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不動産営業が覚えることは?押さえておきたい5つの基礎知識【未経験〜初心者】

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「宅建士として働いている人たちの数」をご存知ですか?

宅建に合格した人のうち、実際に「宅地建物取引士証」の交付を受け、宅建業に従事している人の数は、2021年度末の時点で 340,114人と発表されています。

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建システムの概要

この34万人の中には、不動産営業マンとして成功している人もいれば、そうでない人もいます。「これから不動産営業で活躍したい!」という人なら、「どうしたら営業マンとして成功できるのか」「営業で成果を出すには、何を学んだ良いのか」など、気になる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、不動産業界で「未経験の人」「初心者の人」を対象に、「不動産営業マンが覚えるべきこと」を解説します。取り上げるジャンルは次の5つです。

  1. 不動産に関する知識
  2. 金融に関する知識
  3. 法律に関する知識
  4. 営業に関する知識
  5. ビジネス一般の知識

とはいえ、その中身は膨大です。「どうやって手をつければよいのだろう?」と思う人もいるはずです。そこで上の5つの内容を解説したあと、

  • 学習方法
  • 優先順位

についても説明します。

これを読めば「不動産営業マンが覚えるべきことは何か」「学習の方法」「優先順位の考え方」が、しっかりと理解できるはずです。

監修者棚田健大郎

この記事・サイトの監修者

棚田 健大郎

保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有…続きを読む

不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。

監修者棚田健大郎

この記事・サイトの監修者

棚田 健大郎

保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、FP2級など多数保有…続きを読む

不動産業界歴10年以上。元上場企業不動産会社エイブルの営業マン。3000人の社員の中で、仲介手数料売り上げ金額第1位となるトップセールスを記録。個人のYouTubeチャンネル“棚田行政書士の不動産大学”では、登録者数20万人以上。

目次

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

「不動産営業マンが覚えるべきこと」には、さまざまなものがあります。

不動産営業の「未経験者」「初心者」なら、ぜひ早期におさえておきたいのが、次の5つです。

  1. 不動産に関する知識
  2. 金融に関する知識
  3. 法律に関する知識
  4. 営業に関する知識
  5. ビジネス一般の知識

これら5つは「覚えるべきもの」であり、また顧客から「求められるもの」でもあります。量は多いですが、マスターすればするほど、営業結果につながるはずです。

一つひとつを丁寧にチェックしていきましょう。まずは全体像から見ていきます。

1-1.不動産に関する知識

1つ目は「不動産に関する知識」です。たとえば次のような内容があります。

  1. 不動産業界の仕組み
  2. 仕事の流れ
  3. 用語・単語
  4. 地域特性
  5. 建築に関する知識

不動産の世界で活躍したいなら、不動産の基礎をおさえておくのは必須です。それぞれの内容については追って説明をします。

1-2.金融に関する知識

2つ目は「金融に関する知識」です。

具体的には「不動産の購入にまつわる資金計画」が該当します。たとえば次のような内容です。

  1. 資金計画の作り方
  2. ローンに関する知識
  3. 保険に関する知識

不動産は、一生に一度あるかないかという高額な買い物です。そして、その実現を強力に支えてくれるのは「資金計画」です。

とはいえ「金融の知識」は、厳密には「不動産知識」とは別の知識です。必ずしも詳しくなっておく必要はありませんが、多くの顧客が頭を悩ませる分野であることは間違いありません。

金融分野に精通していれば、きっと顧客の信頼を勝ち取ることができるはずです。

1-3.法律に関する知識

3つ目は「法律に関する知識」です。

不動産は高額な買い物だと言いましたが、それゆえに、たくさんの法律が存在します。トラブルを未然に防ぐため、さまざまな法律が整備されているのです。

そのため、法律に関する知識があれば、顧客を守ることにもつながります

実際、宅建士の試験を見ると、宅建業法や民法、借地借家法、不動産登記法、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、農地法など、たくさんの法律問題が出題されていることがわかります。

