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2級建築士試験の難易度は?受験資格や過去問の使い方も解説【独学可能】

「建築士」の仕事は、建築物の設計や工事監理(監督)を行うことです。

建築士を認定するため、現在、国家資格として「1級建築士」「2級建築士」そして「木造建築士」という3つの資格が設けられています。

建築士「試験内容」や「難易度」が気になるという人や、仕事の具体的な内容平均年収「独学でも合格できるかどうか」を知りたいという人もいるはずです。

そこで今回は「2級建築士」の難易度や独学合格の可能性、仕事内容や平均年収を解説しました。これを読めば「1級建築士」との違いも含め「2級建築士」に対するイメージがより鮮明になるはずです。本記事を参考に、ぜひ合格への一歩を歩み始めてください。

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1.「2級建築士」とは?試験の難易度は低い?【1級建築士との違い】

1.「2級建築士」とは?試験の難易度は低い?【1級建築士との違い】

「2級建築士」「1級建築士」よりも簡単な試験です。しかし「簡単」とは言っても、誰でも受かるようなものではありません。まずは合格率を見てみましょう。

1-1.「2級建築士」試験の合格率

建築士の国家資格には次の3種類があります。難易度の高い順に並べると次のとおりです。

種類 学科の試験 設計製図の試験 総合
1級建築士 15〜20% 40% 10〜15%
2級建築士 30〜40% 50〜55% 20〜25%
木造建築士 50~60% 50~75% 30~40%

「2級建築士」の場合、合格率学科試験で30〜40%製図試験で50%前後となっています。全体を総合すると、20%前後の人しか合格できていません

ポイント学科試験の中でも難しいとされるのが「建築構造」「建築施工」です。この2つは、できるだけ早めに対策をしておくべき科目です。

1-2.試験要項

続いては「2級建築士」の試験概要です。建築士の試験は1年に1度しか実施されません。

また2020年試験から「受験資格」や「学科試験の免除期間」が変更になっています。詳細を正確に把握して、できるだけ早めに準備を始めるようにしましょう。

1-2-1.受験資格

2級建築士」の受験にあたっては、以下4つのいずれかの要件が必要です。

  1. 学歴のみ
  2. 学歴+実務
  3. 実務のみ(建築実務7年以上)
  4. 建築設備士

「受験資格」の詳細については次のページを参考にしてください。

令和2年 二級建築士試験 受験要領 木造建築士試験(令和2年3月 公益財団法人 建築技術教育普及センター)

1-2-2.受験料

2級建築士」の受験料は、18,500円となっています。

1-2-3.試験形式

2級建築士」の試験は、「学科の試験」「設計製図の試験」から構成されています。詳細は次のとおりです。

学科の試験 「建築計画」「建築法規」「建築構造」「建築施工」の4つの科目があり、それぞれ25問ずつ、合計100問が出題されます。5肢択一のマークシート方式です。
設計製図の試験 事前に公告された「設計課題」に対して、建築物の計画と作図を行います。

試験時間は5時間です。「設計条件」から依頼主(出題者)の要求を的確に読み取り、利用者の利便性周辺環境を考慮した設計製図を行う必要があります。

1-2-4.試験日・日程

「2級建築士」の試験は「学科」が7月で、「設計製図」は9月に行われます。2020年試験の場合は以下のとおりです。

学科の試験 2020年7月5日(9:45〜17:20)
設計製図の試験 2020年9月13日(10:45〜16:00)(課題発表は2020年6月10日)

1-2-5.願書配布期間

願書は郵送形式となっており、2020年試験の場合、配布期間は「3月16日~4月3日」となっています。

1-2-6.申込受付期間

  1. インターネット:2020年4月13日午前10時~4月20日午後4時
  2. 郵送:2020年3月25日~ 4月13日(消印有効)
  3. 窓口:2020年4月9日~4月13日(2020年はコロナの影響で中止)

