不動産開発とは?仕事内容や転職難易度について解説!
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不動産に興味のある人なら「デベロッパー」という言葉を聞いたことがあるはずです。
デベロッパーは「不動産を開発すること」が仕事ですが、「そもそも不動産開発の役割って何?」という人も多いのではないでしょうか。
また似た言葉に「ゼネコン」がありますが、「デベロッパーとゼネコンの違いがよくわからない」という声も少なくありません。
そこで今回は「不動産開発」の基礎をわかりやすく解説します。具体的には、
- 不動産開発とは何か?
- 業界全体における「開発」の位置づけ
- 不動産開発の仕事内容
- 不動産開発の平均年収と年収ランキングTOP3
などの点を取り上げます。これを読めば、きっと不動産開発の全体像がつかめるはずです。
なお、不動産開発への転職は、かなりの難関です。とくに大手企業の場合、中途採用の道はかなり狭いというのが実態です。そこで記事の最後では「不動産開発へ転職するには?」という項目も設けました。
「不動産開発の仕事に興味がある」という方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
目次
1.不動産開発とは?
「不動産開発」の役割は、さまざまな不動産案件を企画・開発することです。
商業施設やオフィスビル、マンションや大規模開発など、その範囲は多岐にわたりますが、これらの開発を担うのが「デベロッパー」と呼ばれる不動産業者です。
「不動産開発」の案件は、土地の仕入れから企画開発、実際に建設してテナントを誘致、その後の管理運用というように、長期のプロジェクトとなるケースがほとんどです。
わかりやすい例としては「東京スカイツリー」があります。2012年に開業していますが、その発端は、2003年12月に立ち上げられた「在京6社新タワー推進プロジェクト」です。実に9年もの月日がかかったことがわかります。
この項目では不動産開発の全体像をつかむにあたり、「不動産業界内での位置付け」や「不動産開発の種類」から見ていくことにしましょう。
なお「デベロッパー」と似た言葉に「ゼネコン」がありますが、以下のような違いがあります。
- デベロッパー:「企画」「開発」「販売」「管理」を担う。
- ゼネコン:デベロッパーから依頼を受けて「建設」を担う。
より詳細に知りたいという人は、以下の記事も参考にしてみてください。
不動産デベロッパーとは?仕事内容や将来性を解説 |宅建Jobマガジン
1-1.不動産業界内での位置付け
まずは「不動産業界内での不動産開発の位置付け」から見ていくことにしましょう。
不動産業界の仕事は、次の3つから成り立っています。
- 開発(デベロッパー、ゼネコン、ハウスメーカーなど)
- 流通(デベロッパー、ハウスメーカー、不動産仲介会社など)
- 管理(不動産管理会社)
①の開発は、商業施設やマンション、ビルやアパート、一戸建てなど、さまざまな不動産案件を開発する部分です。
②の流通は、完成した物件の販売や賃貸を担う部分です。
③の管理は、建物の保守やメンテナンス、入居者対応などが役割です。
本記事で解説する「①開発」は、仕事の流れとしては、②や③の前の段階に位置づけられます。不動産業界において一番上流に位置しているのが「開発」だと考えておくと良いでしょう。
1-2.不動産開発の種類
今度は、不動産開発の種類について解説します。
不動産開発には、さまざまなプロジェクトがありますが、取り扱う開発案件の種類としては、大別して以下の5つがあります。
- 街の再開発事業
- リゾート開発
- 大型商業ビルの開発
- 大規模場な宅地造成や、戸建て街の形成
- マンション開発
また、不動産開発を担う存在を「デベロッパー」といいますが、デベロッパーには「総合デベロッパー」と「専門デベロッパー」という2つの種類があります。
- 総合デベロッパー
- 専門デベロッパー
前者の「総合デベロッパー」は、商業施設やビル、マンションやホテルなど、さまざまな種類の開発プロジェクトを担う企業を指します。
一方で、後者の「専門デベロッパー」は、マンションだけ、ホテルだけといったように、特定の案件を専門的に扱います。
なお、こうした不動産開発の仕事について、どんな人なら向いているのかを解説したのが以下の記事です。ぜひ参考にしてみてください。
デベロッパーに向いている人は?仕事はきつい?転職の方法も解説! |宅建Jobマガジン
2.不動産開発の仕事内容
今度は、具体的な仕事内容について見ていくことにしましょう。
不動産開発は、大きなオフィスビルや大型マンション、まちづくりなど、大規模かつ長期のプロジェクトになるケースがほとんどです。
さまざまな仕事がありますが、仕事の流れとしては、土地の仕入れ、企画立案、建設、営業(テナントの誘致)、完成後の管理運用という内容になります。それぞれの内容について解説していきます。
- 用地の仕入れ
- 企画立案
- 建設
- 営業
- 管理運用
2-1.用地仕入
まず1つ目は「用地の仕入れ」です。
具体的には「プロジェクトに必要となる敷地を、どう確保するか」という問題ですが、開発案件の多くは非常に大きな規模になります。一定規模の面積を確保するには、さまざまな地権者との交渉が欠かせません。
しかし用地の取得がうまくいかずに長期化すると、建設コストが増大するばかりか、開発プロジェクトそのものの価値にも影響してきます。
地味な役割ではあるものの、プロジェクトの成否を左右する非常に大切な役割にあたるのが「用地仕入れ」になります。
2-2.企画立案
続いてのステップは「企画の立案」です。
仕入れた不動産について、どのような開発を行えば価値が最大化できるのか、さまざまなリサーチを通じて検討していく段階です。
土地を最大限に有効活用するには、住宅が良いのか、商業施設が良いのか、あるいはリゾート開発が良いのかなど、エリアの特性によって色々な可能性が考えられます。
「現在の周辺環境」だけでなく「将来において想定される周辺環境」にも目配せしながら立案していきます。プロジェクト全体の中でも、もっとも重要なステップだと言って良いでしょう。