法律は苦手意識をもつ人も多い分野です。もし担当の営業マンが法律に詳しければ、顧客としても安心して相談することができるのではないでしょうか。

1-4.営業に関する知識

4つ目は「営業に関する知識」です。

後ほど紹介しますが、成功している不動産営業マンは、必ずしも不動産に詳しいとは限りません

不動産知識が不足していても、営業力が高いために簡単に成約できてしまうというケースが意外とあります。営業力としては、たとえば以下のような内容があります。

  1. 自社商品の特徴
  2. お客様のニーズ
  3. アポ獲得方法
  4. 商談方法
  5. クロージング方法
  6. フォローアップ方法
  7. クレーム対応方法
  8. 雑談に使えるネタ
  9. 先輩の成功事例【トークスクリプト】

営業の知識やノウハウは、一朝一夕に身につくものではありません。時間をかけて慣れているべきこともあります。しかし、うまく使いこなせるようになると、自然と契約数は上がっていくはずです。

1-5.ビジネス一般の知識

最後の5つ目は「ビジネス一般の知識」です。本記事では、以下の4つのマナーを取り上げます。

  1. ビジネスマナー
  2. 電話対応方法
  3. メール方法
  4. 接客方法

マナーは「当たり前」と軽視されがちですが、マナーが契約を成否することもありえます。軽んじることなく、ぜひ改めて基礎からチェックしておきましょう。

今回の記事では、上の5つのジャンルについて解説したあと、それぞれの「学習方法」「優先順位」を紹介していきます。ぜひ最後まで、ご覧ください。

2.不動産営業マンが覚えること【不動産知識】

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

不動産営業マンが覚えることの1つ目は「不動産に関する基礎知識」です。

もし営業マンとして早期に活躍したいなら、まず以下の5つは、できるだけ早めに押さえておきましょう。

  1. 不動産業界の仕組み
  2. 仕事の流れ
  3. 用語・単語
  4. 地域特性
  5. 建築に関する知識

2-1.不動産業界の仕組み

まず最初におさえておくべきことは「不動産業界の仕組み」です。

不動産業界の市場規模約5.3兆円です。業界の構造としては非常に幅が広く、さまざまな種類のビジネスから構成されています。なかでも、メインとなるのは以下の3つです。

  1. 不動産開発
  2. 不動産流通(売買・賃貸などの仲介)
  3. 不動産管理

1つ目の「不動産開発」は、土地や建物の仕入れの段階にあたります。新築マンションや新築オフィスビルなど、自ら物件を開発するのが主な役割です。

2つ目の「不動産流通」は、売主と買主、貸主と借主の間に立って、取引の仲介を行うのが仕事です。具体的には、「売りたい」と「買いたい」という関係や、「貸したい」と「借りたい」という関係をつなぎ、成約手数料を得るというモデルです。

3つ目の「不動産管理」は、物件のメンテナンスを行います。マンションの清掃や修繕、入居者からのクレーム対応などがあります。

なお、この3つの構造は、不動産業界の仕組みを簡略化して説明したものにすぎません。実際は、より複雑です。

そんな不動産業界の仕組みについて、わかりやすくまとめたのが以下の記事です。現状の仕組みだけでなく、今後の展望についても整理してあります。ぜひチェックしてみてください。

不動産業界はどんな仕組みになっている?向いているタイプは?【今後の将来性や新型コロナの影響も分析】 |宅建Jobマガジン

2-2.仕事の流れ

2つ目は「仕事の流れ」です。

「売買」でも「賃貸」でも、平均的な営業マンの「仕事の流れ」は、ほぼ共通しています。

基本的には、

  1. アポイントの獲得
  2. 要望点のヒアリング
  3. 物件の提案と案内
  4. クロージングして契約

というイメージです。

また、平均的な営業マンの「一日の流れ」は、以下の通りです。

  1. 出社
  2. 事務作業
  3. アポイントの獲得・管理
  4. ランチ休憩
  5. アポイント相手との面談
  6. 帰社
  7. 事務作業
  8. 退社

もちろん、営業マンによって仕事内容は異なります。上記の流れは、あくまでも平均的な事例とイメージしてください。

より詳しいことは、以下のページでも解説しています。平均的な営業マンの仕事の流れが気になるという人には、参考になるはずです。

不動産営業マンの一日は忙しい?スケジュール・業務内容を解説【新人の場合は?】 |宅建Jobマガジン

2-3.用語・単語

3つ目は「用語・単語」です。

不動産ビジネスには、さまざまな専門用語があります。最初はとっつきにくい用語も多いはずですが、仕事を進めていくうちに、業界での会話を通じて次第に慣れてきます

ただし、もし早期に活躍したいなら、意識して早めに学習してしまうことをオススメします。早めに覚えてしまうほど、現場で交わされる会話の内容が、より早く理解できるようになるからです。

