不動産営業の迷惑電話!しつこい投資勧誘なぜ?6つの断り方と対処法を解説
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「不動産会社からの営業電話を受けた経験がある」という人は、おそらく多いのではないでしょうか。社会のIT化が進み「オンライン」全盛の時代にあっても、なぜか無くならないのが、不動産会社からの営業電話です。
少し古いデータになりますが、消費生活センターに寄せられた「マンションの勧誘に関する相談件数」(2009年度)を見ると、なんと5,000件を超える状況です。
なぜ不動産会社からの電話は無くならないのでしょうか。また「どのような仕組みで行われているのか」「そもそも電話番号をどこで入手しているのか」など、気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産会社の営業電話について解説します。
不動産会社から営業電話がかかってくる理由、悪質な不動産業者の見分け方、不動産会社から営業電話がきたときの対処法、契約してしまった場合の対策なども紹介します。
この記事を読めば、不動産会社が営業電話をかけ続ける理由と、その背景がわかるはずです。対処法がわかれば、怖いことはありません。自分の身を守るためにも、しっかりチェックするようにしてください。
出典:ますますエスカレートするマンションの悪質な勧誘 ―増加する「強引・強迫」「長時間」「夜間」勧誘―:独立行政法人国民生活センター
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
目次
1.不動産会社から営業電話がかかってくる理由【なぜ?】
2010年、投資用マンションの悪質勧誘が大きな問題になりました。
たとえば、2009年度に消費生活センターに寄せられた「マンションの勧誘に関する相談件数」を見ると、5,355件で、前年比で22%増にもなっています。
報告書を見ると「投資用マンションの購入を強く迫られ、断ると脅された」というような悪質なケースも目立つようです。こうした事態をふまえ、国民生活センターや消費者庁でも、繰り返しの注意喚起を行っています。
不動産会社からの営業電話は、なぜかかってくるのでしょうか。ここでは、その3つの理由について、解説します。
- 営業マンにノルマが設定されている
- 確率は低いが売れる場合がある
- 個人情報が売られている
1-1.営業マンにノルマが設定されている
まず1つ目の理由は「営業マンに高いノルマが設定されているから」です。
不動産営業では「営業成果」が重視されます。売買や賃貸の「契約」の件数だけでなく、「訪問・面談」の件数、「電話」の件数など、さまざまな成果で評価されることになります。
ノルマを達成するには、ひたすら地道にアプローチを続けなければなりません。お客様から何度断られても、あきらめずに電話を繰り返すのは、こうした「高いノルマ」が背景にあるということを知っておきましょう。
1-2.確率は低いが売れる場合がある
2つ目の理由は「営業電話によって不動産が売れてしまう場合があるから」です。
消費生活センターに寄せられた相談を見ても、断りきれずに契約をしてしまったという案件があります。信じられない人もいるかもしれませんが、中には虚偽の内容で申告をしてまで、住宅ローンを組んでしまったという人もいるようです。
契約をしたくないなら、断ればよいだけの話です。しかし、何度も繰り返しアプローチされ、しつこく勧誘されていると、次第に正常な判断力を失ってしまったり、「断る勇気」がもてなくなったりするケースもあるようです。
1-3.個人情報が売られている
また、不動産会社から営業電話がかかってくる背景には「個人情報が漏れている」という実態もあります。
意義に思われるかもしれませんが、個人情報が掲載された名簿の売買は、必ずしも違法とは限りません。
また、資料請求やプレゼント応募など、さまざまな機会で個人情報を入力する場面があるはずです。それが第三者に提供されることで、実質的に「名簿業者に売られる」という状況を招いているわけです。
このように営業電話をかけてくる不動産業者は、さまざまな手段を使って個人情報を入手しています。
そして「個人情報の売買は違法とは限らない」という点は、覚えておきましょう。また自分を守るためにも「個人情報は安易に開示しない」というのがオススメです。
