2030年問題とは?超高齢化と人材不足・AI時代の生き残り対策を解説!
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2030年の日本は「3人に1人が高齢者」という社会に突入します。
日本が世界有数の高齢化社会であることは有名です。しかし「私たちの生活にどのような問題を引き起こすのか」と聞かれると「よくわからない」という人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、少子高齢化がもたらす課題を解説します。「2030年問題」という言葉をキーワードに、年金や介護、医療問題や労働力不足などのテーマを取り上げます。
最後には不動産業界で生き残るためのコツも解説します。この記事を読めば、スキルアップや転職の方向性など、今後の人生設計のヒントが見つかるはずです。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
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不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
1.2030年問題とは?【少子高齢化社会】
まずは「2030年問題とは何か」という点から見てみることにしましょう。また、日本と世界の高齢化の実態を統計データから見てみます。
1-1.2030年問題の意味
2030年、日本の人口は「3人に1人が65歳以上」という時代を迎えます。
超高齢化社会に突入することで、年金や社会保障の給付など、さまざまな問題が生じると予測されています。これら諸問題を総称するのが「2030年問題」というキーワードです。
高齢者が増える反面、若い労働力が減少すれば、日本経済の鈍化に直結します。
消費の主役は稼ぐ現役労働者たちです。現役労働者が減れば個人消費も減り、税収も減少します。その一方で、より多くの高齢者を支えなくてはいけないという悪循環に陥ります。
「高齢者を支える」側の人たちのことを「生産年齢人口(15歳から64歳の人口)」と呼びます。国立社会保障・人口問題研究所によれば、2015年から2030年にかけて852万8,000人も減少すると見られています。
■生産年齢人口(15歳から64歳の人口)
- 2015年:7,728万2,000人
- 2030年:6,875万4,000人 (852万8,000人の減少)
出典:日本の将来推計人口(平成29年推計)|国立社会保障・人口問題研究所
「稼いで消費する側」の現役労働者が減り、「支えられる側」の高齢者が増えれば、収支のバランスは大きく崩れます。これによってさまざまな問題が起きるとされていますが、その詳しい内容については追って解説します。
1-2.その前に訪れる2025年問題
この「2030年問題」の前には、「2025年問題」というテーマもあります。
第一次ベビーブーム(昭和22~24年)に生まれた世代である「団塊の世代」が、75歳の「後期高齢者」に達するのが2025年です。
この3年間の出生数は合計で806万人と言われます。2020年の出生数は84万人なので、いかに大きな数字かがわかるはずです。
「団塊の世代」といえば、高度経済成長を中心に日本の成長を力強く支えてきた世代です。「経済を後押ししてきた存在」が、一気に「給付を受ける側」に回ります。医療費や介護費が急増し、予算がまかなえなくなる可能性が懸念されています。
1-3.日本における高齢化
日本の人口のピークは2008年で1億2,808万人でした。その後は一貫して減少が続いています。その一方で「65歳以上の高齢者」は1950年から現在に至るまで、ずっと増え続けています。
WHO(世界保健機構)は、65歳以上の人たちの占める割合を「高齢化率」として、以下のように定義しています。
- 高齢化社会:65歳以上の高齢化率が7〜14%
- 高齢社会:14%〜
- 超高齢社会:21%〜
日本は、1970年に7.1%という高齢化率を記録して「高齢化社会」に入りました。1995年には14.5%で「高齢社会」となり、2007年には21.5%で「超高齢社会」に突入しました。この動きは今後も続きます。
予測によれば、2030年には総人口が約1億1,912万人にまで減少し、そのうち31.1%(3,715万人)が65歳以上の高齢者になると見込まれています。約3人に1人という計算です。
(正確に「3人に1人」(33.3%)になるのは、2036年です)
出典:令和2年版高齢社会白書(全体版):高齢化の現状と将来像
1-4.世界的に進む高齢化
こうした高齢化は、日本以外の国でも加速しています。