逆に言えば、基本的な用語をおさえておかないと、会話についていけなくなる可能性が高いです。

また、もし「宅建士」の資格をもっていないなら、ぜひともチャレンジすることをオススメします。合格に向けた学習をする過程で、基礎的な用語が身につけられるからです。

なお、さまざまな用語のうち「不動産開発」「不動産流通」「不動産賃貸」「不動産管理」について解説したのが次の記事です。こちらも、ぜひチェックしてみてください。

不動産業界の職種は4種類!仕事内容・平均年収も解説! |宅建Jobマガジン

2-4.地域特性

4つ目は「地域特性」です。

不動産営業では、「特定の地域にどれだけ精通しているか」が勝負を決めることが少なくありません。

たとえば、お客様からエリアの住環境を尋ねられたとき「知りません」では、話になりません

お客様は、さまざまなことが気になっているものです。たとえば、街の治安の状況はどうなっているのか、最寄り駅や都心部との乗り継ぎに不便はないか、住みやすさはどうなのか、などなど。

もし地域の情報に精通していれば、お客様からの信頼度も変わってきます

とはいえ、日本全国に詳しくなるのは不可能です。まずは自分が得意にすべきエリアを定め、徹底的に詳しくなりましょう。

オンラインの地図でチェックするだけでなく、実際に街へ行って、歩き回るのがオススメです。同じ場所でも、朝、昼、夜で異なる表情があります。繰り返し散策することで、自然と詳しくなれるはずです。

2-5.建築に関する知識

5つ目は「建築に関する知識」です。

不動産の営業マンは、「売りたい」と「買いたい」をつないだり、「貸したい」と「借りたい」を仲介するのが仕事です。みずから工事に携わることは無いので、建築に関する知識がなくても仕事はできます

しかし建築に関する知識があると、営業で有利にはたらきます。たとえばリフォームやリノベーションを検討しているお客様なら、建築資材や建築そのものについての知識が豊富な営業マンを頼りたいはずです。

また、宅建の試験でも「税・その他」の科目で、土地と建物に関する知識2問出題されます。

全50問のうちの2問なので、出題の比重は高くありません。しかし営業マンとして成功したいなら、建築に関する知識があると、なにかと便利です。ぜひおさえておきましょう。

3.不動産営業マンが覚えること【金融知識】

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

不動産営業マンが覚えるべきことの2つ目は「金融に関する知識」です。

不動産は、一生に一度あるかどうかという非常に高額な買い物です。多くの場合、ローンとセットで購入するため、金融に関する知識は不可欠です。

どのくらい借りられるのか、適正な借入限度はどれくらいか、金利や期間はどう設定すべきか、どこから借りるのがお得かなど、お客様は金融面でも多くの悩みを抱えているものです。

もし営業マンに金融知識があれば、お客様の悩みに対して丁寧なアドバイスができるため、信頼を勝ち取ることが可能です。

「不動産営業の分野で成功したい」なら、とくに次の3つの領域をマスターするのは必須です。どのような内容なのか、順番に解説していきましょう。

  1. 資金計画の作り方
  2. ローンに関する知識
  3. 保険に関する知識

3-1.資金計画の作り方

まず「金融に関する知識」として、まず最初におさえておきたいのが「資金計画の作り方」です。

居住用物件であれ、投資用物件であれ、不動産の購入には住宅ローンの利用がともないます。とはいえ、頭金ゼロで購入するという事例はほとんどありません一定の資金を頭金として用意しなければ、ローンの審査がおりることはありません。

