
ここで重要なのは7つの範囲のうち、以下3つの出題数が多いことです。
- ②土地および建物についての権利および権利の変動に関する法令に関すること
- ③土地および建物についての法令上の制限に関するこ
- ⑦宅地建物取引業法および同法の関係法令に関すること
そのため、この3つを効率よく学習すれば得点源となりうるということです。
特に「⑦宅建業法」は20点と配点も最も大きいうえ、暗記中心で勉強がやりやすく、過去問の繰り返しだけで点が取れるという特性があります。
宅建業法から勉強を進め、満点を狙いましょう!
1-2.宅建試験の試験科目
7つの範囲を、科目としてまとめたのが以下の4つの試験科目=分野です。
出題比率は、上記の②③⑦の高配点範囲以外が、④その他の法令にまとまっていると考えればわかりやすいです。
②権利関係:14問
③法令上の制限:8問
④その他の法令:8問
※登録講習修了者は、④その他の法令は5問免除となり3問の出題です。(登録講習受講より3年以内であること。登録講習は不動産業に従事している人のみ受講可能)
試験合格後、宅建士登録のために実務経験2年未満の人が受ける登録実務講習は名前が似ているので、よく混同されますが、登録講習とは別のものです。
1-3.その他 試験内容について
1-3-1.試験形式
制限時間2時間・問題数50問四肢択一のマークシート回答です。
1-3-2.受験資格
受験資格はありません。
受験する上で年齢・性別・国籍の制限がないため未成年者でも受験可能です。ここ数年で12歳や13歳の合格者がいらっしゃいます!
1-3-3.合格率
合格率は平均15%~18%。毎年35点前後が合格ラインです。
今までの例では37点が取れれば、合格発表までの約2か月間は安心していられます。
1-3-4.試験会場
試験会場は受験申し込み時にお住まいの都道府県となります。
1-3-5.試験日
試験日は毎年10月第3日曜日です。コロナウイルス感染対策(密を防ぐため)により、一部の都市で受験者の一部を対象に12月にも試験を行うという状況が続いています。6月に正式に官報公示となっています。
1-3-6.申し込み〜合格証の送付まで
7月:申し込み(郵送とインターネットで申込期間が異なる)
↓
10月初旬:試験実施
↓
12月初旬(11月下旬)=12月受験者は2月:合格発表
↓
発表から数日:合格証書送付
2.法改正による宅建の試験内容への影響は?
2020年4月1日、120年間ほとんど改正がなかった「民法」が大改正された点は記憶に新しく、まだ出題の可能性があります。
また、2022年5月には、宅建業法のデジタル改革政策関連の法改正がありました。
この2点が重要項目と考えられます。
2-1.民法(債権法)改正とは
この「民法」大改正により、宅建試験に関連する部分でなされた変更点ですが、
法律用語の変更点がある: 例えば、「無効→取り消し」「中断→完成猶予/更新」「停止→完成猶予」などの変更がされました。
法律規定の変更がある: 例えば、民法上の賃貸借期間の存続期間は20年→50年へ変更されました。
2-2.試験内容への影響は?
2020年実施の宅建試験からは、改正民法に基づいた出題になっています。
この「民法」大改正により、宅建試験にどのような影響があるのでしょうか?
