不動産業界の平均年収は高い?低い?給料が決まる仕組みと年収を上げる具体的な方法を紹介!
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「不動産業界は給料が高そうなイメージがあるけど、実際どうなんだろう?」
不動産業界に興味がある方なら、一度は疑問に思ったことでしょう。そもそも興味を持ったきっかけが、「たくさん稼げそうだから」という方も少なくないはずです。
結論から先に言うと、「給料が高い人も、中にはいる・・・」ということが実態です。
不動産業界だからといって、全員が高給なわけではありません。不動産業界は業種や業態、職種がさまざまあり、その業務内容によって給与水準や給与制度が大きく異なるからです。
そのため、単なるイメージ先行で就職してしまうと、意外すぎるほどの低収入に悩まされる可能性もあるので要注意です!
そんなリスクをご理解いただくためにも、本記事では「不動産業界の年収の実態と給与システムを解説」していきます。
さらに後半では、実際に年収を上げる具体的な方法についても紹介していますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
- 不動産業界の平均年収
- 不動産業界の給与システム【給料が決まる仕組み】
- 不動産企業の平均年収ランキングTOP5
- 不動産業界で年収を上げる方法
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
1.不動産業界の平均年収
そもそも不動産業界の年収は、他の業界と比べて高いのでしょうか。それとも低いのでしょうか。
1-1.全業界の平均年収は441万円。前年に比べて2.0%増加
まずは日本国内の全業界の平均年収をみてみましょう。
国税庁の調査によると、平成30年の全業界の平均年収は441万円でした。
国内の平均年収は、リーマンショック後におけるアベノミクス政策等の効果により、2013年から増加傾向です。
平成30年も、前年に比べて2.0%の増加でした。
1-2.不動産業界の場合は445万円。全業界に比較すると、やや高い
同調査によると、不動産業界の平均年収は445万円です。
全業界と比較すると、やや高い結果となっています。
しかし、いかがでしょうか。意外に低いと思いませんか?
本統計の平均年収は、不動産業界の全業種を対象として平均値を算出しています。
業務内容によって給与水準や給与制度が異なると先述しましたが、全職種を平均すると、全業界平均と比較してほとんど変わらない平均年収となるのです。
つまり結論としては、不動産業界の平均年収はあまり高くないのです。
皆さんがイメージされる「不動産業界の高い給料をもらう人」というのは、業界内でもほんの一握りである、ということが実態と言うべきところでしょう。
2.不動産業界の給与システム【給料が決まる仕組み】
しかしながら、不動産業は高い給料が狙える業界であることに間違いはありません。
実際に、年間に数千万円を稼ぎ出すプレーヤーも数多く存在しています。
ではなぜ、一部の人々だけが多くの給料を獲得することができるのでしょうか。
それは、不動産業界の給与システムに理由があります。
2-1.業種によって年収が違う【売買>賃貸】
まず抑えるべきことは、業種によって年収が違うことです。
不動産仲介には売買仲介と賃貸仲介があり、同じ仲介業でも年収は売買が賃貸を上回ることが一般的です。
なぜならば、仲介手数料は扱う不動産の金額に応じて報酬額が変動するからです。
賃貸仲介の場合、基本的には物件の1ヶ月分賃料相当額を仲介手数料として貸主、借主もしくはその両方から受領します。
賃貸物件は流通量が多いものの、一件あたり数万円〜数十万円と少額であるため、仲介手数料はあまり多くありません。いわゆる、薄利多売のビジネスモデルです。
一方で、売買仲介は契約金額に一定割合を乗じた金額を仲介手数料として売主、買主もしくはその両方から受領します。
一件あたりの契約金額は少なくとも数百万円、大きければ数億円や数十億円と多額となるため、その分報酬額が大きくなります。
契約に至るまでの難易度は高くなりますが、上手くいけば労働対効果が非常に高いビジネスモデルです。
この様に同じ仲介という職種であっても収益構造が異なるため、売買の方が賃貸より多くの報酬を獲得できるチャンスがあるのです。
2-2.インセンティブ次第では、理論上20代でも年収1,000万円、2,000万円は可能?