2.悪質な不動産業者の見分け方【電話営業】
不動産会社から営業電話がかかってくる理由について見てきました。
営業マンには高いノルマが課せられており、契約を取るのに必死になっているという背景があるわけですが、不動産業者からの営業電話といっても、その全てが悪いものとは限りません。
まともな案件もあります。一方で、悪質な案件もあります。どのように見極めたらよいのでしょうか。不動産業者の電話営業の見分け方として、ここでは次の4つのポイントを紹介します。
- 会社名・個人名を名乗らない
- 良いことしか話さない
- こちらの話を全く聞かない
- 断った途端に脅し口調になる
もし1つでも当てはまるなら「要注意」と考えて良いでしょう。
2-1.会社名・個人名を名乗らない
1つ目は「会社名・個人名を名乗らない」というパターンです。
初めて電話をかける相手である以上、礼儀として「まず自ら名乗る」というのは当然のことです。「名乗らない」あるいは「名乗れない」ということは、それなりのやましい理由があると考えるべきでしょう。
たとえば、通報されることを恐れているケースです。また、過去に宅建業違反や行政指導を受けたことのある会社であれば、国土交通省の検索システムで容易に見つかります。そのため、できるだけ社名を明かしたくないというケースが考えられます。
少なくとも、まともな営業であれば、会社名や個人名を名乗るものです。それを名乗れないということであれば「まともな営業ではない」と考えて良いでしょう。
2-2.良いことしか話さない
2つ目は「良いことしか話さない」というパターンです。これは不動産営業の中でも、とりわけ「不動産投資」の勧誘電話で顕著に見られる傾向です。
たとえば「今ならお得です!」「損はさせません!」「絶対儲かります!」など、とにかく投資のメリットだけを話しまくるという営業マンがいます。
しかし、そもそも「リスクのない投資」などありえません。リスクがあるからリターンがあるのであり、リスクのない商品にリターンが生まれることはありません。
もし「良いことしか話さない」という営業マンがいれば、なぜリスクを隠しているのか、なぜデメリットを開示してくれないのか、問いただしてみると良いでしょう。
2-3.こちらの話を全く聞かない
3つ目は「こちらの話を全く聞かない」というパターンです。
一方的に話しまくるため、「いま忙しいので、後で電話を掛け直してもらえますか?」と伝えても、電話を切らせてくれないというケースもあります。
どんなに優秀で素晴らしい営業マンだったとしても、お客様の都合を無視するような営業マンに、まともな人はいません。
また営業は、お客様に喜んでいただくのが仕事のはずです。その基本すらできない営業マンなら、まともに取り合う価値はないと考えて良いでしょう。
なかには、断っても数時間おきに電話をかけてくるという営業マンもいるようです。気をつけてください。
2-4.断った途端に脅し口調になる
4つ目は「断った途端に脅し口調になる」というパターンです。いわゆる「逆ギレ」です。
相手のトークに耳を傾けている間は、非常に物腰の柔らかい態度だったのに、いざ断りを告げると、態度が豹変するという営業マンがいます。
「こんなに素晴らしい投資案件、どうして興味がないのですか?」と言われるくらいなら良いですが、態度がエスカレートして、乱暴な言葉づかいになったり、個人情報をちらつかせてきたりするケースもあるようです。
脅し口調になったからといって、相手の要望に応じる必要はありません。録音したり、社名や担当者をメモするなどして、警察や関係機関に相談するのも一つの方法です。
3.不動産会社から営業電話がきたときの対処法
「悪質な不動産業者の見分け方」として、4つのポイントを紹介してきました。
実際に、悪質な営業電話を受けた場合、どのような対処法が考えられるでしょうか。ここでは、次の6つの方法をご紹介します。
- 営業マン側の戦略を学ぶ
- ハッキリ断る
- 着信拒否する
- 無職・ニート・借金があると言い切る
- 「宅地建物取引業法違反」だと伝える
- しつこい場合は相談する
3-1.営業マン側の戦略を学ぶ
まず最初にオススメしたい対処法は「営業マン側の戦略を学ぶ」ということです。
相手にも相手なりの事情があります。相手は、どういう理由であなたに電話をかけてきたのでしょうか。どのような狙いをもっていて、どのようなターゲットにアプローチしているのでしょうか。
