不動産賃貸仲介の仕事内容は?年収や魅力についても解説
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「賃貸仲介の仕事に興味があるけれど、普段の業務内容はどんなものなの?」
「近頃では店舗に行かなくても物件を紹介してくれたり契約ができたりするみたいだけれど、どのような方法で接客をしているのかな?」
お部屋を借りる際に窓口となる不動産会社は「賃貸仲介」とよばれています。
近年では不動産ポータルサイトやSNSなどを活用し、インターネットで営業活動を行っている会社が少なくありません。
今回は「賃貸仲介」の仕事内容や報酬が発生するシステムについて詳しく解説をしていきます。
2021年度の賃貸仲介件数ランキングTOP10の不動産会社もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
目次
1.賃貸仲介とは?【手数料ビジネス】
不動産会社における賃貸仲介とは、どんな仕事内容なのでしょうか?
ここでは賃貸仲介のおもな仕事内容と報酬が発生する仕組みについて、詳しく解説をしていきます。
1-1.お部屋を借りてくれる人を探すのが仕事
賃貸仲介のおもな仕事内容は、お部屋を借りてくれる人を探すことです。
アパートやマンションなどの賃貸物件を所有しているオーナーに代わって、入居希望者を探して契約してもらいます。
その他にも仲介の種類には、自社物件、管理物件、他社物件などがあり、内覧や契約資料作成、鍵の受け渡しなどが一連の仕事内容です。
物件を探す際に利用するインターネットのポータルサイトに掲載されている物件の間取り図、室内写真も大抵の場合、不動産賃貸仲介業者が作成しています。
このように賃貸仲介は日頃から表には見えにくい努力も欠かせません。
1-2.成約後に報酬として仲介手数料をもらう
賃貸仲介のおもな収入源は、成約後に発生する仲介手数料です。
賃貸仲介は入居者とオーナーの間を仲介するのが仕事であり、賃貸物件の賃貸借契約が成立したら入居者とオーナーの双方から仲介手数料をもらえることになります。
ただし、双方からもらえる仲介手数料は最大で「家賃の1ヶ月分+消費税」というルールが定められているため、それ以上はもらえません。
物件によってはオーナーが全額負担することもありますが、たいていの場合、特約により入居者が負担するケースが多いようです。
2.賃貸仲介の仕事内容
賃貸仲介の仕事内容には様々なものがあります。
ここでは、おもな仕事内容をご紹介をしていきましょう。
2-1.賃貸物件のネット掲載
まずは入居者を見つけるために、インターネットの不動産ポータルサイトで賃貸物件の情報を掲載します。
近年では不動産会社の店舗に出向く前に、あらかじめインターネットで賃貸物件を下調べしておく人が大多数です。
主な物件の登録情報は下記の通りです。
- 賃料および管理費
- 敷金・礼金
- 間取り・専有面積
- 築年数
- 所在地・交通の便
- 設備やサービスの状況
- セールスポイントなど
賃貸物件の外観や室内などの写真や間取り、賃料など主要な情報を掲載して入居者を募集します。
2-2.お問い合わせの対応
インターネットの不動産ポータルサイトなどを見たお客様からの問い合わせにも対応します。
お客様はインターネットで物件を探してから電話やメールで問い合わせをした上で来店することが多いようです。
駅前など立地条件の良い場所にある店舗には、店頭に張り出されている物件情報を見て飛び込みで入るお客様も少なくありません。
来店の予約が決まった場合には、顧客に合った物件をいくつか候補にピックアップ。あらかじめ下見や周辺環境を調べておくようにします。
2-3.来客の対応
来店されたお客様に対応し、希望する物件の内容をヒアリングしてから希望に合う物件を紹介します。
ヒアリングする内容は、
- 間取り・賃料
- 勤務先の所在地
- 家族構成
- 単身か共働き世帯か
- 自家用車の有無
- 希望する設備
などです。これらの情報をトータル的に考えながら、適切な賃貸物件を紹介していきます。
2-4.内覧の案内
お客様が気に入った物件が見つかれば、現地まで同行して内覧の案内をします。
店舗から物件までの距離がある場合や、複数の物件を見せるときには社用車を利用することが多いでしょう。
