不動産業界はAI導入で仕事が無くなる?!9つの活用事例を紹介【査定以外も】
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不動産業者の仕事はAI(人工知能)に取って代わられる、という話は本当なのでしょうか?
事実、不動産業界ではAIの活用が進んでおり、さまざまな分野で人間の仕事と置き換わっています。
しかし、AIにできない仕事をすれば不動産業者が生き残ることは可能です。そのためには、まずAIに何ができるのかを知る必要があるでしょう。
今回は、不動産業界でのAI活用状況や具体的なサービス名・企業名を紹介します。
AIに負けず生き残る不動産業者の特徴についても解説しますので、不動産業界で働く人はもちろん、今後の不動産業界について知りたい人もぜひご覧ください。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
1.不動産業界でのAI(人工知能)活用事例
不動産業界では、さまざまな分野でAIが導入されてきています。
たとえば、物件の査定、物件案内日の自動調整、自動追客メッセージなどは、AIの活用が進んでいる分野です。
近年になって急速にAIの導入が進んだ理由は、不動産業界のIT化の遅れにあります。
不動産業界は、他の業界よりも最新技術の導入が遅れており、生産性が低いことで有名でした。書類ベースで仕事をしていたり、FAXを使っていたりする不動産企業はいまだに多くあります。
業務の進め方にしても、これまでの経験と勘に頼っている部分が多いと言えるでしょう。そのため、教育体制が整っていなかったり、離職率が高かったりなど人材面の問題も抱えていました。
ところが、IT技術を駆使するベンチャー企業が不動産業界にも登場したことによって状況は変わりつつあります。
このようにAIなどの最新技術を不動産分野に活用する流れは「不動産テック」と呼ばれ、近年になって急速に強まっています。
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1-1.AI(人工知能)とは
人工知能(AI)に厳密な定義はありませんが、アメリカの代表的AI関連企業「SAS」では、次のような説明がされています。
人工知能(AI)とは、人間の知的ふるまいの一部をソフトウェアを用いて人工的に再現したものです。経験から学び、新たな入力に順応することで、人間が行うように柔軟にタスクを実行します。
(中略)大量のデータからパターンを認識させることで、ビジネスや生活における様々な難しいタスクをこなせるようにコンピューターをトレーニングすることができます。
分かりやすく言えば、AIとは人間のように自ら学び、考えることができるコンピューターだと言えるでしょう。
大量のデータを分析し、一定のパターンを見つけ出せるため、難しい仕事を覚えさせることも可能です。
たとえば次のようなことは、すでにAIが自ら行えるようになっています。
現在のAIができること(例)
- 物や人の認識・区別
- 文章の理解や作成
- 言葉の理解や会話
- 機械などの自動制御
- データの分析・予測
現在はプログラムされた範囲内でしか考えられない「特化型AI」が主流です。しかし将来的には、枠にとらわれず考えて行動する「汎用型AI」の開発が進むと言われています。
現在人間が行っている仕事の大半を、AIが代わりに行う日は近いかもしれません。
2.不動産業界のAI(人工知能)サービス
不動産分野でAIがどう役立つのかは、具体的なサービスを見ると分かりやすいでしょう。
ここでは実際に不動産業界で活用されているAIサービスを9つ紹介します。
2-1.Gate【物件査定・市場調査】
「Gate」はリーウェイズ株式会社が提供している、物件査定・市場調査システムです。2億件以上の不動産データを学習したAIが、瞬時にデータを導き出します。
査定システムの「Gate.market Survey」では、物件の情報を入力するだけで、最適な売買価格や適切な賃料、利回りなどをAIが査定してくれます。レポートとして印刷ができるほか、類似の事例を収集してくれる機能もあり、提案営業に役立つツールです。
また、市場調査システムの「Gate.Investment Planner」では、必要項目を入力するだけで特定エリア内にある物件の収益性、将来価値などをAIが分析します。不動産投資の判断材料としてはもちろん、提案営業の際のデータとしても活用できます。
2-2.HowMa【物件査定】
「HowMa」は株式会社コラビットが提供している、物件査定システムです。
ホームページ上から物件情報を入力していくだけで、AIが査定価格を算出してくれます。匿名入力で費用もかからないため、個人でも気軽に利用することが可能です。
同社では、査定から売却までの全てをオンラインで完結できる「オンライン売却」のサービスも提供しています。
2-3.AI move【住まい探し】
「AI move」は、AIを活用した賃貸マッチングサービスです。
ユーザーが登録した希望条件に合う物件をAIが自動的に探して提案してくれます。閲覧履歴やお気に入り物件などのデータから、常に最新のレコメンド物件を表示することも可能です。
賃貸物件を探している人にとっては、物件探しを効率的に行えるメリットがあります。アプリ・ウェブサイトから内覧予約などを行える機能もあるため、契約までをスムーズに完結することも可能です。
2-4.Neo Face【顔認証】
「Neo Face」は、NECが開発・提供する顔認証システムです。顔認証システムは、カメラに写った顔をAIが識別して他人と区別する技術のことで、さまざまな活用方法があります。