そのため不動産を購入するためには、資金計画にもとづいた貯蓄が不可欠です。またローンを借りた後は、20年とか30年といった、長期スパンでの返済が待っています。

自らのライフステージにそって、無理のないかたちで返済をしていく必要がありますが、きちんとした資金計画があれば、難なくこなしていくことが可能です。

なお、個人の資金計画を支援したり、ライフイベントや人生設計を経済面からアドバイスするのが、ファイナンシャル・プランナーです。

不動産業界においても、その重要性が増しています。ファイナンシャル・プランナーの資格に興味のある人は、以下の記事もチェックしてみてください。

不動産業界でのFPの役割は?FPの資格は就職・転職に活きる? |宅建Jobマガジン

3-2.ローンに関する知識

「資金計画の作り方」をおさえたら、次に理解しておきたいのが「ローンに関する知識」です。

居住用物件を対象とする住宅ローンでも、また投資用物件を対象とする投資用ローンでも、ローンの制度そのものだけでなく、メリットやデメリットも含めて精通しておく必要があります。

まず、そもそもローンを借りられなければ物件を購入することはできません。また、余裕をもった返済ができなければ、物件を購入する意味がありません。

どこから借りるべきか、どのようなローンを組むべきか、といった点は、お客様によっても異なります。また、それらの判断基準に詳しいお客様は、意外と少ないものです。

そのため、住宅ローンに詳しくなるだけでも、他の営業マンより一歩抜きん出ることが可能です。ぜひ意識しておきましょう。

3-3.保険に関する知識

3つ目におさえておきたいのが「保険に関する知識」です。

住宅購入には保険がつきものです。まず物件の購入にともない「火災保険」や「地震保険」などの損害保険に加入することになります。

また住宅ローンを組むときは、団体信用生命保険(団信)などの「生命保険」がセットになることが多いです。

住宅は大きな買い物です。また、保険は「いざ」という時のためのものです。もし「担当の営業マンが保険にも詳しい」ということであれば、お客様も、より営業マンを頼りたくなるはずです。

このような背景から、前述したように「ファイナンシャル・プランナー」の資格取得を目指す宅建士も少なくありません。もし不動産営業で成功したいなら、宅建士とのダブルライセンスもオススメです。

4.不動産営業マンが覚えること【法律知識】

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

不動産営業マンが覚えることの3つ目は「法律に関する知識」です。

不動産というと「お金」というイメージがあるかもしれませんが、不動産の契約において重要な地位を占めるのが「法律」です。法律に強くなっていると、営業活動においても有利です。

宅建の試験を見ても、たくさんの法律問題が出題されます。具体的に見てみると、まず宅建試験は、以下の4つの科目で構成されています。

  1. 宅建業法
  2. 権利関係(民法など)
  3. 法令上の制限
  4. 税・その他

全部で50問から構成されていますが、宅建業法だけでなく、民法借地借家法、不動産登記法、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、農地法など、さまざまな法律知識が問われています。

法律というと、とっつきにくいイメージをもつ人も多いかもしれません。しかし、これらの法律知識は、不動産の実務においても活かせます。早期に学習をして、少しでも早く慣れておくことが重要です。

5.不動産営業マンが覚えること【営業知識】

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

不動産営業マンが覚えるべきことの4つ目は「営業に関する知識」です。

意外に感じられる人もいるでしょうが、売れる不動産営業マンを見ていると、必ずしも「不動産知識に詳しい」とは限りません

契約を多く取ってくる営業マンの共通点「営業に関する知識やテクニックに長けている」という点です。営業知識は実践でも使えるため、ぜひ早期にマスターするようにしましょう。

今回の記事では、以下の9つの点を紹介します。

  1. 自社商品の特徴
  2. お客様のニーズ
  3. アポ獲得方法
  4. 商談方法
  5. クロージング方法
  6. フォローアップ方法
  7. クレーム対応方法
  8. 雑談に使えるネタ
  9. 先輩の成功事例【トークスクリプト】

5-1.自社商品の特徴

1つ目は「自社商品の特徴」です。

自分が売るものについては、誰よりも詳しくなっておく必要があります。たとえば商品知識がしどろもどろの営業マンがいたとして、誰が買いたいと思うでしょうか。

不動産営業なら、まずは自社の商品やサービス内容をしっかりおさえましょう。そして、よどみなく説明できるようになりましょう。先輩にお願いして、ロープレの練習につきあってもらうのも一つの方法です。