世界の人口は2030年に85億人になると予測されています。このうち最も早いペースで増加すると見られるのが65歳以上の高齢者層です。この層は、2030年には10億人を突破すると見込まれています。
2015年における高齢化率は、世界の中でも日本が突出しており26.6%となっています。しかし中国での高齢化率はスピードを増しており、2050年前後には日本を追い抜くとの予測があります。
高齢化の加速は中国だけではありません。「高齢化率が7%から14%へ要した期間」(WHOの定義で「高齢化社会」が「高齢社会」になるまでの期間)を見ると、次のようになっています。
高齢社会になった年 | 国(要した期間) |
---|---|
1972年 | スウェーデン(85年)、ドイツ(40年) |
1975年 | イギリス(126年) |
1990年 | フランス(126年) |
1994年 | 日本(24年) |
2014年 | アメリカ(72年) |
2018年 | 韓国(18年) |
2021年 | シンガポール(17年) |
2025年 | 中国(23年) |
2.現時点で労働力不足が顕著な業種【2030年問題】
少子高齢化と「2030年問題」について解説してきました。この結果、あらゆる業界において労働力不足が深刻化すると見られています。
たとえばパーソル総合研究所の「労働市場の未来推計 2030」によれば、以下のように推計されています。
- 労働需要:7,073万人
- 労働供給:6,429万人 (644万人の不足)
644万人もの不足が生じる計算で、なかでも早期の対策が急務となっているのが次の5つの業界です。順番に説明していきましょう。
- 医療・介護業界
- 観光業界
- IT業界
- 航空業界
- 建設業界
2-1.医療・介護業界
2030年に向けて労働力不足が顕著になると見られる業種の1つ目は「医療・介護業界」です。
高齢者が3人に1人を占める社会になるため、医療や介護サービスの需要は、ますます高まります。一方で、医師や介護士の数が不足し、十分なサービスが提供できなくなる事態も懸念されています。
実際に、医師や病院の数は2017年から減少傾向にあります。また介護業界においても人材不足は深刻です。2035年には介護職員の不足は69万人から79万人に達すると見込まれています。
出典:「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会」報告書
不足を補うために、外国人の採用も進んでいます。EPA(経済連携協定)や技能実習、特定技能の制度などが用意されていますが、2018年の介護関連入国者数は、わずか3,000人足らずです。
厚生労働省によれば、2019年10月時点の外国人労働者の数は以下のとおりです。
- 医療:11,357人
- 介護:22,706人
出典:「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和元年10月末現在)
さまざまな対策はとられているものの、労働力不足を解消するためには圧倒的に数が足りていないのが実情です。
2-2.観光業界
労働力不足が顕著になる2つ目の業界は「観光業界」です。
新型コロナウイルスの影響で、観光業界は業務のストップ状態が続いています。しかしコロナ問題が落ち着けば、観光需要はふたたび回復すると見られています。
たとえばワクチン接種が進むアメリカでは国内旅行の需要が急回復して、人材が不足する事態になっています。
アメリカ運輸保安局(TSA)によれば、2021年6月中旬における「国内空港の通過人数」は1日当たり約200万人で、2019年の同期に比べると2割減という水準です。すでにコロナ前に水準に急回復しています。
新型コロナ: 米航空、需要回復に人手追いつかず アメリカンは減便: 日本経済新聞
日本では訪日客を増やすための「ビジット・ジャパン・キャンペーン」(Visit JAPAN Campaign)が行われており、2019年の訪日外国人観光客数は3,188万人となりました。これは1964年に統計を取り始めて以来の最高値です。
出典:JNTO日本政府観光局:訪日外客数(2019 年 12 月および年間推計値)
この時点でも、すでに多くの宿泊施設で人手不足が露呈されました。訪日客の目標値によれば、2030年は6,000万人となっています。2019年の約2倍の数字です。
これだけの大規模の需要に応えるには、かなりの人材の増強が不可欠です。コロナで人材流出が起きたこともふまえると、労働力不足はさらに深刻な状況になると見られています。
2-3.IT業界
労働力不足が懸念される3つ目の業種は「IT業界」です。
経済産業省の予測によれば、2030年には40~80万人の規模で人材が不足すると見込まれています。
