不動産業界でのIoT活用事例・企業を紹介!仕組みや導入メリットは?【賃貸でも導入可能】
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ここ数年、不動産業界でのIoT導入が急速に進んでいます。
そう言われても、「IoTとは?」「不動産と、どう関係がある?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
インターネットや各種のセンサー、AIなどを活用したIoT機器を導入すれば、不動産物件に住む人の利便性を高めることが可能です。また、不動産業者側からしても不動産物件の価値を高められるメリットがあります。
今回は、IoTの仕組みや不動産業界での活用事例、メリットなどを分かりやすく解説します。
具体的な企業名・サービス名なども紹介しますので、不動産とIoTの関係について知りたい人はぜひご覧ください!
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
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棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
目次
1.不動産業界でのIoT活用事例【2022年最新】
不動産業界は、古くからの習慣や法規制の影響でテクノロジーの活用が遅れている業界です。
しかし近年は、不動産業界の中でもとくに住宅分野でのIoT活用が進んでいます。
IoTを活用した技術やサービスを導入すれば、賃貸入居者へのアピールになるほか、物件の付加価値を上げることも可能です。また、生活が便利になることから、個人が住宅に導入するケースも増えています。
1-1.Iotとは?
IoTとは「Internet of Things」の略で、直訳すると「モノのインターネット」です。
その名前のとおり、各種のセンサーやカメラなどを搭載した設備・家電をインターネットと接続し、遠隔で操作・管理できる技術のことを言います。
IoTは2000年代前半から構想されてきましたが、ここ数年は技術の発達やコストの低下によって、さまざまな分野で導入が進んできました。
不動産もまた、IoTの導入が増えている分野の一つです。
設備や家電を遠隔操作できるスマートスピーカーや、建物の鍵を遠隔から開閉するスマートロックなど、名前を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
こういったIoTデバイスの数は、より大容量の通信が可能な5G通信網の整備によって、今後も増え続けていくと予想されています。
2021年には世界のIoTデバイス数が349億個に到達すると予想されていて、2016年からの5年間でおおむね倍増する計算です。
1-2 IoTは「不動産テック」に含まれる
IoTは不動産テックの中に含まれます。
不動産テックとは、IT技術を活用した不動産関連の技術・サービス、または最新テクノロジーを不動産分野に活用しようという流れのことです。
IoT以外にも、AIやVR、ブロックチェーンといった最新技術を用いてさまざまな技術やサービスが生み出されています。
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2.不動産業界でのIoT活用事例・導入メリット
不動産業界では、すでにIoTが多く活用されています。
以下では、具体的なサービス名や企業名を混じえながら、事例や導入メリットを紹介します。
2-1.スマートロック
https://www.youtube.com/watch?v=5jKdAcjgbTY&feature=emb_logo
スマートロックとは、電気通信を用いて鍵を自動的に開閉するシステムです。
スマートフォンなどから鍵の開閉ができるほか、開閉する時間帯や鍵の割り当てなども管理できます。
スマートロックは、不動産業界でもっとも普及しているIoTです。サービスや機器を提供している企業数も多く、メリットも分かりやすいため導入が増えています。
スマートロック分野の製品は多数ありますが、一例をあげるとQrio株式会社の「Qrio Lock」があります。既存の鍵に機器を取り付けるだけで、スマートフォンで鍵の開閉ができるサービスです。
オートロック機能や開閉履歴の確認機能、入退去時に今までの鍵が無効化できる機能なども搭載されています。
2-1-1.メリット
スマートロックには、次のようなメリットがあります。
- 鍵の開け閉めがラクになる
- 防犯を強化できる
- 鍵の受け渡しが必要なくなる