また不動産営業であれば、取り扱い物件そのものに詳しくなっておくことも重要です。

マンションを売りたいならマンションの特性に詳しくなりましょう。品川区の物件を売りたいなら、品川区の不動産事情に詳しくなりましょう。

ファミリー物件を売りたいなら、ファミリー物件の特徴、ワンルームとの違いなど、とにかく関連する知識に詳しくなることが大切です。

5-2.お客様のニーズ

2つ目は「お客様のニーズ」です。売れる営業マン「お客様のニーズを引き出す」ことに長けていますヒアリング能力が高いのです。

「売れる営業」というと「話がうまい」というイメージをもつ人もいるでしょう。しかし、寡黙な営業マンなのに、なぜか契約を多く取ってくるという人がいます。

彼らが営業現場で意識しているのは、「いかに、しゃべりまくるか」という点ではなく、「いかにお客様のニーズを引き出すか」という点です。

お客様の求めていることがわからなければ、どんなに提案をしても空振りしてしまいます。しかし、ニーズを的確につかむことができれば、それに即した提案をするだけで、契約につながります

ニーズをつかむ方法は、さまざまです。一朝一夕に身につくものではありませんが、経験を積み重ねたり、本で学んだりすることで学習できます。詳しくは「学習方法」の項目で紹介します。

5-3.アポ獲得方法

3つ目は「アポ獲得方法」です。不動産営業で成功したいなら、お客様とのアポイントを獲得することが欠かせません。

アポというと「電話」によるテレアポを連想しがちですが、アポイントをもらう方法は、他にもたくさんあります。アポの獲得方法に詳しくなっておくと、営業を有利に展開していくことが可能になります。

優秀な営業マンほど、さまざまな方法でアポを獲得しています。

  1. 電話
  2. メール
  3. SNS
  4. 飛び込み営業
  5. イベント参加
  6. 勉強会の開催
  7. 広告やポスティングの活用

このように、アポ取りには、さまざまな手法があります。「アポの獲得=電話」と考えていると、つい行き詰まりがちになりますが、さまざまな獲得手法を知っていれば、より積極的にアポを狙っていくことが可能です。

先輩に聞けば、社内にもたくさんの事例があるはずです。また書籍を通じて学ぶことも可能です。営業本については、後ほど紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

5-4.商談方法

4つ目は「商談方法」です。

「商談」というと難しく聞こえるかもしれませんが、「コミュニケーションのチカラ」と考えてみてください。具体的には、以下の流れが大切です。

  1. 会話を通じて信頼関係をつくり、
  2. ヒアリングを通じて相手のニーズをさぐり、
  3. 提案内容に耳を傾けてもらう

この流れをつくるには「コミュニケーションを通じて信頼関係を築く」ということが重要です。「心理学」を含んだ総合格闘技と言ってもよいでしょう。

5-5.クロージング方法

5つ目は「クロージング方法」です。契約をまとめるチカラと言っても良いでしょう。

クロージングというと、「うまくプレゼンして、なんとか言いくるめて、提案を飲んでもらう」というイメージをもつ人もいるかもしれません。

しかし、2つ目の「お客様のニーズ」で紹介しましたが、そもそも「契約に至る」ということは、「お客様の要望」と「提案内容」が合致したということを意味します。

そのため、クロージングの確率を高めたいなら、

  1. 的確にニーズをつかむこと。
  2. ニーズに応じた提案をすること。
  3. ニーズに合致した提案であることを納得してもらうこと。

という3つの点が重要です。「うまく言いくるめるチカラ」ではないということを覚えておきましょう。

5-6.フォローアップ方法

6つ目は「フォローアップ方法」です。

フォローアップは「後追い」とも呼ばれますが、具体的には「面談や商談後のアプローチ」を意味します。

たとえば、有名な手法としては、

  1. アポや商談のお礼の電話をしたり、メールを送ってみる
  2. 提案内容に対する感想を聞いてみる
  3. その後の近況を聞いてみる

などがあります。適切なフォローをすることで、契約率の向上が狙えます

ちなみに、営業マンによっては「契約した後のフォローアップ」も欠かさない人がいます。契約完了後も丁寧にフォローすることで人間関係をつなぎ、新たな顧客の「紹介案件」の獲得へとつなげる方法です。