2-2-1.新設問の追加
民法改正の知識を問うために、過去問にない「見たことのない」新しい設問が追加となります。
2-2-2.過去問で2019年まで正解だった設問が、2020年以降には不正解になっている例
民法改正前と改正後では、宅建試験問題の解答で正誤が逆になるものが出てきます。
つまり過去問で、正答が変わる問題があるということです。
2-2-3.法律用語の呼称が変更になったことの反映
設問の中で用語の変更の知識を確認するような出題の可能性も考えられます。
以上の点を念頭に、民法改正に関する新しい情報の確認・過去問の確認・新種の設問を予想した問題に慣れておくことが大切な対策になってきます。
2-3.正答の変わった過去問の具体例
債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 譲渡禁止特約のある債権の譲渡を受けた第三者が、その特約の存在を知らなかったとしても、知らなかったことにつき重大な過失があれば、当該債権を取得することはできない。
2019年まで:正しい
2020年より:誤り
⇒ 改正により債権譲渡は、譲渡制限の意思表示があったとしても有効となったため(466条)
次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
- 債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨
2019年まで:誤り
2020年より:正しい
⇒ 債権は「権利を行使することができる時から10年間行使しないとき」時効により消滅する(166条)。
但し、人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効は、改正民法の167条で20年間とされた。
2-4.宅建業法の改正
もう1点、今回の試験で絶対に重視されるのは、2022年5月に「デジタル社会」の形成を目的としたデジタル改革関連法整備の一環として、宅地建物取引業法が改正された点です。
今回の改正により、重要事項説明書やいわゆる37条書面等、不動産取引にあたり宅地建物取引業者が交付すべき書類について押印が不要となり、また、紙ではなく電磁的方法による交付が可能となりました。
上記の点については内容をよく把握することと、過去問の正答変更に注意しましょう。
3.2022年度の宅建試験を絶対合格するための戦略
では2022年、今年の試験に特化した戦略をまとめましょう。
3-1.2022年宅建試験 傾向予想
一昨年からの試験傾向の流れですが、
2018年: 過去最高の合格点37点(みんなが高得点=易化傾向)
2019年: やや難しい出題形式の比率が上がり合格点下降(難化傾向)
2020年: 2回試験実施の難易度差異発生(難化傾向)
2021年: 受験者数1.24倍増だが、34点合格(易化傾向)
と来ていて、2021年は1回目実施試験と2回目の難易度差も解消されました。2022年は出題形式に関しては先読みしにくい状況ですが、問題自体のレベルが上がる可能性は低いとしても、宅建、賃貸不動産経営管理士ともに、この数年で受験生の得点力レベルが上がっています。
いずれにせよ、37点以上が確実な合格ラインと言えるでしょう。
(2021年結果)
宅建試験(10月実施)の合格基準点は34点でした。(登録講習修了者の合格基準点は29点)
10月実施の受験者数は209,749人、合格者数は37,579人となり、合格率は17.9%でした。
合否判定ラインは34問以上正解(登録講習修了者は45問中29問以上)となりました。
宅建試験(12月実施)の合格者は3,892人で、注目の合格ライン(合否判定基準)は、50問中34問以上正解した方で、合格率は15.6%という結果でした。
あらためて宅建業法改正と民法改正に関しては、改正された部分から必ず出題されるはずで、
- 過去問にない新問題の出題
- 過去問の回答正誤の変更がある
- 法律用語の変更
等に備える必要があるので、しっかり対策しましょう。
少なくとも、2019年版以前のテキストは法改正に対応していないため、必ず最新版のテキスト・問題集を買って勉強する必要があります。(※中古のテキストは最新の法改正が対応していないこともあるので、使う場合は常に注意が注意です)
その他、2021年に押さえておくべき分野ですが、今年は出題する可能性が高い、あるいは今年も押さえておけば1点につながりやすい範囲をお伝えします。
- 債権関連(債権譲渡等)
- 相続
- 借地借家法と区分所有
- 土地区画整理法
- 農地法
- 不動産取得税と贈与税
- 統計と土地建物構造(5問免除対象外の方のみ)
3-2.2022年の合格戦略
これら、今年の試験内容を踏まえて合格目指す戦略は、以下です!
2.模試を受験する
3.スキマ時間はアプリでも勉強
4.独学が難しい人は通信講座を受ける
5.総合的な勉強方法の方法はこちらをぜひご覧ください
4.「宅建の試験内容」まとめ
以上、宅建の試験内容について、どのようなものか、2021年の予想などをご紹介しました。
内容の全体像をしっかり把握し、2021年の戦略もご理解頂けたら嬉しいです!
- 宅建試験の範囲・分野の理解
- 宅建業法改正、民法大改正の試験への影響について
- 2022年の宅建試験の合格戦略
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