多くの会社では、営業職の給与制度を「固定給+インセンティブ」という形で設計しています。
この場合、会社によって制度は異なりますが、売買仲介手数料収入額の5%〜30%をインセンティブとすることが多いです。したがって、契約をすればするほど給料が高くなります。
例えば、固定給が月額20万円、インセンティブが20%という制度の会社で5,000万円の契約を30件行った場合、年収は以下のとおりです。
固定給240万円+手数料収入額(5,000万×30件×3%)×インセンティブ20%=1,140万円
会社の規模やエリアによって状況は異なるものの、上記の様に5,000万円の契約を年間30件行うことはそれほど珍しいことではありません。
この様にして、20代でも年収1,000万円や2,000万円を獲得している営業マンも数多く存在しています。
ただし、その代わりに固定給は低く設定されていることが一般的です。会社から要求されるノルマは厳しく、さらに契約ができなければその分給与が低くなるリスクもあることを理解しておきましょう。
なお近年、大手不動産会社では営業職のインセンティブ制を廃止し、完全固定給制とする動きが活発化しています。
大手・中小問わず給与制度を確認することは重要ですが、営業職に就業する場合はこのインセンティブが特に大きく影響します。応募される会社がどの様な制度としているのか特に注意しましょう。
2-3.いくら青天井だからと年収1億円はありえない?
「年収1億円を稼ぎ出すことは可能でしょうか。」
不動産は稼げるビジネスだと理解いただいたところで、こんな疑問にもお答えしておきましょう。
答えとしては、会社員としては極めて困難である、ということです。
例えば、インセンティブが30%だとしても、1億円の給料を得るためには約3億円の仲介手数料を稼がなければなりません。つまり、逆算すると年間の売買契約金額は約100億円にのぼります。
個人向け仲介をしている場合、年間100億円分の売買契約を成立させることは、あまり現実的ではありません。会社員として年収1億円を獲得しているプレーヤーはほぼ皆無と言ってよいでしょう。
感覚的ではありますが、給与所得としての最高レンジは3,000万円〜4,000万円といったところでしょうか。
2-4.不動産(業界)で年収1億円を実現するには・・・
では、不動産業界で年収1億円を実現するにはどうすれば良いでしょうか。
考えられる方法を、2つご紹介しておきましょう。
2-4-1.自分で不動産屋を開業し大成功する
不動産会社を自分で経営する方法です。
不動産仲介業は参入障壁が低いと言われており、不動産会社で一定期間を実務経験したのち、独立開業する方が多くいます。
また、リスクはありますが、仲介業のみならず転売業などにも発展させることで、さらに多くの報酬を獲得できるチャンスがあります。
ただし、不動産業を始めるにあたっては、営業所(本店)一ヶ所で1,000万円、支店ごとに500万円の供託金を納めることが宅建業法によって定められています。
開業資金として、一定の現金が必要であることも覚えておきましょう。
2-4-2.自分で不動産投資を拡大し大成功する
もう一つの方法は、自分で不動産に投資をして拡大させていくことです。
ただし、賃料収入で1億稼ぐのには、相当な元金が必要です。例えば、都心エリアで投資をする場合、物件の利回りが5%と仮定すると、単純計算で約20億円の不動産を購入することになります。一般の会社員では現実的ではありません。
そのため、最初は少額の不動産投資からはじめ、賃料収入を得つつ、不動産自体の価格が上がったタイミングで売却し、さらに大きな不動産を購入する・・・という様に、わらしべ長者的に資産を増やしていく必要があります。
当然下落リスクも伴いますが、本業の不動産経験や知識を活かし、実際に副業として不動産投資を行うことで年収1億円を達成する方も多くいるのです。
3.不動産企業の平均年収ランキングTOP5
ここからは、不動産企業の平均年収ランキングをご紹介します。
不動産業界で平均年収が高い会社をランキング形式で上位5位まで紹介
1位 ヒューリック【1,530万円】
