不動産の内覧はVRが増加中!活用事例やメリット・デメリットを解説
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不動産業界で活用されているVRサービスを体験されたことはあるでしょうか?
現在、不動産業界では、IT技術などのテクノロジーが営業サービスに、大いに活用されています。
中でも、賃貸・売買仲介・管理などの分野で内覧サービスを行う際に、VRサービスを利用する会社が大手を始め、増加中です。
今回は、人との接触が制限されているコロナ禍の中で、大いに活用できるVRサービスについて詳しく解説をしていきます。
時間の短縮や現地までの移動の手間が省けるVRサービスについて、活用事例やおすすめのサービス、メリット・デメリットを一挙公開していきましょう。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
この記事・サイトの監修者
棚田 健大郎
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有
不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。
1.不動産業界でのVRの活用事例【内見・内覧】
近年、不動産業界ではVRの活用が進んでいます。
不動産VRとは、WEB上で360度建物の外観、内観、周辺環境をヴァーチャルリアリティで見回せるサービスのことです。
内見や内覧にVRが使われ始めてからは、わざわざ現地まで行かなくても、部屋の様子が見られるので、遠方に住んでいる人や忙しい人に好評のサービスとなっています。
現在では賃貸仲介、売買仲介、賃貸管理の分野で活用が進んでおり、VR内見をした人のうち、約4割は実際に内見をしない人がいるというデータもあるくらいです。
新型コロナの影響で、今後も不動産VRは増えていく可能性が高いサービスとなっていくことでしょう。
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1-1.VRとは
VRとは、英語のVirtual Realityの略語であり、日本語としては、仮想現実や人工現実感などの意味合いです。
現場にいなくても、あたかもそこに自分がいるかの様な感覚を味わえるサービスで、不動産以外にも、ゲーム、映画、エンタメ、医療・介護、教育、観光、広告、ショッピング、インテリア、自動車など、様々な業界で浸透しています。
VRを利用した内見では、写真をクリックすると物件の360度のパノラマが見れるようになります。
調査会社IDCが昨年発表した内容では、2022年の市場規模が13兆円になるともいわれ、VRを活用した不動産サービスは、今後も拡大していく兆しです。
1-2.ARとの違い
同じ視覚を利用したサービスとして、よく並べられるのがARのサービスです。
違いとしては、VRは閉ざされた世界に現実性を高めた視覚映像を投影する「仮想現実」ですが、ARは実在する風景にバーチャルな視覚情報を重ねて表示することで、目の前の世界を「仮想的に拡張する」するものです。
ARを使った代表的なサービスに、スマホ用ゲームの「ポケモンGO」が挙げられます。
ポケモンがスマホの画面内に、実在する風景に重なって表示され、まるで、ポケモンたちが現実の世界に出現したかのような錯覚を起こさせるのです。
不動産サービスの活用例としては、実在の部屋に仮想のインテリアを置いてリアルな空間を体験することや、実在する土地に仮想の建物を建築して、周囲との調和や風景などを確認することなど、様々なサービスが楽しめます。
2.不動産業界でVRサービスを提供している会社・サービス事例
ここでは、実際に不動産業界でVRサービスを提供している会社やサービス事例をご紹介していきます。
2-1.①THETA 360.biz
THETA 360.bizは、株式会社リコーが提供しているVRサービスです。
RICOH THETAで撮影した360°画像を使用し、どなたでも簡単に360°コンテンツを制作、公開ができます。
アプリで撮影した360°画像をそのまま利用もできますが、パソコンで編集したクオリティの高いVR画像も作成可能です。RICOH THETAさえあれば、その他に特別な機材は必要ありません。
リコーならではの画像処理技術とAI技術を組み合わせた魅力的な機能が満載。AIによる超解像や明るさ補正など、クラウド側で自動的に画像を補正してくれるので、きれいなVR画像が手間をかけずに作成できます。
現在、三菱地所レジデンスなど、導入企業が7000社以上となっている人気のVRサービスです。
2-2.②Spacely(スペースリー)
Spacely(スペースリー)は、株式会社スペースリーが開発したVRサービスで、360度写真や動画を使った高品質なVRコンテンツを、誰でも直感的に制作、編集、管理ができるクラウドソフトを提供しています。
作成方法は、パノラマ写真を撮影してクラウドにアップロードするだけ。編集作業をAIがサポートし、明るさや傾きなどを補正して、高品質のVRコンテンツが自動作成できるのです。
また、AI画質処理や顧客視線データ分析など、最先端技術がシンプルな操作で活用できます。
スマホと360°カメラだけで、すぐに利用が可能です。7日間の無料トライアルもありますので、試してみてはいかがでしょうか。
