宅建とFP取得するならどっち?年収・難易度・転職しやすさ比較!【ダブルライセンスがおすすめ】
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宅建とFPは人気の高い国家資格です。いずれも毎年20万人前後が受験するマンモス資格で、資格ホルダーの数も年々増えています。
差別化をはかるために、宅建とFPのダブル取得を考える人も少なくありません。
しかし、ダブルで取得するとどんなメリットがあるのか、よくわからないままでに試験情報を集めている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、宅建とFPの違いやダブルライセンスのメリット、試験内容や難易度、必要とされる勉強時間などをまとめました。「どちらの資格を先に取得すべきか」という点も解説したので、ダブル取得を目指す人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 宅建とFPの仕事内容とメリット
- 宅建とFPをダブルライセンスするメリット
- 宅建とFPの違い、試験科目や取得難易度、勉強時間など
- 宅建とFP最初に取得するならオススメは?
目次
1.宅建とFPの仕事内容とメリットは?
宅建とFPのダブルライセンスを考えるにあたり、まずは宅建とFPについて、その内容と取得メリットを整理してみましょう。
1-1.宅建士(宅地建物取引士)の仕事内容
宅建士(宅地建物取引士)は、不動産取引の専門家であることを示す国家資格です。毎年10月に試験が開催されます。
注意新型コロナウイルス感染症の影響のため、宅建試験は2021年度から「10月」と「12月」の2回開催となっています。希望する試験会場での「受験可能人数」によっては、12月試験を受験するように指示される場合があります。早めの申し込みをおすすめします。
なお「10月試験」か「12月試験」かは、8月末日に郵送で通知されることになっています。
詳しくは、公式サイトの「宅建試験のスケジュール」のページを参照してください。
宅建で学んだ知識は不動産業務の実務に活かすことができます。また宅建士でなければできない業務(独占業務)があるため、不動産業界への就職や転職にも有利とされています。会社によっては「資格手当」の対象とするところもあり、年収アップにつながる資格としても知られています。
年に1回行われる宅建士試験では、毎年20万人前後が受験するという日本有数のマンモス資格です。例年なら20万人の受験者のうち、約35,000人前後が合格をしています。
1-2.FP(ファイナンシャルプランナー)の仕事内容
FP(ファイナンシャルプランナー)は「お金のホームドクター」とも言われます。
「FP技能士」はくらしとお金に関する専門家であることを示す国家資格です。試験は毎年3回、1月、5月、9月に実施されます。
FPは、不動産や保険、年金や相続、家計管理や資産運用など、個人のライフプランに合わせたかたちでサポートする「お金」のコンサルタントです。とくに保険や金融業界では重宝される資格です。
今回紹介する「FP2級」は年に3回実施され、毎回6万人から8万人が受験しています。年間の受験者数で考えれば、宅建と同じくらいの規模になります。
1-3.ダブル取得で、さらなるメリットも
後ほど紹介するように、宅建やFPは、単体でも充分にメリットのある資格です。日常の仕事面で役に立つだけでなく、就職や転職、独立においても有益です。
しかし宅建とFPをダブルで取得すると、そのメリットはさらに大きなものとなります。ダブルで取得することのメリットについて、紹介していきましょう。
2.宅建とFPをダブルライセンスするメリット
複数の資格をもつことを「ダブルライセンス」といいます。
「社労士と行政書士」、「中小企業診断士と簿記」といったように、いくつかの資格を取得することにより業務の幅を広げることができます。
中でも「宅建とFP」は、ダブルライセンスの中でも相性の良い組み合わせだと言われています。宅建士がFPを取得する場合も、またFPが宅建士を取得する場合も、それぞれで相乗効果を発揮することができます。
宅建とFPのダブルライセンスのメリットについて、次の4つの点から解説することにしましょう。
- 金融知識が深まり実務に活かせる
- 勉強しやすい
- 就職・転職に役立つ
- 独立にも役立つ
2-1.金融知識が深まり実務に活かせる
宅建とFPをダブルライセンスするメリットの1つ目は「金融知識が深まり実務に活かせる」ということです。
「ファイナンシャル・プランニングに長けた宅建士」「宅建分野に強いFP」という2つのパターンから解説しましょう。
2-1-1.ファイナンシャル・プランニングに長けた宅建士として