物件を紹介する場合にはその物件の情報だけでなく、駅までの距離やスーパー・学校・役所・病院などの周辺情報を提供すると、お客様から信頼を得られます。
2-5.契約の締結
内覧した後で気に入った物件があれば、申込みを受け付けて入居審査を行い契約を締結します。
2-5-1.申込受付
所定の申込書に必要事項を記入し、運転免許証やパスポートなど身分を証明する書類を提示してもらいます。
課税証明書等収入を証明するものも、併せて提出してもらうことも多いでしょう。
不動産会社によっては申し込みを受ける際に家賃1ヵ月分程度を上限として申込金を預かる場合もあります。これはあくまでも預り金であるため、契約の際に返還するお金です。
2-5-2.入居審査
管理会社がある場合は入居申込みを受けた後、審査を行ってもらいます。しかし、最終的に入居の可否を判断するのはオーナーです。
審査をきちんと行わないと、家賃の支払いを滞納したり他の入居者とトラブルを起こしたりすることにもなりかねません。
したがって入居審査は、賃貸物件に入居させても問題ない人であるかどうかを判断する重要な仕事です。
主な審査項目は、人柄・年収・連帯保証人の有無・勤務先や職業・他の入居者とトラブルを起こす可能性などがあげられます。特に問題が見当たらなければ契約をすることになります。
2-6.賃貸仲介の1日の流れ
ここでは、実際に賃貸仲介として働いている人の1日の流れをご紹介していきます。
- 出社後、WEBでの反響に対応
- 新入社員からの質問に回答
- 物件確認のため移動
- 新規受託物件の確認(居室内の様子など)
- 360度部屋の中が見渡せる写真のアプリを使用して物件の写真撮影
- 帰社後、LINEでの問い合わせに対応
- 遠方のお客様や来店を控えているお客様とZoomで接客
- YouTubeに実況案内動画を投稿
- WEBでIT重説
- SNSに物件情報を投稿
- 終礼で1日を振り返る
このように近年では、不動産テックやSNSなどを駆使して接客する賃貸仲介が少なくありません。
コロナの影響で来店を控える方や遠方に住んでいるお客様にもインターネットを利用して、店舗にいるのと同じくらい丁寧な接客が可能です。
不動産テックを活用して営業活動をしている賃貸仲介会社の社員の1日が、アップされた動画はこちらになります。ぜひ参考にしてください。
【不動産テックで業務を効率化!!】不動産会社員の一日|〜賃貸営業編〜
2-7.新人の仕事
ここまでをまとめると「賃貸仲介の仕事内容」は次の5点に分けられます。
- 賃貸物件のネット掲載
- お問い合わせの対応
- 来客の対応
- 内覧の案内
- 契約の締結(申込受付、入居審査)
このうち「新人の仕事内容は、どれ?」と気になる人もいるはずですが、基本的には全部を担当することになります。
会社によっても異なりますが、多くの場合は「仕事を覚える」ために、先輩に同行して回るケースがほとんどです。ただし、小さな規模の会社だと、いきなり現場に放り出されることもあります。
なお「新人の仕事内容」の事例としては、次のページが参考になります。あなぶきハウジングサービスの新入社員が、具体的に賃貸仲介の1日のスケジュールと仕事内容を紹介したものです。
興味のある人は、ぜひチェックしてみて下さい。
賃貸仲介ってどういう仕事?~新入社員の一日~ | もっとわくわくマンションライフ|マンションライフのお役立ち情報
2-8.賃貸仲介はきつい?
「賃貸仲介の仕事内容」を語る上で、最後に見ておきたいのが「賃貸仲介の仕事はきつい?」という点です。
「不動産売買」の仲介に比べれば、仕事は楽です。しかしノルマが課せられている場合も多く、必ずしも楽な仕事とは言えません。企業によっても異なりますが、福利厚生もあまり充実しているとは言えないようです。
また賃貸仲介のメインは個人客なので、土日や夜間に接客を行うことも多いです。「楽をしたいから賃貸仲介を」という考えは止めておいた方が良いでしょう。
ただ、賃貸仲介の仕事にはやりがいもあります。仕事の魅力については、後ほど「5.賃貸仲介営業の魅力」の項目で紹介します。
3.賃貸仲介の手数料【流れ・相場】
賃貸仲介の手数料は、どのような流れでもらえるようになっているのでしょうか?