まずは「相手の狙い」「相手の戦略」を探ってみましょう。それがわかれば、対処もしやすくなります。
たとえば相手の狙っているターゲットが明白になれば、自分がそのターゲットに当てはまらないことをアピールすることで、自然に営業電話はかかってこなくなります。
なお、不動産営業のテレアポの実態については以下の記事でも解説しています。興味のある人は、ぜひチェックしてみてください。
不動産営業のテレアポがきつい理由2つ!売上を上げるコツも解説 |宅建Jobマガジン
3-2.ハッキリ断る
2つ目の方法は「ハッキリ断る」ということです。
「当たり前では?」と思われるかもしれませんが、営業電話を断る方法としては、非常に有効な方法です。ポイントは「ハッキリ伝える」という点です。相手に対する同情は不要です。
営業マンがしつこく狙ってくるのは、「なかなか断れないタイプの人」だと言われます。「なかなか断れない」からこそ、繰り返しアプローチされるうちに契約してしまうのです。
逆に言えば、「ハッキリ断るタイプの人」だとわかれば、素直に引き下がることが多いようです。もし断りたいなら「相手に悪いから」などと考えず、ハッキリと伝えるようにしましょう。
もしそれでも引き下がらないなら「責任者を出してもらえますか?」と伝えてみましょう。たいていの場合、ここで解決するはずです。
また「強制的に電話を切る」というのも有効です。「ハッキリ断りたい」という姿勢が明確に伝わります。
3-3.着信拒否する
3つ目の方法は「着信拒否」です。物理的につながらないようにしてしまえば、電話がかかってくることはありません。
また「相手に断りを伝えるのが苦手だ」という人でも、着信拒否の操作なら簡単です。この方法なら精神的負担にもなりません。
また「知らない電話番号からの電話には出ないようにする」というのもオススメです。
3-4.無職・ニート・借金があると言い切る
4つ目の方法は、「無職・ニート・借金がある」などと言い切ってしまうということです。
不動産営業マンが狙っているターゲットは、不動産を購入できる人です。もっと言えば「すでにお金を持っている人」や「新規にお金が借りられる人」です。
そのため「お金を持っていない」「お金を借りる余力もない」ということがアピールできれば、新たなアプローチはしてこなくなるものです。
無職やニートの場合、定期収入がないため、不動産融資を受けるのは困難です。また、借金を抱えた人に、新規の融資が出ることも稀です。
そのため「お金がない」「お金を借りるだけの社会的ステータスも無い」という点をアピールできれば、もう営業電話がかかってくることは無いでしょう。
3-5.「宅地建物取引業法違反」だと伝える
5つ目の方法は「宅地建物取引業法違反だと伝えること」です。
迷惑な勧誘電話は、法律で規制されています。たとえば「宅地建物取引業法」の「施行規則:第十六条の十一」を見ると、次のような記載があります。
■宅地建物取引業法施行規則:第十六条の十一
ハ 当該勧誘に先立つて宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと。
ニ 宅地建物取引業者の相手方等が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続すること。
ホ 迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること。
ヘ 深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること。
出典:宅地建物取引業法施行規則 | e-Gov法令検索
そのため、あまりにしつこいようなら「宅建業法違反ですよ」と伝えてみましょう。
宅建業者は「宅建業法違反」を指摘されると仕事ができなくなるため、電話をかけてこなくなるはずです。
3-6.しつこい場合は相談する
悪質な営業電話への対処法を5つ紹介してきました。それらの方法を使えば、ほとんどのケースで解決するはずです。
しかし、それでも解決できないということであれば、消費生活センターや警察に相談するようにしましょう。
なお「消費生活センター」のページには、「身近な消費者トラブルQ&A」として次のようなテーマが紹介されています。
こちらもぜひ、参考にしてみてください。