1-2-7.合格発表

合格発表は、「学科の試験」が8月で、「設計製図の試験」は12月です。2020年試験の場合は以下のとおりです。

  1. 学科:2020年8月25日
  2. 設計製図:2020年12月3日

1-2-8.申込方法

申し込み方法は次の3つです。なお2020年試験ではコロナの影響により「窓口申込み」は中止になりました。

  1. インターネット(2級建築士試験のサイト
  2. 郵送:指定の封筒を使用し、簡易書留郵便で「建築技術教育普及センター」へ郵送
  3. 窓口:住所地の都道府県建築士会が指定する場所

1-2-9.受験団体

「建築士」試験を主催するのは「公益財団法人 建築技術教育普及センター」です。

1-3.「登録」の際に必要となる実務経験

試験に合格した後、「建築士」として登録する際には「実務経験」が必要となります。

詳しい内容については、次の記事を参考にしてください。

建築士の実務経験とは?法改正で緩和された条件を詳しく解説【ごまかし出来る?】 |宅建Jobコラム

2.「2級建築士」は独学で合格できる難易度?

2.「2級建築士」は独学で合格できる難易度?

「2級建築士」の合格率と試験概要を紹介しました。建築士を目指す人の中には「独学でも合格できるのだろうか?」と不安に感じる人もいるかもしれません。

そこで今度は「独学による合格は可能か」という点について、また合格のために活用したい「免除制度」「合格に必要な勉強時間」について説明します。

2-1.独学での合格は不可能ではない

結論からすれば、独学での合格は不可能ではありません。ただし「簡単なことではない」ということは覚えておいてください。

建築士を目指すために、高い受講料を払ってでも「資格学校や専門学校に通学して勉強する」という選択をする人は少なくありません。

2005年11月、国土交通省が構造計算書を偽造した一級建築士の存在を公表しました。「耐震偽装問題」あるいは「姉歯事件」と呼ばれますが、再発防止のため、これを契機に「建築士」試験の難易度が引き上げられたとも言われます。

一方で、最近では20代で合格する人も増えています。合格者のうち20代の占める割合は60.7%です。新卒や初学者でも、適切な受験対策ができれば、独学でも合格は可能です。

しかし「独学での合格に自信がない」という人や「一発合格を目指したい!」ということであれば、資格学校の通学講座を利用することをおすすめします。

なお「建築士試験の難易度」については、次の記事も参考にしてください。

建築士試験の難易度は?勉強時間・偏差値・宅建など他資格と比較【1級・2級・木造】 |宅建Jobコラム

ポイント独学で合格を目指すなら、しっかりとした戦略を練り、長めの勉強時間を確保するようにしましょう。不安な人通学講座通信講座の活用をおすすめします。

2-2.免除

「2級建築士」は難関資格です。一発で合格できるのが理想ですが、なかなか簡単にはいかないというのが実態です。

しかし「2級建築士」には「試験免除」の制度もあります。ぜひ内容を理解しておきましょう。

免除の対象「学科試験」に合格した人です。「設計製図の試験」を受ける際、一定回数について「学科の試験」が免除されます。詳細は次のとおりです。

2-2-1.学科試験に合格し、同年の「設計製図の試験」に不合格となった場合

まずは「学科の試験」に合格したものの、その年の「設計製図の試験」が不合格だった場合です。

この場合、次の年から4年間にわたって実施される「設計製図の試験」のうち、2回の受験機会が与えられます。以下に例を示します。

種類 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目
学科の試験 合格 免除 免除 再受験の必要
設計製図の試験 受験可能 受験可能 受験可能

2-2-2.学科試験に合格し、同年の「設計製図の試験」を欠席した場合

続いては「学科の試験」に合格したものの、その年の「設計製図の試験」の試験を欠席した場合です。

次の年から4年間にわたり実施される「設計製図の試験」のうち、3回の受験機会が与えられます。例えば次のとおりです。

種類 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目
学科の試験 合格 免除 免除 免除 再受験の必要
設計製図の試験 欠席 受験可能 受験可能 受験可能