ここでは手数料がもらえるまでの流れと、仲介手数料の相場についてそれぞれ解説をしていきます。
3-1.仲介手数料がもらえるまでの流れ
仲介手数料がもらえるまでの流れは下記のようなステップとなります。
- 来店または問い合わせをされたお客様の希望する物件を探す
- 管理会社またはオーナーに物件の空き状況を確認する
- 入居希望物件に同行して内覧の案内をする
- 管理会社またはオーナーに入居希望者を紹介し審査を受ける
- 入居の許可が下りたらお客様が気に入った物件の契約手続きをする
- 契約が成立したら鍵を引き渡し、入居者またはオーナー(両方の場合もあり)から仲介手数料をもらう
入居者とオーナーの間で正式に賃貸借契約が成立した時点で、賃貸仲介は仲介手数料をもらえる権利が発生します。
3-2.手数料の相場
仲介手数料の相場は、家賃の0.5カ月~1カ月です。
賃貸の仲介手数料の上限は「家賃の1ヶ月分+消費税」と定められていますが、不動産ポータルサイトでは「家賃の0.5カ月~1カ月分+消費税」となっています。
家賃別に仲介手数料の目安を計算したのが下記の表です。ぜひ参考にしてください。
【仲介手数料の目安(消費税込み)】
家賃 | 仲介手数料+消費税(0.5カ月分の場合) | 仲介手数料+消費税(1カ月分の場合) |
---|---|---|
5万円 | 2万7500円 | 5万5000円 |
7万円 | 3万8500円 | 7万7000円 |
10万円 | 5万5000円 | 11万円 |
12万円 | 6万6000円 | 13万2000円 |
15万円 | 8万2500円 | 16万5000円 |
手数料は会社により違いがあるため、一概にはいえません。
近年では入居者が払う仲介手数料が無料の物件も出てきていますが、その場合、オーナーからもらうことになります。
大家から1棟丸ごと借りていて空室があり、一刻も早く貸し出したい場合などが多いようです。
3-3.手数料に関するトラブル
賃貸手数料関連のトラブルは多々あるので注意が必要です。
賃貸仲介のおもな収入源は仲介手数料なので、手数料を無料にするわけにはいきません。
したがって入居者が払う手数料が無料という場合は、本来1ヶ月の礼金を2ヶ月分もらっていたり、初期費用に加算したりするというからくりがあるわけです。
契約直後に解約した場合などに、入居を予定していた人から仲介手数料を返金するよう求められる場合もあるので、何かとトラブルが発生しやすいといえるでしょう。
ちなみに仲介手数料を返金する義務は原則ありません。
4.賃貸仲介営業の年収(給料)
ここまで「賃貸仲介の手数料や仕事内容」を解説してきました。今度は賃貸仲介営業の年収事情を見てみることにしましょう。
会社によっても異なりますが、平均年収は300万円〜500万円程度と言われています。これはインセンティブ込みの金額です。
給与システムは「固定給+歩合」を採用している企業が多く、人材募集を見れば「基本給25万円 + インセンティブ」といった記載がたくさん見つかります。
ただし、1件あたりのインセンティブはそれほど高くありません。600万円もあれば高年収の部類に入ります。さらに上を目指すには、成約件数を増やすか、高額な物件を狙う必要があります。
企業によっても異なりますが、成約した金額に応じた割合で支給する会社もあれば、目標額を上回った部分について20%が支払われるという会社もあります。
例えば、
- 目標金額:50万円
- 成約金額:100万円
という場合は、(100万円 – 50万円) x 20% = 10万円 といったかたちです。
5.賃貸仲介営業の魅力
ここまで読んできて、賃貸仲介の営業職に興味をもった人もいるはずです。最後に「賃貸仲介営業」の仕事の魅力について紹介しておきましょう。
賃貸仲介の仕事は「繁忙期はトコトン忙しい」「営業ノルマが大変」など、キツイ部分もあります。しかし、仕事の魅力も大きなものがあります。ここでは次の3点を紹介します。
- 安定的に稼ぐことが出来る。
- 学歴不問・未経験からでも働ける。