2位 日本商業開発【1,368万円】
3位 三菱地所【1,229万円】
4位 東急不動産HD【1,194万円】
5位 三井不動産【1,112万円】
第2位の日本商業開発を除き、上位企業の特徴は都心好立地にビルを多数保有する総合不動産会社という点です。
総合不動産会社は、不動産業界の中でも既得権益が強く、収益性の高い資産を多く保有しています。そのため社員の給与も非常に高給、かつ固定給与制となっており、経済安定性も抜群であるため、非常に魅力的な会社です。
しかし、総合不動産会社への転職は非常な難関であることも事実です。
総合不動産会社は、社員規模が大きくありません。新卒は毎年10〜20人程度と絞られており、中途採用についても基本的に消極的であるという特徴があります。
そのため、これら企業への入社に注力を限定することは、年収を上げる方法としてあまり得策とは言えません。
4.不動産業界で年収を上げる方法
総合不動産会社への入社という方法以外に、もっと現実的で合理的な方法をご紹介しましょう。
4-1.営業マンになり成果を上げる
一番即効性が高い方法は、何よりも営業マンになり成果を上げることです。
営業マンとして広い不動産知識や経験を身につけられるだけでなく、明確な数字としての実績を獲得することで、市場価値を上げることにも有益です。
さらに、将来的には独立開業といった選択肢もあることは、他の職種ではなかなか獲得できないポイントです。
4-2.宅建士などの資格を取得する
宅建士などの資格を取得することも、年収を上げることにつながります。
会社によって制度や金額は異なりますが、宅建士免許を保有していることにより、月額1万円〜3万円程度の資格手当が支給されることが一般的です。
また、宅建業法では、ひとつの事務所において「業務に従事する者」5人につき1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。
そのため、小さな不動産会社は慢性的な宅建士不足であることも多く、その様な会社の場合は、月額5万円といった多額の資格手当を支給していることもあります。
4-3.不動産鑑定士の資格を取得する
あまり一般的な馴染みはありませんが、不動産鑑定士という資格があります。
不動産鑑定士は、弁護士や公認会計士と並び、文系の三大国家資格と言われる超難関資格です。
その数は、全国にわずか約8,000人。不動産という大きな市場の中で、希少価値が高く、平均年収は700万円〜800万円と言われています。
その希少性ゆえに、非常に安定した職業でもあるため、不動産業界で安定的かつ高収入の職種を希望される方には挑戦する価値のある資格と言えます。
4-4.転職する
年収を上げるためには、転職することも選択肢に入れるべきでしょう。
不動産業界にはさまざまな職種があります。現在不動産会社に従事されている方も、これから不動産業界を目指す方も、不動産業界ならば、ご自身のこれまでの経験やスキルを活かせる職種がきっと見つかるはずです。
年収1,000万円までは届かなくとも、現在の仕事よりも高待遇の求人がきっとあるはずなのです。
少しでも興味のある方は、まずは転職エージェントに相談してみることをおすすめしています。
5.「不動産業界の平均年収」まとめ
以上、不動産業界の年収の実態と給与システムを解説しました。
不動産業界の平均年収がこんなに低いとは、意外だったかと思います。
しかし、どんな業界にも高給取りは必ず存在するものです。特に不動産業界はたくさん稼げるチャンスがあります。
そのチャンスを掴むためには、ご自身で情報収集することが重要です。
宅建Jobエージェントでは、不動産業界に特化した専任のキャリアパートナーに相談することができます。
まずは、どんな些細な疑問でも質問してみるといいですよ。
無料で相談する参考:「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」国税庁
参考:不動産業界127社「平均年収ランキング」PRESIDENT
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