たとえば宅建資格しかもっていない宅建士の場合、仕事の中心は「お客様の希望条件に合わせた物件の紹介」になります。
お客様が希望する「買いたい物件」や「借りたい物件」を探し出し、それをそのまま提案するというスタイルです。
お客様が「買いたい」というその物件は、たしかにお客様にとっては憧れの物件かもしれません。しかし冷静に分析すれば、住宅ローンの返済や税金対策で無理を生じかねない物件である可能性もあります。
FPはお金の専門家です。FPのライセンスを持っていれば、そうした問題を見抜くことができるようになります。また、お客様の価値観や将来に向けたライフプランに合わせた提案もできます。
お客様の経済状況も精査した上での総合的なコンサルティングが可能になるため、お客様が「買いたい物件」を提案するだけでなく、そのお客様が「本当に買うべき物件」をも提案することができるようになるのです。
将来の相続問題にも目配せしたプランを作成したり、所有不動産の効率的なな経営の助言、より効果的な資産運用の提案等も可能になります。
不動産物件を右から左へ動かすだけの宅建士に比べれば、お客様からの絶大な信頼を勝ち取ることができるでしょう。
2-1-2.宅建分野に強いFPとして
また、FPしかもっていないという人の場合、不動産取引に関する提案はどうしても手薄になりがちです。
もちろんFPはお金の専門家ですから、住宅取得の資金計画を立てたり、不動産の資産活用に関する提案をすることはできるかもしれません。
しかし不動産の売買に直結する部分では、不動産業者に確認してもらわないとアドバイスができないという場面も出てきてしまいます。
また不動産はエリアや条件により「利用制限」が課せられる場合もありますが、そこまで把握できるFPはなかなかいないのが実態です。
宅建をもっていれば、不動産価格の妥当性を判断したり、取引にまつわる法律面のコンサルティングまでも可能になります。
また自分で不動産業を開業すれば、不動産の売買や賃貸のお手伝いまでができるようになります。
2-2.勉強しやすい
宅建とFPをダブルライセンスするメリットの2つ目は「勉強しやすい」ということです。両者の出題範囲に重複する分野があるからです。
2-2-1.勉強時間が短縮できる!
まず宅建の問題とFPの問題を比べてみると、とくに「不動産関連の法律」の分野で共通項が見られます。
重複する分野は、すでに学習済みの範囲のはずです。そのため勉強時間を短縮することができます。
学習済みの範囲であれば、テキストを読むときもスラスラと理解できるはずです。分野によってはテキストをじっくり読み込まずとも、点を取ることができるでしょう。
もちろん未習の分野であれば、ゼロからの学習が必要です。
しかしすでに学んだことのある分野なら、過去問を解くことによって出題傾向を把握したり、知識の再確認をするだけでも、充分に合格に近づけるはずです。
2-2-2.知らない分野も興味をもって勉強できる!
もちろんFP試験の不動産分野の中には、宅建では出題されない内容もあります。
しかし宅建士が実務で経験する内容に似ていることも多いため、興味をもって学習することができるはずです。
FPにとっても不動産知識は必須です。FP試験で取り上げられないような不動産知識を習得すれば、コンサルティングの幅を広げることが可能です。
2-3.就職・転職に役立つ
宅建とFPをダブルライセンスするメリットの3つ目は「就職・転職に役立つ」ということです。
ダブルホルダーは希少な存在です。転職の可能性が広げるだけでなく、社内でも自然と評価が上がっていくことでしょう。
2-3-1.「不動産と金融の両方を複眼的に見られる」という希少性
宅建を取得している人はたくさんいます。FPを取得している人もたくさんいます。
しかし両方の資格をもっている人となると、その数は大きく減ります。両方の資格をもつことで、人材としての希少性が生まれるのです。
宅建をもっていると「不動産知識がある人だ」と評価されます。またFPをもっていると「金融知識がある人だ」と評価されます。
しかし両方をもっていれば「不動産と金融の両方を複眼的に見られる人だ」と見られることになります。
2-3-2.転職の可能性を広げてくれる効果も
宅建業法では「不動産業の事務所では、5人に1人は宅建士を置かなければいけない」という決まりがあります。
そのため不動産業界の中には「宅建の所有」を採用の条件にする求人案件もあります。
また金融や保険の業界ではFPをもっている人材は評価の対象になります。不動産業界でもコンサルティング型スタイルの会社ではFPを重用する傾向にあります。
もし2つの資格をもっていれば、両方の業界から歓迎される人材になれます。将来の選択肢を広げてくれることにもなります。
2-3-3.転職をしなくても収入アップにつながる!