開閉するときに物理的な鍵を使う必要がないため、鍵の開け閉めが簡単にできます。
また、オートロック機能が付いている製品では、鍵の閉め忘れを防いで防犯性を強化できます。
クラウド上から鍵の割り当てや管理が可能なため、賃貸物件の内覧のときに鍵の受け渡しを省くことも可能です。
2-2.開閉センサー
https://www.youtube.com/watch?v=T_VMxzYIICQ&feature=emb_logo
開閉センサーとは、磁力センサーなどでドアや窓の開閉状況を感知するシステムのことを言います。
開閉センサーはIoTが有名になる前から存在した技術で、店舗や倉庫などで業務用として利用されていました。
しかし近年では、スマートフォンやWi-fi通信の普及によって、住宅分野での活用が広がっています。
IoT化された開閉センサーでは、スマートフォンなどから開閉回数や状況を確認することが可能です。
KDDIが提供する住宅のIoT化サービス「au home」では、開閉センサーを提供しています。
設置した窓やドアの開閉状況をリアルタイムにスマートフォンへ通知できるほか、温度・湿度・照度などの情報もスマートフォン上から確認できます。
2-2-1.メリット
開閉センサーを設置すると、次のようなメリットがあります。
- ドアや窓の閉め忘れを防止できる
- 遠隔地から家の状況を把握できる
- セキュリティの強化に役立つ
スマートフォンなどのデバイスから開閉状況を一目で確認できるため、開けっ放しや閉め忘れなどを防げます。また、鍵の開閉履歴を確認することで、現地にいなくても家族の帰宅状況や安否確認などが可能です。
業務用途としては、セキュリティの強化に役立ちます。重要書類や危険物を管理する建物・部屋に開閉センサーを取り付ければ、いつ誰が出入りしたかの履歴を取得することも可能です。
2-3.スマートスピーカー
スマートスピーカーは、音声操作に対応したAIを搭載しているスピーカーです。
対応の家電や設備とスマートスピーカーをネットワークで結べば、対話形式でさまざまな機器を操作できます。また、音楽を流したり、メールやチャットを送受信したりすることも可能です。
スマートスピーカーは、2014年にアマゾンが「AmazonEcho」を発売したこときっかけに普及し始めました。
今では、グーグルの「Google Home」、アップルの「HomePod」など他の大手IT企業も参入しています。国内ではLINEの「Clova WAVE」が有名です。
これらのスマートスピーカーは、自宅のスマート化を図る人が導入しているほか、最近では賃貸物件に備え付けられるケースも増えています。
2-3-1.メリット
スマートスピーカーには、次のようなメリットがあります。
- 生活が便利になる
- スマートホーム化を促進できる
- 身体の不自由な方でも操作できる
スマートスピーカーは、一台でさまざまな機器を操作できるため、リモコンのような役割を果たします。生活の利便性が上がるのはもちろん、賃貸物件や自宅をスマートホーム化する際にも役立つでしょう。
また、自分の声だけで操作できるため、身体の不自由な方や高齢者でも簡単に使えます。住宅のバリアフリー化にも役立つ製品です。
2-4.スマートリモコン
スマートリモコンとは、さまざまな家電のリモコンを1台に集約できる製品のことです。
Wi-Fiを通じてスマートフォンからスマートリモコンに指示を出し、スマートリモコンから発する赤外線で各家電を操作します。
リモコンの統一や、遠隔での家電操作といった分かりやすいメリットがあるため個人所有の住宅、賃貸住宅ともに導入が増えているIoTです。
日本国内でも多数のスマートリモコンが市販されています。有名なものとしてはNature株式会社の「Nature Remo」があげられるでしょう。
壁掛けで設置するタイプで、エアコンやテレビ、照明など、国内外のメーカーに対応しています。
温度・照度・人感センサーが備わっているため、特定の温度でエアコンを自動で起動したり、人がいない場合に家電の電源を自動で切ったりといった設定も可能です。
2-4-1.メリット
スマートリモコンには、次のようなメリットがあります。
- 生活が便利、快適になる
- 家電の消し忘れを防止できる
- 高齢者やペットの見守りにも使える
リモコンをスマートフォンにまとめられるため、個々の家電のリモコンを管理する手間が省けます。
また、屋外からの遠隔操作もできるため、消し忘れた家電の電源を切ったり、帰宅前にエアコンを付けて部屋の温度を快適な状態にしたりすることも可能です。
センサーが内蔵されているタイプの製品であれば、人や動物の動きを察知できるため、高齢者やペットの見守り用途でも使えます。
2-5.ワイヤレスモニター付テレビドアホン