スペースリーの利用事業者数は、ここ3年半で東急不動産など4000社以上の顧客を獲得しています。充実したサポートが好評な不動産分野では、特にサービス継続率が高いです。
2-3.③VRROOM
VRROOMは、AR 株式会社が提供している不動産に特化したVR作成アプリです。
不動産向けに開発されているアプリで、明るく見やすいVR画面を簡単に作成できます。
VRROOMのVRは、ゴーグルをしなくても(対応は可能)スマホの画面だけで、手軽に物件の内容を伝えられるのがメリットです。
また、撮影したVR画像をデータ化してお客様のPCなどに送付できるので、店舗で決められなかったお客様が自宅でゆっくりと検討し、成約率が高まる事例も見られます。
2-4.④PANOCLOUD 360(パノクラウド360)
PANOCLOUD 360(パノクラウド360)は、TOPPANが提供しているVRサービスです。
臨場感があふれるパノラマVR画像が、PANOCLOUD360を使うだけで誰でも簡単に作成でき、パソコンやスマホなどマルチデバイスに対応していますから、高精細なパノラマを簡単にボタン一つで公開・更新できます。
生成されたVR画像はIFRAMEでのページ埋め込みやFacebook、Twitter、LINEへの共有もOKで、手軽にSNSでの情報共有が可能です。
低価格かつ柔軟な価格設定もうれしいポイント。1アカウントあたり、初期費用0円で月額20000円から始められます。
手軽にVRを体験できる紙製のヘッドマウントディスプレイ「VRscope®」も併用可能です。
VRscope®は、映像コンテンツの再生にスマホを使用するので、配線が必要ありません。持ち運びが自由で、ハードの製造コストが安価なのが良い点です。
2-5.⑤ZENKEI 360
ZENKEI 360は、全景株式会社 (ZENKEI Corporation)が提供するVRサービスです。
RICOH THETAで360°で空間撮影した画像を、アップロードする際に自動でパノラマ変換し、クオリティの高い画像を作成します。
自社の営業活動の一環として、Webコンテンツとして利用すると、臨場感あふれる画像をお客様に見せることができます。
スマホやVRゴーグル表示に対応しており、VRゴーグルの装着によって、さらに「まるでその場にいるようなリアルな空間」の提供が可能です。
ウォークスルー機能搭載で、パノラマ映像の中を自由に動き回ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=labn-JVUJQE&feature=youtu.be
2-6.⑥VR内見®
NURVE(ナーブ)は、賃貸管理・仲介会社様向けサービスとして、VR内見®を提供しています。
VR内見®は、店舗へ来訪されたお客様をバーチャル内見で接客し、案内の効率化が可能になるサービスです。
お客様が見ている映像を、ナーブの独自機能を利用したスタッフが同時に視聴・操作し、業務時間の短縮と成約率アップを目指します。
また、このサービスを応用した「パノラマオンライン商談ツール™」「おうちでVR内見™」も好評です。
「パノラマオンライン商談ツール™」は、新しく開発したWeb完結のビデオ通話ツールで、オンラインでお客様に接客しながらパノラマ画像で360度の内見を案内できます。画面共有も可能な画期的なサービスです。
「おうちでVR内見™」は、お客様の自宅までVRゴーグルを届け、同封されたタブレットを使用して、お客様とオンラインで接客。お客様が自宅でVR内見できるサービスです。
NURVE(ナーブ)の詳しい内容はこちら!デモ体験もできます!
2-7.⑦不動産VR
不動産VRは、株式会社VRが提供しているVRサービスで、オンラインで360度建物の外観、内観、周辺環境をヴァーチャルリアリティで閲覧できます。
CGを駆使して何もないところに、仮想の建物を創ることができ、周辺にある道路や施設を360度カメラで撮影しますので、現実に存在しているような画像をお客様に見せることが可能です。
2018年に開発した新規サービス「かぐおくん」は、何もない部屋の中に素敵な家具(注:CGで作成)を配置してくれる優秀なコーディネーター。部屋の360°写真があれば、1枚につき、9,800円(税抜)で家具を配置したリアルな画像を納品してくれます。
家具付きだと部屋のイメージが湧きやすくWeb上で内覧できるので、実際には内覧をしなくても、モデルルームのような満足感が得られるため好評です。
2-8.⑧内覧くん
内覧くんは、株式会社アイプランが提供している不動産向けの内覧システムです。
「空間」と「情報」を組み合わせて、効果的な営業戦略を狙います。
依頼に応じてプロのカメラマンが、360度専用カメラで高品質の画像を撮影し、精度の高い画像でリアルな空間を創り上げます。
最寄り駅から現地の道案内を表示したマップと連動しており、立地や距離感まで、まるで現地にいるかのように体感できるサービスも好評です。
ヘッドギアを使用すれば、店舗だけでなく建築現場やお客様の自宅でもVR内覧ができます。
真新しいサービスの一つにドローン撮影画像を利用したものがあり、マンション等の各階からの眺めも確認が可能です。
3.不動産業界でVRを導入するメリット・デメリット
近年、VR内覧は不動産賃貸の仲介、管理、売買などの物件案内にますます活用されています。
VR内覧によるメリットとデメリットをまとめた表がこちらになります。
VR内覧のメリット | VR内覧のデメリット |
---|---|
物件に行く必要がない。 | 部屋の細かい状況が分からない |