出典:参考資料(IT人材育成の状況等について)経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課
とくに、クラウドやモビリティ、ビッグデータ解析IoT、AIなどの分野が急速に伸びています。またコロナ禍により、オンライン教育やテレワークが一気に普及するようになりました。官公庁や企業でもますますのデジタル化が求められます。
その一環として、2021年には「デジタル庁」が新設されます。デジタル時代の官民インフラを5年で一気呵成に作り上げることが目標です。
デジタル社会の変革が加速すればするほど、人材不足も深刻化します。とくに見逃せないのは、日本の場合は「IT人材の高齢化」も一気に進むという点です。
たとえば、2019年からIT産業での退職者が入職者を上回るようになりました。この状況は今後も加速すると見られており、人材不足をどう補うかは大きな問題となっています。
2-4.航空業界
2030年に向けて労働力不足が顕著になると見られる業種の4つ目は「航空業界」です。
日本政府の発表を見ると、2023年には8,000人程度の不足が見込まれています。
出典:特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針について
また、2030年頃にはベテランパイロットの大量退職が見込まれています。景気の悪かった時代に採用を見送っていた過去があり、数が足りなくなると見込まれています。
また、各種の航空専門学校では入学者数の定員割れが続いており、整備士不足で運行維持に支障をきたす可能性も取り沙汰されています。航空従事者をいかに確保するかは重要な課題となっています。
2-5.建設業界
労働力不足が顕著になる5つ目の業種は「建設業界」です。
ヒューマンタッチ総研が試算した、建設技術者数の「2030年未来予測」によれば、もし日本経済が順調に成長した場合、人材需給のギャップは94,157人に達するとしています。
■成長実現ケースで日本経済が推移した場合:94,157人が不足
- 必要人数:586,486人
- 就業者数:492,329人
■経済成長率がゼロ成長だった場合: 26,680人が不足
- 必要人数:519,009人
- 就業者数:492,329人
出典:ヒューマンタッチ総研が独自分析 建設技術者の「2030年未来予測」を公表|ヒューマンのプレスリリース
建設業界は現時点でも人材不足です。国土交通省によると、建設業就業者数は1997年(685万人)をピークに減少し、2018年には503万人にまで落ち込んでいます。
出典: 建設業界の現状とこれまでの取組:交通政策審議会海事分科会第11回基本政策部会
長時間労働の改善や福利厚生の充実など、業界全体として雇用の促進がはかられています。しかし「きつい」「きたない」「危険」という「3K産業」でもあり、なかなか順調には進んでいません。
3.少子高齢化が課題とされる理由
少子高齢化の動きと「2030年問題」について解説してきました。労働力不足が深刻になるわけですが、少子高齢化がもたらす問題はそれだけではありません。
「労働力不足」以外にどのような課題があるのか、ここでは次の5つの点について紹介します。
- 年金問題
- 介護問題
- 医療問題
- 地方の過疎化
- リストラ
3-1.年金問題
少子高齢化が引き起こす課題の1つ目は「年金問題」です。
日本の年金制度は、若者世代が高齢者を支える仕組み(賦課方式)です。「現役世代が収める保険料」が、そのまま「高齢者の年金支給」に使われます。
2014年の段階では、1人の年金受給者を「20歳から64歳」の2.2人が支えているという構造でした。しかし高齢者が増えれば増えるほど、現役世代の負担が増えます。財務省の試算によれば、2025年には1.8人で支える構造に陥るとしています。
負担が増える背景には、高齢者が増える一方で、支える側(生産年齢人口)が急速に減少している実態があります。1995年(871万人)をピークに減少し、2060年には半減(441万)すると予測されています。
■生産年齢人口(15歳から64歳の人口)
- 1995年:871万6,000人
- 2020年:734万1,000人
- 2030年:677万3,000人
- 2060年:441万8,000人
出典:総務省|平成28年版 情報通信白書|人口減少社会の到来
さらに言えば、日本の賃金は30年にも渡って上昇していません。
たとえば、経済協力開発機構(OECD)のデータにもとづいて全労連が作成した比較によれば、過去20年の賃金推移は次のとおりです。1997年を100とした場合の2016年の数値です。
- スウェーデン:138.4
- フランス:126.4
- イギリス:125.3