なお「免除制度」の詳細については、次の記事も参考にしてください。

令和2年 二級建築士 試験案内 木造建築士(令和2年3月 公益財団法人 建築技術教育普及センター)

ポイント建築士は難関資格です。一発で合格できることが理想ですが、簡単なことではありません。早期の合格を目指すためにも「免除制度」の詳細をしっかり把握しておきましょう。

2-3.合格に必要な勉強時間

「2級建築士」「1級建築士」に比べれば簡単です。しかし「難関資格」であることに変わりはありません。

合格するには、充分な勉強時間を確保する必要があります。そこで今度は「合格に必要な勉強時間」を確認しておきましょう。

「2級建築士」の場合は、500時間から1,000時間の勉強が必要だと言われています。もちろん必要となる学習量は、その人の状況によって変わります。目安としては次のとおりです。

  1. 建築初心者の場合:1,000時間程度
  2. 建築科目の学習経験者の場合:500時間程度

業界に精通した経験者なら、ここまで長い時間をかけなくても合格は可能です。しかし、もし確実に一発で合格したいなら、油断せずに充分な時間を確保することをおすすめします。

ポイント「2級建築士」に合格するには、500時間から1,000時間の勉強時間が必要です。学習のポイントは、難易度の高い「法規」の対策と「製図試験」の対策に多くの時間を割くことです。

3.「2級建築士」の仕事内容

3.「2級建築士」の仕事内容

「建築士」の仕事内容は、主に次の3点です。

  1. 建築物の設計
  2. 工事監理(監督)
  3. 建築確認申請用の添付資料作成

3-1.建築物の設計

まず1つ目は「建築物の設計」です。依頼主(施主)に対して希望の条件をヒアリングし、図面やイラスト(パース)、模型などを使って、的確なかたちで表現します。

建築士というと「設計の作業」ばかりがイメージされがちですが、お客様あっての仕事です。設計を始める前の段階として、「お客様の要求する内容」を、いかに適切に読み取るかが問われます。

またデザイン性の良さだけでなく、建築基準法消防法都市計画法といった法律との適合性、実際に建物を利用する人々の利便性周辺環境との調和なども求められます。

ポイント「設計」は、「施主が頭に描いているイメージ」を「現実のかたち」として表現することです。専門知識に裏打ちされた専門能力だけでなく、深いヒアリング能力も欠かせません。

3-2.工事監理(監督)

2つ目は「工事監理」です。設計された建物図面通りに仕上がるように、現場で監督するという役割です。

施工内容に誤りがあれば、内容によっては建築基準法に抵触するケースもありえます。また建築物が完成すると「工事完了検査の報告書」の申請が必要です。

もしここで、記載内容と実際の建築物が一致していない場合には、手直しの工事を行わなくてはなりません。場合によっては行政処分を受ける場合もあります。その他のトラブルを回避する意味でも、工事監理の役割は重要です。

ポイント現場では、さまざまな人たちが作業に従事しています。監督者として多様な人たちをまとめることも、建築士の重要な役割です。

3-3.建築確認申請用の添付資料作成

3つ目は「建築確認申請用の添付資料作成」です。

建築物の建設にあたっては、行政による「建築確認」の事前チェックを受ける必要があります。その申請に必要な図面や書類を用意するのが、この3つ目の役割です。

これらの他、工事契約に関する事務、工事の指導監督、建築物の調査や鑑定、法律に基づく手続き代理など、建築士の役割は広範に渡ります。

ポイント施主の希望を実現させることも大切ですが、法律に適合しているかどうかも重要です。過去の違法建築の事例にも、ぜひ目を向けるようにしましょう。

3-4.会社によって対象物件が異なるケースも

また、会社によっては取り扱う物件の範囲が異なります。以下は一般的な傾向です。ぜひ参考にしてみてください。

大手ゼネコン 自社の案件を中心に、大規模な建築物が多い。
ハウスメーカー 戸建住宅や集合住宅など。
ディベロッパー 住宅地の開発やリゾート地の開発など。
設計事務所 専門性や得意分野によって、設計対象の建築物が変わるケースも。
官公庁など 「建築確認」など、民間の指導や監督、施工や完工のチェックなど。