また、ダブルライセンスは転職をしなくても収入アップにつながる可能性があります。
会社によっては宅建やFPの取得者に「資格手当」を支給するところもあるからです。
もし手当の制度がなかったとしても、ダブルで資格を持つ人は少数派です。スキルの高さが認められるだけでなく、実直な努力家としての評価も受けることになるでしょう。
2-4.独立にも役立つ
宅建とFPをダブルライセンスするメリットの4つ目は「独立にも役立つ」ということです。
先ほどの項目で、「就職・転職に役立つ」として「不動産と金融の両方を複眼的に見られる希少性」を説明しました。これは独立や起業においても同じことが言えます。
2-4-1.宅建業がFPを取ると差別化になる!
宅建を取得すれば宅建業を開業することができます。しかしFPも取得しておけば、「単なる不動産屋」を超えるような付加価値をつけることができます。顧客獲得の大きな後押しになってくれるでしょう。
もちろん、宅建士として「売買や賃貸の仲介」だけで勝負をするのも良いでしょう。しかし他社との差別化をはかるのは大変です。
もしFP資格をもっていれば、お客様のライフプランに合わせたコンサルティング型の営業もできるようになります。
顧客のより深いニーズにも対応できるため、結果として大きな差別化ポイントにつながるはずです。
2-4-2.FP業が宅建を取ると差別化になる!
この「独立をサポートしてくれる」という効果は、特にFP業で顕著に現れます。
FP業は年収格差がつきやすい仕事だと言われています。1,000万円を超える年収を稼ぐFPがいる一方で、100万円にも満たないという人もいます。そうした中で「宅建も持っているFP」なら、他のFPとの差別化になります。「専門分野をもつプロFP」として、大きなセールスポイントになります。
たとえば「住宅の取得や不動産投資の相談をしたい」という人や「不動産をふくめたライフプランニングの検討をしたい」という人をイメージしてみてください。
単なるFPに相談するよりは「不動産に詳しいFP」に相談したいと考える人が多いのではないでしょうか。
FPが宅建を取得する効果は、コンサルティングの内容が深まるだけではありません。国家資格を2つも持っているということが、提案内容に説得力をもたらしてくれるようにもなるのです。
3.宅建とFPの違い【取得難易度は?国家資格?】
宅建とFPをダブルライセンスするメリットについて解説してきました。
今度は宅建とFPの違いを見ていくことにしましょう。難易度や合格率の違いも含めて解説します。
3-1.同じ「国家資格」でも、細かい違いが
宅建もFPも「国家資格」の一つです。
宅建士試験は、国土交通大臣が試験実施機関として指定した「一般財団法人 不動産適正取引推進機構」が運営しています。
また、FP技能検定は、厚生労働大臣の指定を受けた試験実施機関「一般社団法人 金融財政事情研究会」と「特定非営利活動法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」が行っています。
宅建とFPはダブル取得する組み合わせとしての相性が良いとされていますが、宅建の取り扱い範囲が「不動産実務に関する知識全般」であるのに対し、FPは「金融全般の知識」という違いもあります。
また、FPなら1級から3級までありますが、宅建は1種類のみです。試験回数も、宅建は年に1回ですが、FPなら年に3回といった違いがあります。
3-2.【一覧表で解説】宅建とFPの試験内容の比較
まず、試験の概要を比べてみましょう。
なお国家資格としての「FP技能士」には1級から3級まであります。また民間のFP資格として、日本FP協会が運営する「AFP」や、その上位にある「CFP」という資格もあります。
ここでは宅建士と相性の良いダブルライセンスということで「FP技能士2級」を取り上げました。
宅地建物取引士 | FP技能士2級 | |
---|---|---|
試験の回数 | 1回(10月の第3日曜日) | 3回(1月、5月、9月) |
試験の形式 | 学科(マークシート方式50問:四答択一式) | 学科(マークシート方式60問:四肢択一式)と実技(記述式5問) |
合格点 | 35点〜37点(受験者のレベルで変化) | 6割(60問中36点) |
合格率 | 15%〜17% | 36〜43%(学科は28~36%程度、実技は35~50%程度) |
受験者数 | 毎年20万人前後 | 毎年15万人前後 |
試験科目 | ・権利関係(民法など) ・宅建業法 ・法令上の制限 ・その他 |
・ライフプランニングと資金計画 ・リスク管理 ・金融資産運用 ・タックスプランニング ・不動産 ・相続・事業承継 |
勉強時間 | 200~400時間 | 150~300時間 |
受験の条件 | なし | あり |
受験料 | 7,000円 | 8,700円(学科4,200円、実技4,500円) |
試験免除の制度 | なし | 学科か実技の「一部合格者」は、試験の翌々年度末まで免除制度の適用が可能 |
独占業務 | あり | なし |
資格の有効期限 | なし(ただし宅建士に登録した場合は5年) | なし |
公式サイト | 一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | ・一般社団法人 金融財政事情研究会 ・特定非営利活動法人 日本FP協会 |
宅建士の試験とFPの試験では、上記のような違いがあります。