時間、場所など関係なく内覧可能 | 周辺環境が分からない |
入居している人がいても内覧可能 | VRで酔うことがある |
従業員の業務効率が大幅に上がる | |
集客効果がある |
ここでは、不動産業界でVRを導入するメリット・デメリットについて、それぞれ詳しくご紹介していきましょう。
3-1.メリット
VRを導入することにより得られるメリットはこちらになります。
3-1-1.メリット①物件に行く必要がない。
まず、一番のメリットは、物件に行く必要がないことです。
かつては不動産の物件内覧というと、遠方に住んでいるお客様の場合、わざわざ現地の不動産屋さんで待ち合わせして、営業マンが車で案内をしていました。
この場合、お客様の方も大変ですが、業者の方も車を出してお客様を運ばなければならないため、非常に手間がかかります。
VRならば、不動産屋さんの店舗で内覧ができるため、お互いに労力を使わなくても済むのです。
3-1-2.メリット②時間、場所など関係なく内覧可能
時間や場所に関係なく、いつでもすぐに物件が内覧できるのも大きなメリットです。
VRサービスなら、不動産会社の店舗ですぐに内覧できるため、1日に何軒も見ることができます。移動時間がかからないため、時間のスケジュール調整も必要ありません。
特に転勤などで、遠方の物件を内覧したい場合におすすめです。
3-1-3.メリット③入居している人がいても内覧できる
あらかじめ退去時期がきまっている物件の募集では、「内見をしたくても入居者が退去前のため内見ができない」ということがあります。
VRサービスを活用すれば、物件がバーチャルリアリティの情報にされているため、入居している人がいても内見できるのがメリットです。
VRでお客様が早めに物件を検討できるため、退去前からお客様が決まるまでの物件の空室期間を短くできます。
3-1-4.メリット④従業員の業務効率が大幅に上がる
わざわざ現地に行く必要がないため、1日に何軒もお客様に内覧をしてもらうことができます。
そのため、一度の接客で内覧をたくさんこなすことができるため、成約率アップが見込めるでしょう。
また、バーチャルリアリティを利用した内見なら、居室内の位置関係、コンセントの配置、エアコンの設置などの細かい情報までわかりますから、お客様の問い合わせにも即座に対応ができます。
仲介業者だけでなく、不動産管理の事業者にもVR内覧のメリットが大きくあり、最初にお客様や仲介業者に確認してもらうことで、その後の問い合わせの件数が格段に少なくなるのが良い点です。
3-1-5.メリット⑤集客効果がある
VR内覧は、最新の技術を応用した画期的なサービスのため、不動産会社の集客アップにも大いに役立ちます。
近年では、不動産会社に行く前に、ネットで物件を探す人が若い世代を中心に多いようです。VR内覧を取り入れている不動産会社では、オンラインで来訪した人が閲覧する時間が30%以上増加し、閲覧ページ数も60%以上増加したという事例も見られます。
ネットで海外の人向けに物件情報を発信できたり、店舗の広告POPにも目新しくPRできたり、様々な集客効果が得られるサービスです。
3-2.デメリット
様々な集客効果があるVRサービスですが、現実ではないゆえに起きるデメリットもいくつかあります。
ここでは、VRサービスを利用した場合のデメリットをご紹介していきましょう。
3-2-1.デメリット①部屋の細かい状況が分からない
VR内覧は、パソコンやスマホの画面越しに画像を見るため、フローリングの傷など細かい欠損が見えないことがデメリットです。
その他に、周辺の騒音や、部屋の中の日当たり具合、家電の調子や匂いなど、その場に実際にいないと分からないこともあります。
襖やドアの建付けなども確認できないため、実際に住んでみたら、使いづらい場合も考えられるでしょう。
3-2-2.デメリット②周辺環境が分からない
VR内覧で、建物の外観などが分かったとしても、周辺環境までは詳しく分かりません。
現地で内覧をした場合は、周辺環境が静かなのか、隣近所の住民はどのような人なのか、近所にスーパーやコンビニなどがあるのかなど、大抵の状況が分かります。
しかし、VR内覧では、部屋の内部や外部の映像しか見られないため、現地の住環境までは分からないのがデメリットです。
3-2-3.デメリット③VRで酔うことがある
VR機器で専用ゴーグルなどを使用した場合、重さや圧迫感で疲れてしまう方もいます。
また、体質によってはVR映像を体験すると「VR酔い」をしてしまう方もいるため、お客様によっては、何軒もこなせないこともあるようです。
VRが苦手なお客様には、なるべくスマホやパソコンなどで、手短に確認をしていただくことをおすすめします。
4.「不動産 VR」のまとめ
今回は、不動産営業を効率的に行える画期的な技術である「VR内覧」について詳しく解説をしていきました。
VRサービスは、メーカーや観光業界など、様々な業界で活用されているサービスですが、特に不動産業界においては、コロナ禍で人との接触が危ぶまれる中、大変便利なサービスとなっています。
VRを活用すると、時間や手間がかなり省けるため、サービス事業者と消費者の双方に大きなメリットを与えてくれます。
これからは、不動産業界もVRサービスのような最新技術を大いに活用し、他社との差別化を図ることが重要です。
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