アセットマネージャー(AM)の仕事内容とは?資格は必要?年収や求人の募集内容まで紹介【アセットオーナーとの違いも解説】
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「アセットマネージャー」とは、どんな職種なのでしょうか?
不動産業界の求人を検索すると、このアセットマネージャーという募集を見かけることがあります。
報酬は800万円、なかには1,000万円以上を提示する求人もあり、給与面でも非常に魅力的な職種でもあります。
しかし、アセットマネージャーは不動産投資という一般の方にはあまり馴染みのない業態に属しています。
そのため、不動産業界が未経験の方はもちろん、不動産業界で働く方の中にも、実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
「アセットマネージャーってどんな仕事をしているの?」
「自分もアセットマネージャーになれるの?」
今回はそんな疑問を解消するべく、アセットマネージャーの仕事内容と求人内容について解説していきます。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
目次
1.アセットマネージャー(AM)とは?
アセットマネージャーを単語に分解すると「アセット=資産」「マネージャー=管理者」です。
つまり日本語では「資産管理者」という意味になります。
そして、この仕事内容は、投資用資産の管理を実際の所有者や投資家に代行して業務することです。
こうして一言で表現しても、理解するにはなかなか難しいですよね。
そこでまずは、アセットマネージャーはどんな時に、どのような目的で必要とされる仕事なのかについて見ていきましょう。
1-1.投資家から集めた資金を不動産投資で運用する仕事
不動産投資市場は、不動産ファンドの台頭や2001年のJ-REITと呼ばれる投資市場の登場により、近年拡大を続けています。
特に、J-REITは証券市場に上場されており、その投資口が株式などと同様に証券会社を通じて売買されています。
不動産への投資は多額の資金が必要である一方で、こうした投資の小口化や証券化といった仕組みが出来たことによって、資金力の低い一般投資家でも容易に投資することが可能となったのです。
しかし、不動産という大きな資産を適格に管理・運用するには、高度な不動産知識と労力が必要となります。
そこで登場するのが、「アセットマネージャー」という人たちです。
アセットマネージャーは、不動産のプロフェッショナルとして、投資家に代わり不動産の管理・運用業務をすることで報酬を得る仕事なのです。
1-2.目的は「資産から得られる収益の最大化」
アセットマネージャーの仕事の目的は、資産から得られる収益を最大化することです。
アセットマネージャーは、このミッションを達成するために、日々どのような仕事をしているのでしょうか。彼らの業務フローを簡単に見ていきましょう。
1-2-1.不動産の選定・取得
アセットマネージャーの仕事は、不動産を取得することから始まります。
取得する物件選定を間違ってしまうと、その後の管理・運用に大きな影響を与えてしまいます。
そのため、売主との取得金額の交渉のほか、エリアの将来分析や建物の遵法性をチェックするなどして、取得後も不動産の資産価値が維持できるか、さらには資産価値向上の可能性があるのか、綿密に調査したうえで取得可否を判断していきます。
1-2-2.不動産の運用
不動産取得後は、安定的な賃料を得られるように管理します。
これに並行して、稼働率の向上や建物の改修などにより、資産価値の向上を図っていきます。また、運用状況に関するレポートを作成し、投資家へ報告する業務もアセットマネージャーの役割です。
1-2-3.不動産の売却
不動産を売却する業務もアセットマネージャーの仕事です。
保有することによって賃料収入を継続して得るよりも、売却することによってさらなる利益が出ると判断した場合は、不動産を売却することもあります。
特に不動産ファンドの場合は、基本的に期限が定められているため、一定期間保有して賃料収入を得たあとは、その不動産を外部へ売却する必要があります。売却業務もアセットマネジャーの仕事なのです。
売却益を投資家に還元することでファンドは終了し、同時にアセットマネージャーの仕事も完結します。
このようにして、投資家から期待される利益を確保するために、アセットマネージャーは取得から売却におよぶ一連の運用戦略を策定・実行することが求められるのです。
1-3.アセットマネージャー(AM)とプロマティーマネージャー(PM)の違い
不動産業界では、アセットマネージャーを略称でAMと呼びます。
これと合わせてよく登場する職種が、プロパティマネージャー(PM)です。
運用戦略を策定するAMに対して、PMはその戦略に基づき実際の賃貸運営を行います。したがって、PMはテナントの募集や建物の保守点検といった現場業務がメインとなります。
AMは不動産の取得から売却までの全体的な役割で、PMは保有期間中の実務的な役割をすると覚えておくとよいでしょう。
プロパティマネージャー(PM)の仕事内容とは?資格は必要?アセットマネージャー(AM)との違いもわかりやすく解説
1-4.アセットオーナーとアセットマネージャーの違い
アセットマネージャーと混同してしまいがちなのが、アセットオーナーです。
アセットオーナーは資産を保有する人のこと。つまり不動産投資家のことを指します。
先述のとおり、アセットマネージャーは、アセットオーナーから委託を受けて運用戦略を策定・実行することで報酬を得る仕事ですが、多数の賃貸物件を保有する不動産会社は、AM会社に委託せず、自社内にアセットマネジメントの専門部署を設けている場合もあります。
2.アセットマネージャー(AM)になるのに資格は必要?
