管理業務主任者の就職事情は?有利な資格・求人情報・将来性を解説!
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「管理業務主任者」は不動産業界でも注目されている職種の一つです。
マンション管理の全般を担うのがメインとなる仕事ですが、マンション管理の重要性は年を追うごとに増しています。
一方「管理業務主任者」の資格自体は、2001年にスタートしたばかりで、それほど長い歴史があるわけではありません。そのため「実際の就職事情はどうなっているの?」と気になる人も少なくないはずです。
そこで今回は「管理業務主任者」の就職事情について、具体的な求人情報も含めて解説します。どんな仕事を行うのかという点だけでなく、資格が本当に就職・転職に有利にはたらくのかという点も説明しました。
この記事を参考にすれば、きっと「管理業務主任者」として活躍するためのイメージが具体的に見えてくるはずです。
1.管理業務主任者の資格は就職・転職に有利なのか?
管理業務主任者の就職事情を探るにあたり、まず知っておきたいのが「管理業務主任者の資格は、就職・転職に有利にはたらく?」という点です。
実際に就職した場合の「平均年収」についても解説します。
1-1.就職・転職に有利にはたらく3つの理由
管理業務主任者の資格は就職や転職に有利に作用します。その理由は次の3点です。
1-1-1.理由① 管理会社には管理業務主任者の設置義務がある
まず1つ目の理由は「管理会社には管理業務主任者の設置義務がある」という点です。
宅建業者の場合、「業務に従事する者」の5人に1人は宅建士でなければなりません。この設置義務により、宅建資格は「必置資格」と呼ばれています。
同じように「マンション管理会社」の場合は「管理業務主任者」が必置資格です。委託を受けた管理組合の30組合について、1人以上の管理業務主任者を用意しなければなりません。
この条件を満たすため、管理会社各社は「管理業務主任者」資格の合格者の採用に力を入れています。「資格手当」の制度を設けるなどして優遇をはかる会社もあります。
なお「管理業務主任者」の試験に合格しただけでは、これらの独占業務を行うことはできません。国土交通大臣の登録を受けて「管理業務主任者証」の交付を受ける必要があるので、気をつけましょう。
1-1-2.理由② 管理業務主任者には「独占業務」がある
2つ目の理由は「管理業務主任者には独占業務が認められている」という点です。具体的には次の4点です。
- 管理受託契約に関する重要事項説明
- 管理受託契約に関する重要事項説明書(72条書面)への記名・押印
- 管理受託契約契約書(73条書面)への記名・押印
- 管理事務に関する報告
以上の4業務については「管理業務主任者」だけが行うことができます。そのため不動産関係の会社からすれば「管理業務主任者」は優遇の対象となります。
1-1-3.理由③ マンション管理会社からの需要がある
3つ目の理由は「マンション管理会社からの需要がある」という点です。
すでに説明したとおり、管理業務主任者には「設置義務」と「独占業務」があります。そのためマンション管理会社からすれば、常に採用をしなければいけない存在であるのが管理業務主任者です。
しかし管理業務主任者は、単にマンションの管理人室で座っているだけの存在ではありません。マンション内を巡回して問題点を発見したり、清掃状況の確認、マンション入居者のトラブル管理、その他さまざまな業務があります。
マンション管理会社が管理業務主任者を求めているのは、「実務においてもマンション管理のプロが不可欠」という背景もあるのです。
なお、不動産業界の就職や転職で有利にはたらく資格については、以下の記事も参考にしてみてください。
不動産資格の難易度は?取得したら稼げる?転職に役立つ?【宅建のコスパが良い理由】 |宅建Jobマガジン
1-2.平均年収
管理業務主任者の資格が、就職や転職に有利にはたらく3つの理由を説明しました。今度は、実際に就職した場合の「平均年収」について解説します。
管理業務主任者の年収は人によって異なります。しかし平均して見た場合、だいたい300万円から500万円程度が年収の相場だと言われています。平均的なサラリーマンと変わらないレベルです。
なお会社によっては「資格手当」を支給しているところもあります。月に1万円から2万円というのが相場です。
また「管理業務主任者」に加え、「宅地建物取引士」と「マンション管理士」という「不動産三冠資格」(トリプルクラウン)を制覇できれば、さらなる年収アップにつながるケースもあります。
なお、管理業務主任者の平均年収や「年収をアップするための方法」については、次の記事も参考にしてみてください。
管理業務主任者の平均年収は?手当の相場も解説【マンション管理士と比較】 |宅建Jobコラム
2.管理業務主任者の就職先・転職先【求人情報】