不動産分野では、鍵の解錠に利用したり、建物の入場管理に利用したりといった活用方法が一般的です。
特定の人間しか入場できないように設定することで防犯性が高められるほか、建物の利用者の利便性を高めることもできます。直接触れずに認証できるため、両手がふさがっている状態でも解錠が可能です。
2-5.VALUE AI【物件の将来価値査定】
「VALUE AI」は、株式会社コスモスイニシアが提供する不動産査定システムです。
大量の物件データからAIが相関パターンを算出することで、現在の価値はもちろん、将来の価値まで予測できるようになっています。
所在地や築年数、最寄り駅など基本的な情報を入力すれば、現在の適正賃料から将来の賃料変動や空室リスク、利回りまで推定。最大50年先の売却価格を予測することもでき、賃貸経営や不動産投資の判断に役立つシステムとなっています。
2-6.キャッシュフローシュミレーター【キャッシュフロー試算】
オリックス銀行では、投資用不動産の収支を試算できる「キャッシュフローシュミレーター」を提供しています。
投資物件を購入するうえで気になる賃料や空室率などの将来予測を最長50年先までAIが試算。運営収支でローンがまかなえるかどうかの計算ができます。
会員専用ページには投資用不動産の広告物件が多数掲載されており、広告物件を使ってキャッシュフローを試算することも可能です。
2-7.AIさくらさん【問い合わせ対応】
株式会社ティファナ・ドットコムが提供している「AIさくらさん」は、学習機能をそなえたAIによる業務支援システムです。
さまざまな機能が搭載されていますが、おもに企業の接客負担の削減や、業務効率化を目的としています。
たとえば、お客様からの問合せ対応では、AIが音声やテキストで対応。自動で学習していくため、現場の事情に合わせたやり取りを覚えていきます。
また、専用の端末を設置すれば、企業や店舗の受け付けとして機能させることも可能です。来客を音声で受け付け、担当者に通知すると同時に指定の待ち合いスペースまで案内してくれます。
2-8.Forest【顧客管理(CRM)・業務改善】
「Forest」は、不動産仲介に特化した業務改善ツールです。
有料版の「フォレストPRO」では、広告図面の作成や顧客管理業務などを効率化できます。
広告図面の作成では、他社の会社情報(オビ)を切り取り、自社のオビに置き換える「帯替え」をAIが自動で行うほか、紙の物件情報をAIが読み取って自動でデータ化することも可能です。
また、顧客情報をデータベースで一括管理・共有できる機能や、顧客ごとに専用ページを作ってスムーズに物件を提案できる機能も搭載されています。
2-9.セキュリティロボット SQ-2【警備】
SEQSENSE株式会社が開発した「SQ-2」は、自律移動型の警備用ロボットです。
あらかじめ巡回ポイントを設定しておけば、AIが最適なルートを割り出して、自動的に巡回警備を行います。移動中は周囲の人・物を検知しながら、ぶつからないように判断して動きます。
離れた場所にいる人間が、カメラに映る映像を確認できるほか、スピーカーを通してロボットの前にいる人と会話することも可能です。
このようなロボットを施設内に複数台巡回させれば、少数の警備員でも広い範囲の警備ができます。
すでにオフィスビルや空港などに導入された実績もあり、ビルメンテナンス業や警備業の人材不足を解決する手段として期待されています。
3.不動産業界はAI(人工知能)導入で仕事がなくなる?
AI(人工知能)の進化によって、将来的に不動産仲介の仕事は無くなるかもしれないと言われています。
なぜなら、将来的にAIが物件を仲介するようになれば、普通の仲介業者が手数料を得ることは難しくなるからです。
不動産仲介業は、売り手と買い手(または貸し手と借り手)の間を取り持つだけの仕事です。物件情報を双方に伝えることで仲介手数料を得ています。
しかし、取り扱える物件の量もデータの精度も、AIのほうが人間よりもはるかに上です。
利用者にとっても、不動産業者に相談するよりもAIに仲介してもらったほうが有利な取引をできる可能性が高くなります。
また、AIは人間と違って24時間365日休みなしで働いてくれるため、人間の業者に取って代わると考えられます。
3-1.AIに負けない不動産仲介業者とは
ただし、全ての不動産仲介業者が無くなるとは思えません。
不動産の価値は、住み心地や満足度といった感情で決まる側面もあるからです。
これらの感情はデータ化しづらいため、AIには読み取れません。お客さんの気持ちを読み取ったり、ニーズを汲み取ったり、といった対応ができる人間にしか分からないことです。
つまり、人間味あふれる対応ができる不動産仲介業者は、生き残れる可能性が高いと言えるでしょう。
4.「不動産 AI」のまとめ
人間のように考え、学習できるAI(人工知能)は、すでに不動産分野のさまざまな場面で活用されています。
物件査定や市場分析のほか、賃貸物件のマッチングや顧客管理、接客、警備といった業務にまで導入が進んでいます。
今後もAIが進化し続けて導入が進めば、不動産業者の仕事のほとんどは無くなる可能性が高いと言えるでしょう。
ただし、不動産業そのものが無くなるわけではありません。
人間味のある対応ができる業者は生き残るでしょうし、逆にAIを活用する側になれば不動産業界をリードする立場になれます。
不動産業界への就職・転職をお考えの方へ
今後、不動産業界への就職・転職を考えている人は、こういった時代の流れを読んで会社を選ぶことをおすすめします。
宅建jobは、不動産業界に特化した転職サービスです。業界各社の事情にも精通しているため、独自の高待遇求人を取り扱っています。
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