なお「建築士の仕事内容」については次の記事にまとめてあります。ぜひ参考にしてください。

建築士の仕事内容は?年収・受験資格・合格率・大学・1級と2級の違いも解説 |宅建Jobコラム

ポイント大手の場合は堅実な設計の案件が多いですが、小規模な会社の場合や個性的な設計を手掛けるケースもあります。

3-5.「1級建築士」との違い

「2級建築士」の仕事内容を紹介してきました。「1級建築士との違いは何?」と気になるかもしれませんが、主な違いは「設計できる建物の規模」です。

すでに紹介した通り、「2級建築士」の場合は、設計できる建物の規模に制限があります。

しかし「1級建築士」の場合は制限がないため、たとえば国家プロジェクトのような大規模な建築物の設計も可能です。

また「2級建築士」都道府県知事が認可する資格ですが、「1級建築士」国土交通大臣が認可するという違いもあります。

とは言え、「2級だから1級より劣っている」などと考える必要はありません

「2級建築士」は、木造鉄筋コンクリート造鉄骨造石造れん瓦造コンクリートブロック造、そして無筋コンクリート造など、さまざまな建築物の設計が可能です。

また、高さ13メートル(軒の高さ9メートル)までの建物なら「延べ床面積1,000平方メートル以下」まで対応可能のため、事実上、すべての戸建住宅を取り扱うことが可能だと言ってよいでしょう。

なお「1級建築士」と「2級建築士」の試験詳細については、次の公式ページも参照してください。

一級建築士試験 建築技術教育普及センターホームページ

二級建築士試験 建築技術教育普及センターホームページ

ポイント「1級建築士」の設計対象には制限がありませんが、「2級建築士」の場合は制限があります

4.「2級建築士」の平均年収

4.「2級建築士」の平均年収

「2級建築士」について、合格率や試験の難易度、仕事内容について説明してきました。

実際に合格して「2級建築士」として働き始めた場合、どれくらいの年収が期待できるのでしょうか。「2級建築士の平均年収」と「資格手当」について解説します。

4-1.全体的な平均は?

「2級建築士」の年収は勤務先により異なります。

ハウスメーカーなら470万円、設計事務所なら480万円、大手ゼネコンなら500万円といった数字が出ていますが、全体的に平均すると500万円前後が相場です。

参考までに「1級建築士」の場合は600万円で、「木造建築士」の場合は350万円と言われています。

また年功序列の影響で、大手企業の方が年収が高い傾向にあります。45歳から49歳の年齢層でもっとも年収が高くなり、その後はだんだん下がっていくというのも特徴です。

ポイント「2級建築士」の平均年収500万円前後です。

4-2.資格手当は?

企業によっては「資格手当」の制度を用意しているところもあります。たとえば、あるハウスメーカーの場合、金額は次のとおりです。

  1. 1級建築士:月25,000円
  2. 2級建築士:月15,000円

なお建築士の平均年収や資格手当については、次の記事も参考にしてください。

建築士の平均年収は?初任給・資格手当・1000万円稼げるかも解説! |宅建Jobコラム

ポイント「資格手当」制度の中身は会社によって異なります。しっかり確認するようにしましょう。

5.「建築士 2級」のまとめ

2級建築士試験の難易度は?受験資格や過去問の使い方も解説【独学可能】

「2級建築士」の難易度や独学合格の可能性、仕事内容や平均年収を解説しました。

「1級建築士」に比べれば合格しやすい資格です。しかし、しっかりと入念に対策を練らなければ、そう簡単には合格できません

試験のスケジュールについても説明しました。この記事を参考に「2級建築士」の合格を勝ち取ってください。

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