ここまで見てきたとおり「管理業務主任者」の資格は、就職や転職に有利にはたらきます。
管理業務主任者としての活躍を狙うなら、ぜひ資格取得のチャレンジをおすすめします。
今度は仕事内容や、具体的な求人情報について見てみることにしましょう。
2-1.管理業務主任者の仕事内容と将来の可能性
管理業務主任者としてはたらく場合、就職先のメインとなるのは「マンション管理会社」です。
マンションは日本全国に存在し、マンション管理の重要性も次第に高まっています。都心に限らず、地方でも仕事案件を見つけることができます。
また「将来性」という意味でも、「管理業務主任者」は不動産業界の中で注目されている職種の一つです。8人から10人に1人がマンションに住むという中で、マンションの数はさらに増えていくことが見込まれています。
マンションの老朽化にともなう耐震強化や建て替え、住民の高齢化や住民トラブルへの対応強化、マンションの価値を維持するための適切なマンション運営など、管理業務主任者が担うべき役割も幅が広がっています。
また管理業務主任者は「定年後のシニア層でも仕事が可能」という珍しい職種です。年齢を問わずに求人案件があるという点も、管理業務主任者の魅力の一つだと言えるでしょう。
なお「管理業務主任者」の仕事内容の詳細については、以下の記事にまとめています。ぜひ参考にしてください。
管理業務主任者とは?仕事内容・年収・試験難易度を解説【マンション管理士との違い】 |宅建Jobコラム
2-2.求人情報
仕事内容を確認できたところで、今度は具体的な求人情報を見てみることにしましょう。
ここでは以下のとおり、大手マンション管理会社3社をピックアップしてみました。それぞれの企業の概要や仕事内容、各社の採用サイトについて簡単に紹介します。
- 住友不動産建物サービス株式会社(従業員数:3,552名)
- 株式会社 穴吹ハウジングサービス(従業員数:3,120名)
- 伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社(従業員数:2,754名)
2-2-1.住友不動産建物サービス株式会社
まず1社目は「住友不動産建物サービス」です。
同社は住友不動産グループの管理会社として知られ、2020年3月時点の管理物件数は173,147戸にのぼります。メインとなるのは、住友不動産が所有または分譲するマンションやビルの受託管理業務です。
採用サイトでは、募集されている職種や仕事内容、社員のメッセージ、教育や研修制度などの概要がまとめられています。
職種によっては「管理業務主任者」の資格が必須となっています。ただし入社後に関連資格の取得が必要となる場合は、受講費や受験費用が支給されることになっています。
なお、2020年3月31日現在の従業員数は3,552名ですが、このうち「管理業務主任者」の資格ホルダーの数は537名となっています。
2-2-2.株式会社穴吹ハウジングサービス
2つ目に取り上げるのは「穴吹ハウジングサービス」です。
同社は「あなぶき興産グループ」の1社です。マンション管理だけでなく、賃貸の仲介や開発、パーキング業務やリフォーム、インテリア販売など、幅広い業務を扱っているのが特徴です。
2020年5月末時点のマンション管理戸数は、154,319戸(3,551棟)となっています。
以下の採用サイトでは、仕事内容や社員のインタビュー、求める人物像などをチェックすることができます。
経験者や「管理業務主任者」取得者は優遇の対象とされ、「資格手当」や「取得支援」の制度も用意されています。
2-2-3.伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社
3つ目に紹介するのは「伊藤忠アーバンコミュニティ」です。
同社は伊藤忠商事グループのマンション管理会社で、2020年3月時点のマンション管理戸数は106,680戸です。
グループ会社も多く、マンションやビルの開発を行う伊藤忠都市開発や、マンション等の開発や販売を行う伊藤忠ハウジングなど、オフィスや住宅に関するさまざまなニーズにワンストップで対応できる体制ができているのが特徴です。
分譲マンションの管理業務を行う役割だけでなく、管理員の採用も行われています。詳しくは以下の採用サイトをチェックしてください。
また「管理業務主任者」資格を持つ人は「優遇」の対象とされ、「宅地建物取引士」資格を持つ人や、不動産関連業界での営業経験のある人も歓迎されています。
なお実際に応募する際は「志望動機をどう効果的にアピールするか」という点も重要になります。「志望動機の書き方」については「サンプル例文」も含めて以下の記事にまとめてあります。ぜひ参考にしてください。
不動産業界で内定を獲得する志望動機の書き方【新卒・中途・未経験】 |宅建Jobマガジン
2-3.きつい?コスパは?
