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宅建の建築基準法は難しい?捨てる?数字の覚え方を分かりやすく解説!

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宅建試験に出る法律の規制や基準は、具体的に「何メートル以下」「何日以内に届け出」など、今まで関係なかった人にはピンときませんね。

宅建試験(宅地建物取引士試験)に出題される「建築基準法」も、そんな基準の数字が沢山出てきて、それを覚えなければなりません。

これらをどのように効率よく覚えて試験で解答するか。それには建築基準法をなるべく理解して身近なものにする必要があります。

今回は、具体的な学習方法と宅建試験での建築基準法攻略について解説をします。

みなさんの生活にも深く関わる「建物」の基準法規・建築基準法。ぜひ最後までお読みください!

この記事を読むと分かること
  1. 宅建試験に出題される「建築基準法」とは?
  2. 「建築基準法」の覚え方【理解と暗記両面で!】
  3. 2022年宅建試験の「建築基準法」攻略方法【法改正・テキスト】

監修者棚田健大郎

この記事・サイトの監修者

棚田 健大郎

保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有…続きを読む

不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。

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保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有…続きを読む

不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。

1.宅建試験に出題される「建築基準法」とは?【難しい?】

1.宅建試験に出題される「建築基準法」とは?【難しい?】

1-1.建築基準法の出題【法令上の制限とは】

「建築基準法」は宅建試験の中では、「法令上の制限」という科目を構成する中のひとつとなっています。

「法令上の制限」科目は6つの法律からなり、例年全部で8問出題され、その中で建築基準法は例年2問出題されています。

以下は「法令上の制限」の6つの法律が実生活でどんな風に運用されているかをしめします。最後に建築基準法が登場します。

法令上の制限・各法律の役割と運用の流れ
土地を売買する

国土利用計画法
開発の計画と秩序・地価の安定。
「農地法」
食料供給を守る。農地を失う開発を規制する。
目的に沿い造成

都市計画法
土地の3分類ごとの、開発ルール。
「土地区画整理法」
市街化区域新設のやり方。設備・施設のルール。
「宅地造成等規制法」
崖崩れ・土砂の流出を防ぐための造成ルール。
建物を作る 建築基準法
建物の場所・用途に適した構造・設備・敷地を定義。

1-2.建築基準法は難しい?

「建築基準法」は学習範囲が広いですし、初学者には不慣れな数字や用語が沢山出ますが、暗記と理解両面で対応でき、2問正解も可能です。

下記は過去の宅建試験での、建築基準法の2問の合格者・不合格者それぞれの正答率です。

年度 問番号 受験者
正解率(%)
合格者
正解率(%)
不合格者
正解率(%)
令和01
(2019)
問17 49.1 52.7 40.8
問18 22.6 25.4 16.4
平成30
(2018)
問18 81.8 91.7 69.0
問19 72.2 82.0 59.5
平成29
(2017)
問18 72.6 79.1 64.4
問19 57.5 65.8 47.1

表の赤字のように2017年、2018年と全受験者の正答率は6割5分から8割に達しており、「落とせない問題」だということがわかりますね。

昨年の試験だけが例外的に難しく、すべての立場の人で正答率が低いのですが、これも問17の赤字が示すように合格者・不合格者共に正答率にほとんど差がなく、問17、問18ともに合格者・不合格者の正答率差は50問中40番台の少なさだったのです。

つまり昨年の建築基準法の出題は「落としてもやむを得ない問題」だったわけです。

難しい分野の問題を捨てるという考え方がありますが、昨年は例外として、通常「建築基準法」は2問出題で「法令上の制限」の中でも正答率が高く優先順位高めです。

「覚えれば点が取れる」場所なので、捨てるわけにはいきません。

「捨てる」という発想は、試験が2週間から3週間程度に迫り苦手な分野だとはっきりしてから、おもに得点のための学習に時間のかかる「権利関係」分野を対象に考えるのが良いです。

2.そもそも「建築基準法」ってどんな法律?【カラオケはどこに作れる?】

2.そもそも「建築基準法」ってどんな法律?【カラオケはどこに作れる?】

「建築基準法」は建物を建てる場所・用途に適した構造・設備・敷地を定義する法律です。

「ここは都市部の建物が密集した場所で、かつ建物は人が沢山集まるショッピングセンターなので、防火基準は厳しくしましょう」というような基準です。

ふだんの生活で目にする不動産の建物物件概要も、建ぺい率、容積率など建築基準法に定められた項目が沢山出てきます。

2-1.建築基準法の構成

建築基準法の構成は以下です。

建築基準法第1章 総則
第2章 建築物の敷地、構造および建築設備(単体規定)
第3章 都市計画区域などにおける建築物の敷地、構造、建築設備および用途(集団規定)
第4章 建築協定
第5章 建築審査会
第6章 雑則