- デンマーク:123.4
- ドイツ:116.3
- アメリカ:115.3
- 日本:89.7
出典:実質賃金指数の推移の国際比較(1997年=100)(全労連)
このような理由から、このままでは年金制度は耐えられないと言われています。
そのため
- 支給額の減額
- 受給開始年齢の引き上げ
などの対策が考えられますが、これを実行すると今度は高齢者が困窮するという問題が生まれます。
「年金積立金は2030年には枯渇する」「消費税を15%にまで引き上げないと年金制度は持たない」といった声もあり、年金問題は少子高齢化が引き起こす最重要課題と言って良いでしょう。
3-2.介護問題
少子高齢化が引き起こす2つ目の課題は「介護問題」です。
高齢者が増えれば、介護を必要とする人も急増します。厚生労働省の発表によれば、認知症高齢者の人数は2025年に700万人を超える見込みです。高齢者の5人に1人という計算です。
出典:厚生労働省:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)
介護費が膨張すれば、税収から捻出しきれなくなる可能性も取り沙汰されています。
介護保険給付費の推移を見ると、介護保険制度が始まった2000年度が3兆6273億円だったのに対し、2018年には10兆4319億円と、実に3倍にもなっています。
出典:本格的な「介護費10兆円時代」が到来、要介護認定率の都道府県間格差はやや縮小―厚労省 | GemMed | データが拓く新時代医療
しかし日本の税収はそれほど増えていません。2014年に54兆円になって以降、50兆円台が続いています。しかもこの数字は「30年前の税収額」とほぼ変わりません。
- 1989年:54.9兆円
- 2020年:55.1兆円
また労働力という観点から言えば、介護士の数も不足します。介護が必要な人に介護サービスが届けられないという未来が確実に迫ってきています。
3-3.医療問題
3つ目の課題は「医療問題」です。
日本の健康保険制度では、1割から3割を患者が負担し、残りは国が負担することになっています。しかし高齢者が増えれば医療費も増大します。今の日本の税収では耐えられなくなるとの懸念があります。
たとえば「医療給付費」の推移を見ると、次のようになっています。
- 1990年:18.6兆円
- 2000年:26.6兆円
- 2010年:33.6兆円
- 2020年:40.6兆円
予測によれば、2025年には54兆円に膨れ上がるとの試算もあります。皆保険制度を維持するためには、自己負担額の増額や保険料の値上げ、増税などが必要です。
前述した「介護問題における懸念」と同様で、必要な医療サービスが受けられない人が増えていくことも十分に考えられます。
3-4.地方の過疎化
少子高齢化による課題の4つ目は「地方の過疎化」です。
コロナ問題により、都心から地方への移動が増えていると言われます。しかし長期的な人口推移を見てみると、都市への集中が継続しています。
総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によれば、「三大都市圏」と「それ以外(地方圏)」を比べた場合、「三大都市圏」への流入は継続的に増えています。
出典:総務省|平成29年版 情報通信白書|人口減少社会の課題と将来推計
おもな理由としては、安定した雇用を求める動きが大きいようですが、このまま地方からの流出が続けば、「労働力不足」や「消費市場の縮小」などの弊害が大きくなります。
地方の税収も減少し、インフラ整備が遅れて荒廃する地域が生まれることも懸念されています。荒廃が続けば、さらなる人口流出につながり、経済格差も大きくなります。
分析によれば、現在と同じ人口水準を2025年まで維持できるのは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、滋賀県、沖縄県のみとの見方もあります。
なお、地域別に見た人口の見通しについては次のページも参考にして下さい。
3-5.リストラ
最後に取り上げる課題は「リストラ」です。
少子高齢化で「労働力不足」が深刻化するという話をしてきました。それに逆行する動きに見えるかもしれませんが、「リストラの加速」も深刻化すると言われています。
労働力が不足する中でも、企業としては安定した収益を生み出さなくてはなりません。そのため、優秀な労働力を歓迎する反面、採算に見合わない人材はリストラしていく動きが加速すると考えられます。
その一つにあげられるのが、IT活用やAIの普及によるホワイトカラー業務の削減です。たとえばオフィスの「一般事務業務」のほとんどは、2030年にはAIによって代替される可能性があります。