アセットマネージャーになるためには、専門的な資格は必要ありません。
民間資格としては、一般社団法人・日本アセットマネジメント協会が認定する「認定アセットマネージャー国際資格(Certified Asset Management Assessor)」がありますが、応募において必須資格としている会社は多くありません。
むしろ資格よりも、不動産のみならず、金融や建築といった幅広い知識と経験、そしてこれらを裏付けるこれまでの実績や成果が重要視されます。
2-1.持っていれば就職・転職に有利になる資格もある
特別な資格の要らないアセットマネージャーですが、持っておいた方が就職に有利な資格はあります。
ここから5つご紹介していきます。
2-1-1.不動産鑑定士
不動産鑑定士は、適正な不動産価格を算出するエキスパートであり、弁護士、公認会計士と並ぶ文系3大国家資格の一つです。
不動産売買価格は、売りたい人と買いたい人が合意すれば自由に決めることができます。しかし、それが本当に適正な価格とは限りません。
そこで、社会的な不動産価格の秩序を守るため、さまざまな要素から評価を行い、適正かつ合理的な不動産価格を算出する仕事が不動産鑑定士の主なミッションです。
不動産鑑定士の資格試験をクリアするためには、不動産に関わるあらゆる知識の習得が必要となるため、アセットマネージャーとして必要な不動産取得額の適正な判断が可能であることを証明する資格であると言えます。
2-1-2.不動産証券化協会認定マスター
不動産証券化協会認定マスターは、不動産証券化に関する基礎知識と実務能力を有していることを証明する民間資格です。
この資格を取得するためには、養成講座の受講と修了(スクーリングやレポート提出が必要)と、実務経験を満たしていることが必要となります。不動産証券化協会認定マスターの養成講座では不動産、金融、法律、税・会計制度など幅広い内容を体系的に学ぶことが可能です。
この資格は不動産証券化市場が拡大したことを受けて設けられました。このことからも、アセットマネージャーに必要な知識と素養を有していることが証明できるのです。
2-1-3.証券アナリスト
証券アナリストは、経済動向の分析や金融市場での投資実務に関する知識を有すると証明する資格です。
証券アナリスト資格を取得する方法は、 「日本証券アナリスト協会」が実施する試験の合格と、金融業務に関する3年以上の実務経験が必要となります。
そのため、この資格を保有することによって、投資業務全般の知識と実務経験があることをアピールすることができるのです。
2-1-4.不動産コンサルティングマスター
不動産コンサルティングマスターは、不動産の有効活用や投資などに関するコンサルティング能力があることを証明する資格です。
この資格は、宅建士や不動産鑑定士などの資格を有し、一定期間の実務経験がなければ取得することができません。
そのため、不動産に関するより高度で幅広い専門知識と経験を有していることが証明できるのです。
2-1-5.宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産業界では保有者が一番多い国家資格です。
アセットマネージャーに限らず、不動産業界で働くためには必須資格と言っても過言ではないため、不動産業界への就職に興味のある方は、まずは宅地建物取引士の資格取得にチャレンジすることを強くおすすめします。
3.アセットマネージャー(AM)の年収は?
アセットマネージャーの全世代平均年収は、655万円です。
各世代における平均給与の内訳は下記のようになっています。
- 20代前半:435万円
- 20後半:600万円
- 30代:675万円
- 40代以上:800万円
不動産業界の全職種の平均年収が445万円であることを考えると、業界内でも非常に高水準であることがお分かりいただけるかと思います。
求められる知識と経験のレベルが高いため激務になりがちですが、20代でもバリバリ稼ぎたい人にとっては魅力的な環境と言えます。
さらに、過去の高い成果や豊富な実務経験など持つことを条件として、1,000万円以上の求人も多数存在しています。
4.アセットマネージャー(AM)の転職先は?
アセットマネージャーは、不動産業界以外にも、証券会社や信託銀行といった金融業界からも多くの転職者を受け入れています。
また、応募資格には「不動産アセットマネジメント業務経験が3年以上ある方」と条件がある求人が多い一方で、「自己成長をされたい方、金融や投資、不動産に興味のある方」とポテンシャル採用で未経験でも募集している企業もあるようです
しかし、やはり不動産知識や金融知識を有していることの証明が、好条件で就職するための条件であることに間違いはありません。
そのため、不動産業界未経験の方は、まずは賃貸業を行う不動産会社のAM部署に就職する、またはPM会社で賃貸実務を経験したのち、アセットマネージャーに挑戦するといったキャリアルートも検討してみるとよいでしょう。
4-1.向いている人
以下の3つに当てはまる人は、難易度は高いですが目指す価値があります。
- 若いうちからバリバリ稼ぎたい
- 大きな金額が動く案件に関わりたい
- 金融系の知識と経験(※M&Aなど)を活かしたい
5.アセットマネージャー(AM)の仕事内容とは?まとめ
アセットマネージャーは、戦略を作る力、外部との調整をおこなうコミュニケーション力、数字の強さや几帳面さなど、幅広いスキルと高度な不動産・投資知識が要求される仕事です。
しかしだからこそ、不動産業界でも突出して高い給料を得ることができるのです。
またアセットマネージャーになるためには「これしかない!」といった決まったルートはありません。
だからこそ、実はどなたにでもアセットマネージャーになれる可能性があるのです。
宅建Jobエージェントでは、不動産業界に特化した専任のキャリアパートナーに相談することができます。
ご自身のキャリアやポテンシャルに自信のある方、アセットマネジャーの仕事に少しでも興味がある方は、まずはこの機会にご自身の可能性について相談されてみてはいかがでしょうか。
無料で相談する参考:不動産にAM・PM? それぞれの運営管理と果たす役割
参考:アセットマネージャー (AM、Asset Manager)
参考:アセットマネジメントの仕事内容とは?
参考:アセットマネジャーの年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)
参考:◆高年収アセットマネージャー◆ 不動産AMスペシャリストになれる注目ベンチャー
参考:「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」国税庁
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