このうち宅建試験で最も頻出するのが第3章の集団規定です。

このほか第1章・総則内の建築確認、第2章の単体規定、第4章の建築協定からもよく出題されます。

2-2.単体規定と集団規定

単体規定とは建物に関する基本的な規定で、集団規定とは都市計画区域の建物が密集した中での独自規定(基準が厳しくなる)と考えてください。

環境の違いによって規制の度合いが二階建てになっているということです。

カラオケボックスは以下3つ以外の用途地域で建築可能です。

  1. 第一・二種低層住居専用地域
  2. 第一・二種中高層住居専用地域
  3. 第一種住居地域

3.「宅建 建築基準法」の覚え方【理解と暗記両面で!】

3.「宅建 建築基準法」の覚え方【理解と暗記両面で!】

3-1.建築基準法の理解とは

「建築」「基準」なので、建築物の規制上、何が重要かということが理解の柱となります。

  • 建築確認が必要かどうか(都市計画区域外の場合は必要か)
  • 用途変更が必要かどうか(類似の用途の場合にも必要か)
  • 用途地域毎に建築できる用途の把握(特に住居系の第一種低層住居・第二種低層住居・第一種中高層住居・田園住居の用途制限は記憶必須ですよ)

住居専用、住居重視の地域は人が暮らしていて24時間環境保全が優先となりますので、「何が作れるか・作れないか」の用途は重要視されるのです。

言葉のややこしさに注意!

建築基準法では、「1000㎡」などの数を覚える以外に「以上」「超」「以下」「未満」「許可」「届出」など、基準をあらわす言葉が紛らわしいです。

言葉の意味を整理したり、紙に図を書き出したりするとスッキリ理解がしやすくなります。学習の早い段階でこれをするのがおすすめです。

例えばこの違いです:
以下=その数を含んでそれより少ない
未満=その数よりも少ない

3-2.こんな問題に注意

基本的には例年「集団規定」に関する問題がほぼ必ず出題されています。集団規定には、時に複雑な問題が出題される場合があります。

過去問の例(集団規定)
(2016年 問16)
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めなければならない。
  2. 準都市計画区域については、都市計画に準防火地域を定めることができる。
  3. 高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
  4. 地区計画については、都市計画に、地区計画の種類、名称、位置、区域及び面積並びに建築物の建ぺい率及び容積率の最高限度を定めなければならない。

 

2016年 宅地建物取引士試験問題

  1. 正しい
  2. 誤り 準都市計画区域で定められる地域地区8つに準防火地域は含まない。
  3. 誤り これは「高度利用地区」でなく「高度地区」の記述。このパターンは頻出します。
  4. 誤り 地区計画では「面積」「建築物の建ぺい率・容積率の最高限度」は定めない。

集団規定では主に、1.道路に関する制限、2.用途制限、3.建ぺい率、4.容積率、5.高さ制限、6.低層住居専用地域内の制限、7.防火・準防火地域内の制限、8.敷地面積の最低限度 これらを問われます。

3-3.語呂合わせも利用しよう!

建築基準法の細かい規定は実務でもしばしば活用しますが、さすがに不動産業者や自治体の職員でも覚えきれません。それで宅建試験勉強の時の語呂合わせをいまだに覚えていたりします。試験対策に語呂合わせを上手に活用するのもおすすめです。

語呂合わせ用途規制は13の用途地域を頭の中で順番に並べた記憶した上で、「どこに何が作れないか」を語呂合わせにするのが覚えやすい。

用途規制の例:
病院=病院が規制を受けるのは左側3つと右側の2つ(住居系の第1種低層・第2種低層・田園住居の3つ、工業・工業専用の2つ)
→病院の用途規制=「病院におじいさん(3)たり(2)

カラオケ=カラオケが規制されるのは左側から6つ(住居系の第1種低層・第2種低層・田園住居・第1種中高層・第2種中高層第1種住居)
→カラオケの用途規制=「人でカラオケに行こう!」

集団規定の例:
坊さん 桃ちょうだい (=防火地域で3階建超・100㎡超は耐火建築物に)
ければ イチゴちょうだい (=準防火地域で4階建超・1500㎡超は耐火建築物に)

4.「2022年宅建試験 建築基準法攻略【法改正・テキスト】

4-1.2022年本試験・建築基準法の出題傾向予想は?