続いては「難易度の違い」「受験資格の違い」「独占業務のありなし」という3つの点について、より詳しく解説していきましょう。
3-3.難易度の違い:受験のプレッシャー(難易度と受験回数と受験条件)
試験の難易度は、FPより宅建の方が高いです。「FP1級」は専門的な内容になるので宅建より難しくなりますが、一般的にダブルライセンスで狙われる「FP2級」は、宅建よりも簡単です。
宅建に合格できるレベルがあれば、年内にFP2級とダブルで取得することも可能です。
難易度について、次の3つの観点から説明しましょう。
- 合格基準点
- 試験回数
- 試験免除制度
3-3-1.合格基準点から見た場合
合格に必要な点数は、FP2級は「正答率6割」と決まっています。60問中36点が取れれば合格です。
しかし宅建の場合は合格基準点が変動します。最近の実績では、50問のうち35点から37点が必要です。
FPなら60%の得点率で合格しますが、宅建なら70%から74%の得点率が求められます。「1点が合否を左右する」という国家資格の中にあって、十数パーセントの違いがある点は大きなインパクトだと言えるでしょう。
また宅建の合格基準点は受験者のレベルによって変化します。たとえば点数の高い人が多い年は、合格基準点が引き上げられます。「受験者のレベル」は自分の努力で左右できるものではないため、この点も「宅建は難しい」というイメージに拍車をかける要素になっています。
3-3-2.試験回数から見た場合
「試験回数」の点から見ると、宅建は年に1回(10月)だけの実施ですが、FPなら年に3回(1月、5月、9月)も実施されています。
注意すでに紹介したとおり、新型コロナウイルス感染症の影響のため、宅建試験は2021年度から「10月」と「12月」の2回開催となっています。しかし、両方を受験することはできません。試験は2回ありますが、受験できるのは年に1回のみです。
もし試験に合格できなかった場合、宅建なら次の試験まで1年も待つ必要があります。しかしFPなら、4ヶ月待つだけで次の試験にチャレンジできます。そのため失敗しても再チャレンジが容易です。
FPなら宅建に比べて、より気軽に受験することができると言えるでしょう。
3-3-3.「試験免除の制度」から見た場合
またFPの場合は「一部合格による試験免除」の制度があります。
FP技能士になるためには、「学科試験」と「実技試験」の両方に合格する必要があります。もし片方が不合格であっても、もう一方で合格していれば、「不合格者」ではなく「一部合格者」と見なしてくれるという制度です。
そのため次に試験にチャレンジする際は、合格した科目の免除申請を行うことが可能です。この制度を使えば「合格済みの科目」は再受験をしなくてよくなります。「不合格となった科目」だけに専念できるため、勉強の負担は大きく軽減されます。
しかし宅建にはこのような制度がありません。合格基準点から1点でも低ければ、また次の試験でゼロからのチャレンジをする必要があります。これも、宅建とFPとの大きな違いだと言えるでしょう。
一部合格(学科試験または実技試験)し、次回以降に受検申請時にその免除申請をする場合 | 日本FP協会
3-4.受験資格の違い
宅建とFPの「難易度の違い」を見てきましたが、試験を受けるための条件となる「受験資格」の違いもあります。
まず宅建の場合は、誰でも受験することが可能です。未成年でも問題ないですし、外国籍の人が受験をすることもできます。
しかしFPの場合は、次の条件に該当していなければ受験することができません。
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
- 3級FP技能検定の合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者(勤務先名と経験年数を自己申告)
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
こうしてみると、宅建は「誰でも受験ができる」のに対し、FPは「一定の基礎知識を持った人」に受験機会が与えられている試験だと言えるでしょう。
FP2級の合格率(40%前後)が、宅建試験の合格率(15%前後)に比べて2倍以上もあるのは、こうした事情が影響していると言えそうです。
3-5.独占業務があるか無いかの違い
「不動産の所有登記」は、司法書士でなければ行うことができません。このように、一定の業務が独占的に行える資格のことを「業務独占資格」といいます。
「独占業務がある」ということは、資格の価値につながります。宅建士には独占業務がありますが、FPにはありません。宅建士の独占業務は次のとおりです。
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書(35条書面)への記名・押印
- 契約書(37条書面)への記名・押印
また「事務所の5人に1人は専任の宅建士を置かなければいけない」というルールがあるため、宅建士資格は「必置資格」とも呼ばれます。
宅建士には「業務独占資格」であり「必置資格」でもあるという希少性があります。宅建士でなければできない役割があるからです。
しかしFPにはそれがありません。FP試験は、資産設計や資産運用などの高度な知識や技能をもつことを証明するだけで、FPにしかできない業務が与えられるわけではありません。
FP業務はFP資格をもっていない人でも行うことができるため、資格としての希少性は薄れると言えます。
4.宅建とFP最初に取得するならオススメは?