5-7.クレーム対応方法

7つ目は「クレーム対応方法」です。

お客様からのクレームに適切に対応するチカラが身につくと、契約率は上がります。うまく対処することができれば、お客様との新たな信頼を勝ち取ることもできるからです。

クレームというとマイナスの意味でとらえられがちですが、見方を変えれば「お客様が営業マンを試している」とも言えます。

手厚い対応をすることにより「この営業マンは、そこまでやってくれるのか!」という反応を引き出すことができれば、次なる新たな契約の可能性につながります。

興味がある人は、ぜひ会社の先輩や上司にも聞いてみてください。「クレームに対応した結果、契約につながった」という社内事例は、いくつもあるはずです。

5-8.雑談に使えるネタ

8つ目は「雑談に使えるネタ」です。

すでに紹介したとおり、契約を得るには「お客様との信頼関係」が不可欠です。信頼関係の構築に欠かせないのがコミュニケーションです。

不動産に関する話題も大事ですが、ニュース、ゴルフ、野球、サッカー、趣味の話など、いかに雑談を交わせるかというのも大きなポイントです。

不動産営業の現場では、ついつい「提案内容」にばかり目が行きがちです。しかし、まずは「人と人との関係」を構築することに力を注ぎましょう。

話をしているうちに、お客様との間で意外な共通点が見つかるかもしれません。共通点が見つかれば、それだけで一気に仲良くなれたりするものです。

5-9.先輩の成功事例【トークスクリプト】

最後に9つ目として「先輩の成功事例」に学ぶことをオススメします。

何事もそうですが、成功したいなら「成功事例に学ぶ」のが早道です。たくさんの契約が取れる営業マンには、何らかの理由があります。それをじっくり学びましょう。

たとえば先輩の面談に同席することでも、たくさんのことがわかるはずです。

  1. 相手との信頼関係の作り方
  2. ニーズをつかむ方法
  3. 相手に刺さるトークのパターン(トークスクリプト)
  4. 効果的なプレゼンを行うための工夫

先輩の成功事例を間近に学ぶことができれば、「自分の営業にも活かしていこう!」という点がいくらでも見つかることでしょう。

6.不動産営業マンが覚えること【ビジネス知識】

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

不動産営業マンが覚えることの5つ目は「ビジネスに関する知識」です。ここでは次の4つのマナーを取り上げます。

  1. ビジネスマナー
  2. 電話対応方法
  3. メール方法
  4. 接客方法

それぞれについて、簡単に見ていくことにしましょう。

6-1.ビジネスマナー

1つ目は「ビジネスマナー」です。

マナーや礼儀は、営業において重要な要素を占めます。どんなに詳しい知識やスキル、ノウハウをもっていたとしても、マナーや礼儀がともなっていなければ、営業はうまくいきません

不動産営業は、非常に多くの方々を相手にするのが特徴です。「買いたい」「借りたい」というお客様だけでなく、「売りたい」「貸したい」というオーナーや管理会社とも話をする場面があります。

ちょっと失礼な対応をしただけで、せっかくの取引が台無しになってしまったら意味がありません

不動産営業で成功したいなら、知識やスキルだけでなく、ビジネスマナーの側面も、常に配慮するようにしておきましょう。

6-2.電話対応方法

2つ目は「電話対応方法」です。

不動産営業で成功したいなら「電話」に慣れておくのは必須です。

今日のビジネス環境は、オンラインミーティングリモートワークなど、デジタル技術の普及が急速に進展しています。しかし、不動産営業の世界では、今でも「電話」が大きな役割を果たしているのが実態です。

とはいえ「電話マナーなんて、すでに知ってるよ」と思うかもしれません。

  1. 挨拶をする
  2. 社名と個人名を名乗る
  3. 要件を簡潔に伝える
  4. 折返しの連絡を確認する

などなど、どれも基本のテクニックです。しかし電話に慣れてくると、次第にマナーが崩れてくることもあるものです。

不動産営業の成功には、基礎の徹底が欠かせません。時には同僚に依頼して「自分の電話対応に問題がないかどうか」をチェックしてもらうというのも、一つの方法です。

6-3.メール方法

3つ目は「メール方法」です。

メールも電話と同様で、ほとんどの人が慣れている手段かもしれません。しかし、不動産営業の世界に関するかぎり、意外と不慣れな人が少なくないのが実態です。

メールのマナーとしては、たとえば次のような点が挙げられます。

  1. 件名は、わかりやすく明確に
  2. 挨拶をする
  3. 社名と個人名を名乗る
  4. 要件を簡潔に伝える
  5. 誤字や脱字に気をつける
  6. レス(返信)は早めに
  7. 「電話よりメールで」というお客様には、できるだけメールで返信する