https://www.youtube.com/watch?v=NwJ5L-5pSQ4&feature=emb_logo
ワイヤレスモニター付テレビドアホンとは、離れた場所からも画面を確認できるインターホンです。
室内のモニターから訪問者の映像を確認できるインターホンは昔からあります。しかし、IoTを活用したインターホンでは、インターネット接続により離れた場所に置いたモニターやスマートフォンからも映像を確認できます。
Panasonicの「VL-SWD505KS」という製品では、インターホン本体の画面はもちろん、子機モニターや専用アプリをインストールしたスマートフォンからも訪問者を確認し、通話できます。
また、同社の「VL-SGZ30」という製品は、自宅のWi-Fiを利用することで配線工事なしで取り付けられるため、賃貸物件での導入が増えています。
2-5-1.メリット
ワイヤレスモニター付テレビドアホンには、次のようなメリットがあります。
- 防犯を強化できる
- 低コストで後付けできる
離れた場所からも映像を確認できるため、防犯の強化に役立ちます。お年寄りや子どもの留守番時でも、別の家族がスマートフォンで来訪者に対応することも可能です。
配線なしで設置できるタイプの製品であれば、壁に穴を開けるなどの工事が必要なく、簡単に後付けできます。設備が古い賃貸物件でも、低コストで防犯性を上げることが可能です。
2-6.ネットワークカメラ
ネットワークカメラとは、インターネットに接続できる室内用カメラのことです。スマートフォンなどの個人が持つデバイスでも映像を確認できます。
室内用カメラといえば、以前は業務用の防犯カメラがほとんどでした。しかしカメラ本体が小型軽量かつ安価になったことや、スマートフォンが普及したことにより、住宅分野でも導入が進んできました。
中には、株式会社グローバル・コンストラクションの「IPCM-LD/IPCM-DW」のような、電球一体型の製品もあります。
取り付けも簡単で、音声を含めて映像を24時間録画。スマートフォンで映像を確認できるほか、電球や録画のON・OFFを遠隔で操作できる機能も搭載されています。
2-6-1.メリット
ネットワークカメラには、次のようなメリットがあります。
- 防犯を強化できる
- 低コストで後付けできる
- メンテナンス性が高い
外出先から自宅の様子を確認できるため、防犯性を高められます。
また、インターネットに接続するため配線が少なく、設置の際に大掛かりな工事が必要ないことも大きなメリットです。従来の監視カメラよりも低コストで導入でき、メンテンス性も高いと言えます。
2-7.スマート宅配ポスト・宅配ロッカー
スマート宅配ポスト・宅配ロッカーは、センサーやインターネットを活用してIoT化された宅配ポストです。
従来の宅配ポスト・ロッカーとの違いは、届いた荷物を感知し、スマートフォンなどへ通知できる機能にあります。荷物が届いたかを確認する際に、宅配ボックスをわざわざ開ける必要がありません。
通販の利用者が増えた現在、このようなスマート宅配ボックスが備え付けられる不動産物件が増えてきました。
有名な製品としては、LIXIL株式会社の「スマート宅配ボックス」があげられます。荷物が届くとスマートフォンに通知がくるのはもちろん、カメラを通して配送業者の様子をリアルタイムで確認することが可能です。
2-7-1.メリット
スマート宅配ポスト・宅配ロッカーには、次のようなメリットがあります。
- スムーズな荷物の受取・集荷が可能
- 物件のアピールポイントになる
- 防犯を強化できる
不在時でも荷物を受け取れることはもちろん、集荷への対応も可能です。
ネット通販を利用する機会の多い若年層向けの物件に設置すれば、居住者の利便性が高められ、物件の付加価値も上がるでしょう。
また、映像や音声で配送業者と会話できるタイプの製品であれば、宅配業者を装った不審者をシャットアウトでき、子どもの留守番時なども安心です。
2-8.スマートHEMS
https://www.youtube.com/watch?v=FdBbMQarwWI&feature=emb_logo
スマートHEMSとは、住宅での省エネを実現するシステムです。
そもそもHEMSとは、電気やガス、水道などの使用量を感知し、エネルギー消費量を自動で制御するシステムのことを言います。HEMSという呼び名は、「Home Energy Management System」の略です。
このHEMSにIoTを活用したものが、スマートHEMSです。
従来のHEMSは、家電や設備をシステムに有線接続する必要があったため、普及が進んでいませんでした。