宅建とFPの違いやダブルライセンスのメリットについて解説してきました。
まだ宅建もFPも持っていないという人なら、どちらの資格から先に取得すべきなのでしょうか。3つの観点から選び方を紹介します。
4-1.仕事の観点から選ぶ場合
まず1つ目は「仕事」の観点から選ぶ場合です。おすすめの判断基準は、不動産業界に在籍しているかどうかという点です。
4-1-1.不動産業界の人や、不動産業界への転職を考える人なら
もし不動産業界に在籍しているなら、業界知識をマスターすることは不可欠です。先に宅建を取得することをおすすめします。日常の実務に活かすことができるだけでなく、「資格手当」というかたちでの年収アップにもつながります。
不動産業界に在籍していなくても、もし不動産業界への転職を模索しているなら、宅建を先に取得しましょう。宅建取得は不動産業への転職活動で有利にはたらきます。
4-1-2.金融や保険の業界にいる人、宅建業以外の人なら
一方で、もし金融や保険の業界にいる人なら、宅建よりもFPを先に取得するとよいでしょう。保険業界ならFP資格は必須です。金融業界でも、お金の問題を扱うFP資格は大いに役立ちます。
もちろん宅建が役に立たないというわけではありません。住宅ローンや担保資産の評価等で宅建知識を活かすことはできますが、使える領域は限定的です。しかし、宅建が深く狭く学ぶのに対し、FPは広く浅く学ぶという特徴があります。FPで学んだことは、幅広い業種で活かすことが可能です。
そのため、不動産業界の人や不動産業界への転職を考えるなら宅建を先に取り、そうでない人はFPを優先するとよいでしょう。
4-2.難易度の観点から選ぶ場合
2つ目は「難易度」の観点から選ぶ場合です。もし宅建とFPの両方の取得を目指すなら、先に簡単なFP試験を選択することをおすすめします。
FP試験は宅建よりも簡単です。また不合格になっても年に3回のチャレンジが可能です。合格しやすい試験なので、「国家試験に合格する」という自信がつきやすいというメリットもあります。
FP試験にチャレンジすることで、勉強の習慣も身につきます。また自分なりの学習方法も確立されるようになるため、FPで身につけた学習習慣を、そのまま宅建学習でも活かすことができます。
4-3.興味度の観点から選ぶ場合
3つ目は「興味度」の観点から選ぶ場合です。人は興味のないことを継続するのは大変ですが、興味のあることなら意外と継続できるものです。その性質を利用して選ぶというのが、この3つ目のやり方です。
宅建は不動産を扱います。不動産の取引や関連する法律問題について学びます。用語も専門的で、暗記すべきこともたくさんあります。もし不動産や法律に興味があるなら、宅建から取り組むのがよいでしょう。
一方でFPが取り扱うのは、お金に関する身近な話題がメインです。就職や結婚、子育てから退職、そして老後や相続の問題に至るまで、誰もが通過する人生イベントにまつわるお金の問題を取り上げるのがFPの内容です。身近な話題が多いので取り組みやすい領域です。
このように、自分が興味を感じる資格を優先するというのも一つの方法です。先に宅建を取得すれば、きっとFPにも興味を感じるようになるでしょう。またFPを先に取得しても、宅建に興味を持つようになるはずです。
5.「宅建とFP」のまとめ
宅建とFPのダブルライセンスについて解説してきました。
宅建もFPも非常に人気のある国家資格です。単体で取得しても充分にメリットがありますが、ダブルで取得すれば、さらなる可能性が広がります。
すでに紹介したように、どちらの資格が有利かは、進みたい仕事の方向性によっても変わります。「どちらの資格を先に取得すべきか」という項目では、選び方のヒントも提示しました。
ダブルライセンスの取得は大きなチャレンジです。ぜひ自分の描く人生プランに沿うかたちで選択をしてみてください。
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