どれも基本的なマナーですが、件名の付け方が適当であったり、安易に電話で返信しようとする営業マンがいるなどの意見を耳にします。

一方で「メールではなく、電話をしてほしい」というお客様もいます。お客様の希望にあった接客方法を心がけるようにしましょう。

6-4.接客方法

4つ目は「接客方法」です。

ここでいう「接客方法」とは、電話やメールによる対応ではなく、リアルの対面での対応方法を指します。

これも、マナーとしては「当たり前」に感じられる内容かもしれませんが、気をつけるべき点としては、たとえば次のようなものがあります。

  1. 挨拶をする
  2. 社名と個人名を名乗る
  3. 接客テーブルまでご案内する
  4. お飲み物をお出しする
  5. 来店された理由やご希望の内容などを丁寧にヒアリングする
  6. 身なりや服装など、不快感を与えない対応をする

とくに「ヒアリング」にあたっては、聞くべき項目を整理した「ヒアリングシート」を準備しておくと良いでしょう。聞き漏らしを防ぐことができます。

また、接客方法は一朝一夕に身につくものではありません。慣れも必要なので、最初の頃は、上司や先輩にお願いして、ロープレによる練習を行うのもオススメです。

7.不動産営業マンが覚えること【学習方法】

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

不動産営業マンが覚えるべき知識として、以下の5つについて解説してきました。

  1. 不動産に関する知識
  2. 金融に関する知識
  3. 法律に関する知識
  4. 営業に関する知識
  5. ビジネス一般の知識

こうしてみると内容は膨大です。効率よく身につけるためには、どのような学習をしていくべきなのでしょうか。

今度はその「学習方法」について、以下2つのパターンに分けてご紹介します。

  1. 座学で身につける学習方法
  2. 実学で身につける学習方法

7-1.座学

まずは「座学」によって身につけるという方法です。ここでは「宅建を受ける」「本を読む」という2つの学習方法を紹介します。

7-1-1.宅建を受ける

不動産営業マンが覚えるべき5つの知識について、全体をマスターするのに効率の良い方法「宅建を受ける」というものです。

「宅地建物取引士試験」は、宅建士に必要な知識を問う試験です。試験はマークシート形式で全50問です。

コンパクトにまとまっているため、宅建の試験を攻略すれば、宅建士に必要な知識は自然と身につきます。実際に、宅建をもっていると不動産業界の転職を有利に進めることができます

たとえば以下の記事では、宅建士に特化した転職支援サービス「宅建Jobエージェント」で、実際に転職が決まった事例を使いながら、その理由や背景を解説しています。ぜひチェックしてみてください。

宅建は転職に有利!40代までなら未経験可能な理由と転職先を紹介! |宅建Jobマガジン

7-1-2.読書する

座学による2つ目の方法は「本を読む」ということです。

今回の記事で紹介している以下の5つの知識のうち、宅建学習を通じて学べるのは、①、②、③です。

  1. 不動産に関する知識
  2. 金融に関する知識
  3. 法律に関する知識
  4. 営業に関する知識
  5. ビジネス一般の知識

残りの ④、⑤を「座学」によって学ぶなら、手っ取り早いのは「読書」です。

「セミナーで学ぶ」という方法もありますが、中には数万円するようなものもザラにあります。それに対して書籍なら、わずか1,000円前後の投資で済ませることが可能です。

とはいえ、世の中にはたくさんの本があります。「どれを読んだら良いのか、迷ってしまう」という人も多いのではないでしょうか。

そこで「宅建Job」編集部では、「不動産営業マンにおすすめの本」を厳選し、以下の記事にまとめました。営業の達人が書いたノウハウ本を中心に、全部で15冊を取り上げています。ぜひチェックしてみてください。