- お客様に直接感謝される。
5-1.安定的に稼ぐことが出来る
まず1つ目の魅力は「安定的に稼ぐことが出来る」ということです。
先ほど紹介した通り、ほとんどの企業では「固定給+歩合」という仕組みが採用されています。インセンティブ制なので「人によって給与差が大きいのでは?」と思うかもしれません。
しかし「1件あたりの金額が低い反面、成約率が高い」というのが賃貸仲介の特徴です。また、新規に飛び込み営業をするのではなく、来た問い合わせに対して対応するケースがほとんどです。
大きな稼ぎを狙うことは難しいですが、安定的に稼ぐことができるというのが「賃貸仲介」の魅力の一つです。成約できなくても、また別の案件があるので、精神的に折れてしまうようなこともあまりありません。
5-2.学歴不問・未経験からでも働ける
2つ目の魅力は「学歴不問・未経験からでも働ける」ということです。
これは不動産業界全般に言えることですが、学歴に関係なく比較的簡単に働き始めることができます。実際、高卒で採用されて、大卒社員よりも高い年収を獲得できてしまう人もいます。
賃貸は「契約」なので、法律の知識も必要です。しかし「売買」ほど難しいことはありません。たしかに不動産の知識や営業のスキルも大事ですが、どちらかというと接客のホスピタリティーの方が重要です。
また成約率も高いので、努力次第では簡単に実績を上げることができます。未経験でも不動産の経験が積めるため、不動産営業の入口としてもオススメです。
5-3.お客様に直接感謝される
3つ目の魅力は「お客様に直接感謝される」ということです。
お客様と直接コミュニケーションをとって仕事をするため、満足してもらえたら、直接「ありがとう」の感謝の言葉をもらうことができます。
また賃貸仲介の仕事では、「入居したい」という個人客たちだけでなく、「入居者を集めたい」という大家さん側とのコミュニケーションも発生します。いわゆる「客付け」です。
近年では、空室率の高さに悩んでいる大家も少なくありません。良質な顧客を紹介できれば「いい入居者を見つけてくれて、ありがとう」と言ってくれるはずです。
6.賃貸仲介件数の会社ランキング
こちらでは2021年度における「賃貸仲介件数ランキングTOP10」にランキングされた不動産会社をご紹介していきます。
2020、2021年の2年にわたっての第1位は大東建託グループで、仲介件数は227,706件。業界内で圧倒的な強さを誇っています。
【2021年版】賃貸仲介件数ランキングTOP10
順位 | 昨年の順位 | 会社名(屋号) | 仲介件数 |
---|---|---|---|
1位 | 1位 | 大東建託グループ | 227,706 |
2位 | 2位 | ミニミニ | 145,496 |
3位 | 3位 | 東建コーポレーション | 75,437 |
4位 | 4位 | ハウスメイトグループ | 67,324 |
5位 | 6位 | タウンハウジング | 55,529 |
6位 | 5位 | タイセイ・ハウジーホールディングス | 49,550 |
7位 | 10位 | リロパートナーズ | 42,476 |
8位 | 7位 | スターツグループ | 39,992 |
9位 | 8位 | 常口アトム | 33,165 |
10位 | 9位 | ビッグ | 27,900 |
7.「賃貸仲介」のまとめ
今回は賃貸仲介の仕事内容や報酬の発生の仕方、賃貸仲介件数の会社ランキングなどを詳しく解説をしていきました。
賃貸仲介はお部屋を探しているお客様と契約が成立しないと報酬はもらえません。
一人でも多くのお客様に契約していただくために、日頃からSNSを活用するなど地道な営業活動を行っています。
また、不動産テックを活用することで、お客様と直接対面せずに接客をするなどサービスの向上も欠かせません。
これからも時代に即したフレキシブルな方法で、賃貸仲介業務を行っていくことが求められています。
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