管理業務主任者の仕事内容や、大手マンション管理会社3社の求人情報を紹介してきました。
しかし実際に仕事をする場合、どれくらいきつい内容なのか、またコストパフォーマンスはどうなのかという点が気になる人もいるかもしれません。
現場の声を聞いてみると、「管理業務主任者の仕事はきつい」という意見があることは事実です。その原因の一つは「人間関係」や「コミュニケーション能力」が求められるという点です。
マンション運営を行う上では、管理組合やマンション住民、業者や地域住民など、多くの人と関わる必要があります。住民間のトラブル解決に関与しなければいけないこともあります。
そのため、人間関係が苦手だという人にとっては「負担が大きい」と感じるかもしれません。一方で、コミュニケーションが得意な人にとっては、マンション住民や理事会から直接感謝されることもあり、やりがいの大きな仕事でもあります。
また「試験の難易度」から見れば、宅建やマンション管理士と比べて合格しやすい資格です。
資格名 | 合格基準点 | 合格率 |
---|---|---|
管理業務主任者 | 33点から36点(50点満点) | 21.7%から23.8% |
宅地建物取引士 | 35点前後(50点満点) | 15%から17% |
マンション管理士 | 35点から38点(50点満点) | 8%から9% |
難易度が高くない割には「設置義務」や「独占業務」があり、求人案件も幅広く存在しています。これらの観点からすれば、取得のコストパフォーマンスは悪くないと考えてよいでしょう。
3.管理業務主任者の就職・転職に役立つ資格
管理業務主任者の資格は、就職や転職の際に有利にはたらきます。
しかし、管理業務主任者の資格をもつ人は増えており、差別化をはかることも必要です。
そこでぜひ検討しておきたいのが「関連資格」を取得することです。おすすめの「不動産三冠資格」(トリプルクラウン)を紹介します。
3-1.注目の「トリプルクラウン」とは?
「管理業務主任者」と関連する資格として知られるのが「宅地建物取引士」と「マンション管理士」です。
この3つの資格は「不動産三冠資格」(トリプルクラウン)とも呼ばれています。
いずれも不動産系の国家資格です。不動産関係の仕事に就きたい人なら、取得をして損をすることはありません。
メリットは「不動産分野の専門家と見なされるようになる」という点だけではありません。
前述した「設置義務」や「独占業務」もあり、不動産系の企業から重宝されるはずです。また、実務にも活かすことができる上、「資格手当」のある会社なら年収アップにもつながります。
この3つの資格は試験範囲に重複するところもあり、ダブルやトリプルで資格を取るのは難しいことではありません。不動産系の企業で活躍したいなら、ぜひ取得を検討しておきましょう。
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4.「管理業務主任者 就職」のまとめ
「管理業務主任者」の就職事情について解説しました。
マンションの数は年々増加しており、老朽化にどう対応するか等の問題も深刻度が増しています。「管理業務主任者」が活躍できる舞台は、今後さらに増えていくことでしょう。
資格を持っていると就職にどのくらい有利にはたらくかという点も紹介しました。「管理業務主任者」としての活躍を考えるなら、ぜひ関連資格にもチャレンジしてみてください。
管理業務主任者に合格してキャリアアップしたい方へ
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