しかしスマートHEMSでは、家庭のWi-Fi環境やスマート家電の機能を利用することで無線接続が可能となりました。その結果、導入コストが下がり、普及が進んでいます。
「PanasonicのスマートHEMS」のような家庭向けサービスを提供する企業も増えており、今後もHEMSを導入する住宅は増えていくと予想されます。
2-8-1.メリット
スマートHEMSには、次のようなメリットがあります。
- 光熱費を削減できる
- 家電を遠隔操作できる
最近ではAI技術の発達でスマートHEMSの性能も向上しており、より多くの光熱費を削減できます。
また、スマートHEMSはインターネットに接続しているため、外出先からスマートフォンで家電を操作することも可能です。
2-9.スマートメーター
スマートメーターは、電気・水道などの使用量を計測できるデジタル式のメーターです。
従来のアナログ式のメーターと違い、計測データがデジタルのため電力消費量をリアルタイムに把握したり、遠隔地にデータを送ったりできます。
また、スマートHEMSを導入している場合はデータを連携でき、より精度の高い省エネ対策が可能です。
東京電力や関西電力など大手電力10社は、2024年度までにスマートメーターの普及率100%を目指していて、既存メーターからの取り替えが進んでいます。
(出典:電力10社、2024年度までにスマートメーター完全転換へ – 産経ニュース)
2-9-1.メリット
スマートメーターには、次のようなメリットがあります。
- 検針や設定の変更が簡単にできる
- 引っ越し手続きなどがスムーズに行える
- 物件管理を効率化できる
スマートメーターがあれば、作業員が現地に出向いて検針や設定変更をする必要がありません。電気のアンペア数変更や引っ越し時の手続きも、遠隔でスムーズに行えます。
また、小規模マンションなどで、各戸に設置された私設メーターを貸主が検針している場合でも、検針業務を省略できます。遠隔でデータを取得できるため、管理業務を効率化することが可能です。
3.不動産業界でIot化が進むことのデメリットは?
不動産業界でIot化が進むことには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
具体的に言うと、セキュリティ面でのデメリットです。
たとえば、Iot化された設備につないだスマートフォンやパソコンを落とした場合、またはハッキングされた場合、次のようなリスクが予想されます。
- 暗証番号が第三者に知られてしまう
- 機器を勝手に操作される
- 機器の使用状況などプライバシー情報が流出する
- 設置したカメラの映像が流出する
システムや製品を提供するメーカー側も、指紋認証を導入するなどセキュリティ対策を強化しています。
しかし完全にリスクを取り払うことは難しいため、利用者自ら管理を徹底することが大切と言えるでしょう。
4.不動産業界のIoT活用事例を知れるイベント
IoTについて詳しく知りたい場合は、「不動産テックEXPO」という展示会イベントへの参加がおすすめです。
開催地 | 会場 | 日程 |
---|---|---|
大阪 | インテックス大阪 | 2020年9月9日(水)~11日(金) |
東京 | 東京ビッグサイト | 2020年12月2日(水)~4日(金) |
管理会社や仲介会社、物件オーナーなど不動産業者向けのイベントとはなりますが、会場では新技術が多数展示されています。
IoT分野はもちろんIT・AI・VRなどの不動産テック企業が出典していて、各企業の担当者から話を聞け、導入の相談なども可能です。
事前に公式サイトから招待券を申し込めば無料で入場できるので、興味のある人はぜひ参加してみてくだい。
5.「不動産 IoT」のまとめ
IoTとは、各種のセンサーやAI、インターネットを活用して設備や家電を遠隔で操作したり、管理・制御したりする技術のことを言います。
不動産業界の中でも、とくに住宅関連はIoT導入が増えている分野です。IoTを導入すると居住者の利便性を高められたり、それにより物件の価値を高められたりするメリットがあります。
不動産にテクノロジーを活用するこのような流れは「不動産テック」と言われ、近年になって急速に拡大してきました。
不動産業界で最新技術(IoT, VR)を活かした企業に興味がある方
世界の不動産テック市場はどんどん拡大しており、今後の日本の不動産業界でも最新テクノロジーの活用は大きなビジネスチャンスとなるでしょう。
もし不動産業界への就職・転職を考えているのであれば、不動産テック企業への応募も検討することをおすすめします。
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