■質問:数カ月前、「ホームページを作らないか」という勧誘電話がかかってきた。興味がないので「いらない。もうかけてこないでくれ」とはっきりと断った。しかし、その後も毎日のように電話がかかってくる。一度はっきりと断ったのに勧誘するのは問題ではないか。
■回答:勧誘電話がしつこいという相談は多く寄せられています。2009年12月に特定商取引法が改正され、電話勧誘販売、もしくは訪問販売の場合、消費者が「いらない」「興味がない」とはっきりと勧誘を断っているにもかかわらず、業者が引き続き勧誘したり、再度勧誘してはいけないことになりました(再勧誘の禁止)。
この規定に反した場合は指示や業務停止命令の対象となります。しつこい業者には特定商取引法に反することを伝え、不要な勧誘はきっぱりと断るようにしましょう。
なお、特定商取引法に違反する業者については、消費者庁長官もしくは経済産業局長または都道府県知事に申出て、業者に適切な措置をとるよう求めることができます。特定商取引法に違反する業者を通知する方法については財団法人日本産業協会で案内を行っています。
4.不動産営業マンからの電話で契約してしまった場合
「悪質な不動産業者」の電話営業について、その実態と対処法を解説してきました。
しかし、なかなかその正体を見抜くのが難しいというケースもあります。もし不本意なかたちで契約をしてしまった場合、どのような対策が考えられるでしょうか。次の2点について解説します。
- 自分一人で抱え込まない
- クーリング・オフ制度を活用する
4-1.自分一人で抱え込まない
まず1つ目は「自分一人で抱え込まない」ということです。
とはいえ「悪質な業者と契約をしてしまった!」なんて、なかなか人に相談できないという気持ちもわかります。しかし、一人で悩んでいても、解決することはありません。
逆に一人で思いつめてしまうと、余計に正しい判断ができなくなってしまうものです。
まずは信頼できる人に相談しましょう。また、最寄りの「消費生活センター」へ連絡をすれば、消費生活全般についての苦情や悩みについて、相談に乗ってくれます。相談料は無料です。
専門の相談員が適切なアドバイスをしてくれるので、ちょっとでも不安なことがあれば、ぜひ早めに連絡をとるようにしてみてください。
なお「消費生活センター」の相談窓口については、以下のページを参照してください。
4-2.クーリング・オフ制度を活用する
2つ目の方法は「クーリング・オフ制度を活用する」ということです。
「クーリング・オフ制度」は、いったん契約の申込みをした後でも、一定の期間内であれば、無条件で申込みを撤回したり、契約を解除したりできるという制度です。
取引内容によって異なりますが、たとえば「電話勧誘販売」の場合は、申込書面や契約書面を受け取った日から起算して8日以内であれば、クーリング・オフが可能です。
また、所定の期間を過ぎてしまっていても、書面の記載内容に不備があれば、クーリング・オフできるケースもあります。
クーリング・オフはハガキによる通知などで簡単に行うことができます。また、よくわからないという場合は、最寄りの「消費生活センター」に相談すれば、対応してくれます。
詳しいことは以下のページを確認してみてください。
5.「不動産営業の電話」のまとめ
「不動産営業の電話」について解説してきました。
オンラインによるマーケティングが全盛の時代にあっても、なぜか電話による不動産営業が無くならない理由が、おそらく理解できたはずです。
また「営業リストの売買は、必ずしも違法ではない」という点は、意外に感じられた人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、不動産会社から営業電話がかかってくる理由、悪質な不動産業者の見分け方、不動産会社から営業電話がきたときの対処法、契約してしまった場合の対策などを解説してきました。
背景と対策がわかれば、何があっても適切な対処が可能です。営業電話で困っている人は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
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出典:ますますエスカレートするマンションの悪質な勧誘 ―増加する「強引・強迫」「長時間」「夜間」勧誘―:独立行政法人国民生活センター
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