2-3.建設
企画立案ができたら、具体的に「建設」という段階に入ります。
前述のとおり、デベロッパーの主な役割はプロジェクトの企画と管理です。建設そのものを担うのは建設会社=ゼネコンの役割です。
デベロッパーもゼネコンも、似た存在としてイメージされがちですが、
- デベロッパー:プロジェクト全体の進捗を管理する。
- ゼネコン:デベロッパーから依頼を受けて「建設」を担う。
という違いをおさえておきましょう。
2-4.営業
建設が完了する前に、同時並行で行われるのが「営業」です。たとえば「テナントの誘致」があります。
開発プロジェクトの成功を成否するのは「収益」です。テナント入居率が低ければ、運営コストだけで赤字になってしまいます。
また、魅力的なテナントが数多く入居してこそ、魅力的な施設になります。プロジェクトが円滑に回るかどうか、それを下から強力に支えるのが「営業」の役割です。
2-5.管理運用
最後は「完成後の管理運用」です。
完成した建物の価値を維持するためには、施設の適切なメンテナンスが不可欠です。施設の清掃や設備の点検、部品交換などの管理業務は、最低限必要なことです。
また、それらに加えて、施設に集客するためのイベントやキャンペーンの企画立案なども、管理運用の仕事になります。施設の価値を維持することに加え、価値を向上させることにつながる業務です。
3.不動産開発の年収
不動産開発の仕事内容を見てきましたが、実際に働いた場合、どれくらいの年収が狙えるのでしょうか。業界の平均と、ランキングのTOP3を見てみることにしましょう。
3-1.平均年収は528万円
不動産デベロッパーの平均年収は、528万円です。
これは、給与動向を独自算出して紹介するサイト「求人ボックス 給料ナビ」のデータによるもので、2023年5月時点において「求人ボックス」に掲載されていた求人情報から算出された数字です。
デベロッパーの仕事の平均年収は528万円/平均時給は1,099円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス
3-2.年収ランキングTOP3
前述したとおり、不動産開発の平均年収は528万円です。しかしその中身を見てみると、会社によって大きな違いがあることがわかります。
そこで、年収ランキングのTOP3を見てみることにしましょう。
東洋経済が2018年に発表した「平均年収が高い会社ランキング300」によると、上位3社の年収ランキングは以下のとおりです。
- ヒューリック:1,418万円
- 東急不動産:1,195万円
- 三菱地所:1,190万円
出典:デベロッパーの平均年収ランキング!仕事内容や求められるスキルは? | ゼロワンインターンマガジン
第1位のヒューリックは、東証一部上場の不動産デベロッパーです。不動産賃貸をメインとする会社で、なかでも首都圏の駅チカ物件を多数保有していることで知られています。
会社の成長にも勢いがあり、2019年発表の「総合職の平均年収が高い会社ランキング300」では第3位(1,530万円)にランクインしました。
出典:「総合職の平均年収が高い会社」ランキング300 就職四季報データを集計、1000万円超は52社 | 就職四季報プラスワン | 東洋経済オンライン
2021年発表の「10年間で年収が抜群に増えた会社ランキング」では、第1位に輝いています。
出典:10年間で「年収が抜群に増えた」会社ランキング 上場企業1091社を対象、トップは961万円増加 | 賃金・生涯給料ランキング | 東洋経済オンライン
なお、ヒューリックは「年収ランキング」の第1位ですが、「第2位以降のランキング詳細が気になる」という方は、以下の記事を参考にして下さい。第5位までの概要をまとめて解説しています。
不動産デベロッパーの平均年収ランキング!仕事内容と将来性を解説! |宅建Jobマガジン
4.不動産開発へ転職するには
ここまでは「不動産開発」の全体像について解説してきました。「不動産開発の仕事に転職したい!」と考えている人もいるはずです。
しかし、不動産開発は「不動産業界の花形エリート」とも言われる存在です。そこで最後に、転職の難易度や転職のコツについて見ていくことにしましょう。
4-1.大手への転職はかなり難しい
結論からすると、不動産開発の仕事は難関です。とくに大手企業ともなれば、中途採用の枠が小さく、転職の道はかなり狭くなっているのが実状です。
その理由は「中途ではなく、新卒社員を育て上げて活用する」という人事システムを採用している会社が多いためです。
もともと不動産開発は人気の職種のため、大手企業の場合は新卒採用も難関です。中途採用なら、さらに難しくなると考えておくと良いでしょう。
4-2.専門デベロッパーが狙い目
ただし「どうしても中途でチャレンジしたい!」ということであれば、オススメは「専門デベロッパー」です。
大手の総合デベロッパーよりも、中途採用の門戸が広くなっているケースがあります。たとえば、マンションをメインに取り扱うような「専門デベロッパー」や、その系列会社などです。
とはいえ、不動産業界の中でも人気の職種ということもあり、転職には入念な準備が不可欠です。転職の武器の一つとして「資格」に目を向けてみるのもオススメです。
「デベロッパーへの転職に有利な資格は無いの?」という点が気になる人は、以下の記事が参考になるはずです。合計で11の資格を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
デベロッパーへの就職や転職には資格が必要?宅建についても詳しく解説! |宅建Jobマガジン
5.「不動産の開発」のまとめ
本記事では、不動産開発の全体像について解説してきました。
不動産開発は、マンションやオフィスビル、商業施設などの開発をするのが主な役割です。そして、土地の仕入れに始まり、企画立案、建設、営業(テナントの誘致)、完成後の管理運用という一連の流れがあります。
今回の記事では、業界全体の中での「不動産開発」の位置づけや年収事情についても解説しました。
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