その結果、一般事務に従事する人は「社内でやることがなくなる」という事態になります。たとえばメガバンク各社は、ITやAIの活用を進めることにより「店舗の統廃合」や「業務の削減」などの構造改革を断行すると発表しています。
その結果、三菱UFJフィナンシャルグループは9,500人、三井住友フィナンシャルグループは4,000人、みずほフィナンシャルグループは1万9,000人の業務がなくなると見込まれています。
こうした動きは銀行だけではありません。新しい時代に対応した人材が求められる一方、それに対応できない人材は不必要になるという時代が近づいてきています。
4.不動産業界の2030年問題
最後に「不動産業界の2030年問題」について見てみることにしましょう。
他の産業の「2030年問題」と同じように、不動産業界においても人材不足が見込まれています。しかし前述の「リストラ」の項目で解説したように、ITやAIによって人材の選別も起きます。
生き残るためには「新時代に対応した人材」にならなければいけないわけですが、どのような準備が必要なのでしょうか。
4-1.2019年でも人材不足の不動産業界
まず現状を確認しておくと、2019年の時点でも不動産業界の人材不足は深刻です。
たとえばエン・ジャパンが実施したアンケートによると、回答企業の91%が「人材不足である」と回答しています。2016年アンケートでは86%だったので、人材不足が加速しているということになります。
4-2.IT化による業務効率化とAIの浸透
不動産業界における人材不足の背景には、業界内でIT活用が遅れていることも影響しています。
とくに中小企業では、いまだにFAXを多用していたり、メールによる対応を嫌がる風潮があるなど、旧態依然としたアナログな傾向が見受けられます。帳簿や日報を手書きで処理している会社まであります。
しかしコロナによりリモートワークやテレワークが加速しています。中小企業においても、ITによる業務効率化は避けて通れない課題となっています。
たとえば「IT重説」があります。従来の賃貸住宅の契約にあたっては、対面での「重要事項説明」を行う必要がありました。しかし2017年の法改正により、オンラインによる手続きが可能になりました。
また最近では、住宅ローンの審査を自動化したり、物件に行かなくてもオンラインで内見ができるなど、ITやAIを駆使した新サービスが生まれています。
高度なIT技術やAI技術を不動産業界に活用する「不動産テック」という動きですが、こうした流れに対応できない会社や人材は、次第にお客様から受け入れられなくなることでしょう。
なお「不動産テック」の詳細については、次の記事も参考にしてみて下さい。
不動産テックとは?仕組み・求人・日本アメリカ企業事例・学べる本も紹介!【カオスマップ付き】 |宅建Jobマガジン
4-3.資格の取得や海外にも目を向けよう
こうした中で生き残りをはかるには、資格を取得したり、海外に目を向けることも大切です。
「業界で必要とされる人材」とは「市場価値のある人材」を意味します。その一つの方法は、資格を取ることです。
不動産業界で活躍するには「宅建」は必須です。業界の中でありふれた資格ですが、それに加えて関連する不動産資格も取得すれば、差別化につながります。
宅建は転職に有利!40代までなら未経験可能な理由と転職先を紹介! |宅建Jobマガジン
また、不動産業界では海外進出が続いています。国内需要が縮小する反面、海外には旺盛な住宅やビルの需要があります。また、日本国内においても、外資系の企業や外国人を相手にする機会は増えていくはずです。
近年では、不動産協会や国土交通省が海外不動産取引の研究を加速させています。英語力を磨きつつ、これらのグローバルマーケットに精通できれば、企業から重宝がられる存在になれるはずです。
詳しいことは以下の記事も参考にして下さい。
一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 不動産政策研究 | 海外不動産取引研究会
宅建士に英語力は必要?名刺の表記方法は?年収150万円アップの事例も解説! |宅建Jobコラム
5.「2030年問題」のまとめ
「2030年問題」について解説してきました。
日本では「3人に1人が高齢者」という空前の少子高齢化社会に突入します。懸念されているのは「労働力不足」だけではありません。
年金や介護、医療問題など、さまざまな課題を取り上げました。業種別の課題に加え、不動産業界で生き残るためのコツも解説しました。
この記事を参考に、今後どのような人生設計をしていくべきか、スキルアップや転職の方向性もふくめ、ぜひ考えを深めてみて下さい。
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