建築基準法は学習範囲が広いため傾向予想は困難ですが、やはり直近の法改正に重きが置かれると考えられます。

用途地域、用途変更、非常用昇降機、避雷設備など、近年頻出している問題がありますのでそれらにも注目しましょう。

【宅建2022】宅建みやざき塾 超特急合格講座 法令上の制限・税・価格

4-2.建築基準法の法改正対応は?

平成30年3月に建築基準法が改正となっています。そこを昨年に引き続きマークしましょう。以下、建築基準法改正の主なポイントです。

建築確認
【改正前】一定の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100平方メートルを超えるもの新築等については、建築確認が必要。

【改正後】
200平方メートルを超えるものに変更。

防火壁等
【改正前】延べ面積が1,000平方メートルを超える建築物は、原則として、防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000平方メートル以内としなければならない。

【改正後】防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、に変更。

長屋又は共同住宅の各戸の界壁
【改正前】長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を遮音性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

【改正後】長屋又は共同住宅の天井の構造を、遮音性能に関して一定の技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの等とする場合には、界壁が小屋裏又は天井裏に到達していなくてもよい。

建蔽率
【改正前】建蔽率の限度が10分の8とされている地域外で、かつ、防火地域内にある耐火建築物の場合、建蔽率の限度が、10分の1緩和(加算)される。

【改正後】

  • 防火地域内、準防火地域内における延焼防止性能の高い建築物についても、建蔽率が10%緩和。
  • 準防火地域内の耐火建築物、準耐火建築物についても、建蔽率が10%緩和。

法改正の背景に注目してみよう
法改正は世相を反映しています。法改正の意味を考えることで理解が深まるケースがあります。例としていくつか挙げますが、まだまだ見つかります。ぜひご自分でも探してみてください。

界 壁:
集合住宅の界壁(天井裏の世帯間の隔壁)が不要に=集合住宅の界壁欠陥問題に応じて実情を配慮して規制緩和。
配偶者居住権:
相続に際し、残った配偶者が現状の住居に住み続ける権利の創設=親子間の意思疎通不足をカバーするためのもの。
仮設建築物に対する制限:
1年以内使用の仮設建物の強度構造・防火基準の緩和=オリンピック用仮設建築への実情配慮。
田園住居地域:
田畑と住居が共存していく環境を維持するために今後追加指定=2022年に期限終了する生産緑地廃止に伴う宅地並み課税に対応。

宅建試験への法改正の影響は?難しくなる?【出題ポイント・勉強方法を解説】

4-3.建築基準法の勉強法とおすすめテキスト

建築基準法の勉強法は、テキストや過去問のラフな読み込みで出題傾向に慣れてから、細かい理解や暗記に入ってゆくのがおすすめです。

法律への理解・全体像をつかむ
小説を読んで宅建の勉強ができるテキストです(範囲は建築基準法を含む「法令上の制限」)。宅建士資格者のプロ小説家が執筆。分かりにくい都市計画法等の法令上の制限もライトノベル小説で理解・暗記を促します。

一問一答で繰り返しチェック
建築基準法の用語や出題パターンに慣れつつ、〇×式の一問一答系テキスト、アプリを使って隙間時間でも知識の定着をはかりましょう。以下のようなアプリ付きの1000肢一問一答で、繰り返しチェックするのがオススメです。

過去問が一問一答に分解されている設問で手早く繰り返し記憶を確認し、訂正し、覚え込んでいきますが、電車の中で10分だけ細切れに進めるような勉強にも向いています。

2022年版 出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集 

5.「宅建 建築基準法」のまとめ

宅建の建築基準法は難しい?捨てる?数字の覚え方を分かりやすく解説!

今回は「宅建 建築基準法」というテーマで解説をしました。

「建築基準法」の法律の意味と、2022年宅建試験の攻略法はお分かり頂けましたか?

 

「宅建 建築基準法」 本記事のポイント
  • 宅建試験に出る「建築基準法」は、建物を建てる場所・用途に適した決まりを定義。
  • 「建築基準法」は法律への理解と、用語・言葉遣いに慣れれば暗記で得点可能!
  • 「建築基準法」は法改正・集団規定の要点を工夫してしっかり対策しよう。

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