不動産営業マンにおすすめの本を紹介!成果と年収を上げるコツが満載!【必読の1冊とは?】 |宅建Jobマガジン

7-2.実学

「座学」によって身につける方法を紹介してきましたが、もう1つの方法が「実学」によって身につけるという方法です。

わかりやすく言うと「実戦経験を通じて身につける」という方法です。さまざまな方法がありますが、オススメは以下の2つです。

  1. 先輩に同行して成功事例を真似る。
  2. ひたすら数をこなして試行錯誤する。

7-2-1.先輩に同行して成功事例を真似る

1つ目は「先輩に同行して成功事例を真似る」という方法です。ずばり「見て、真似て、盗む」というやり方です。

何かを学ぶ時、成功事例を真似るというのは、手っ取り早い方法です。とくに優秀な営業マンほど「丁寧に教える」というのが苦手だったりします。

ぜひ優秀な先輩をつかまえて、営業に同行させてもらいましょう。そして「これは真似しよう!」と思う点を見つけたら、どんどんメモしていきましょう。

  1. 挨拶
  2. 自己紹介
  3. ヒアリング
  4. 話の進め方
  5. メモのとり方
  6. お客様との対応方法
  7. お客様の心が揺らいだ瞬間

などなど、気づいたことがあれば記録をしていきます。

終わったら「なぜ、そうしたのか」「どんな点に気をつけたのか」など、先輩を質問攻めにしましょう。学んだら、真似をして、身につけていきましょう

7-2-2.ひたすら数をこなして試行錯誤する

2つ目は「ひたすら数をこなして試行錯誤する」という方法です。

不動産営業で成果を上げている人の特徴は「行動量が圧倒的に多い」という点です。とにかく量で他を圧倒しています

たとえば、

  1. アポイントの数
  2. 訪問・面談の数
  3. 提案の数

など、徹底的に量にこだわっている人が少なくありません。だからこそ「クロージングの数」が多くなり、「契約の数」も多くなるわけです。

「量は質に転化する」という言葉があります。何かに秀でたければ、量にこだわりましょう

もし「お客様と交流するのが不安だ」ということであれば、先輩をつかまえて、ロープレを繰り返しましょう。そして、先輩からフィードバックを受け続けてください。そこで一定の自信を得たら、あとは実践あるのみです。

なお、不動産営業で成果を上げるために必須の知識やコツ、マインドやテクニックなど、9つのポイントにまとめたのが、以下の記事です。

ぜひ参考にしてください。

不動産営業のコツは9つ!明日から売上アップする実践的テクニックを紹介【賃貸・売買】 |宅建Jobマガジン

8.不動産営業マンは何から覚えればよいのか【優先順位】

1.不動産営業マンが覚えること【未経験〜初心者】

不動産営業マンが覚えるべき5つの知識「学習方法」を紹介してきました。量が多いので「何から手を付ければよいのだろう?」と迷ってしまう人もいるはずです。

そこで最後に「何から覚えればよいのか」という「学習の優先順位」について、簡単に紹介しておきましょう。

おさらいをすると、今回の記事で紹介した「不動産営業マンが覚えるべき知識」は、以下の5つです。

  1. 不動産に関する知識
  2. 金融に関する知識
  3. 法律に関する知識
  4. 営業に関する知識
  5. ビジネス一般の知識

8-1.まずはビジネスの基礎をおさえる

まず「ビジネスの基本からおさえたい」ということなら、基本的なビジネスマナーから攻略しましょう

上記のうち「⑤ビジネス一般の知識」が該当します。本記事では、次の4つのマナーを取り上げました。

  1. ビジネスマナー
  2. 電話対応方法
  3. メール方法
  4. 接客方法

8-2.不動産業界の基礎をおさえる

その後は、不動産業界の基礎をおさえましょう。上記の5つの知識のうち、①②③です。

①「不動産に関する知識」では、次の5つのポイントを解説しました。

  1. 不動産業界の仕組み
  2. 仕事の流れ
  3. 用語・単語
  4. 地域特性
  5. 建築に関する知識

また、②「金融に関する知識」では、次の3つの点を紹介しました。

  1. 資金計画の作り方
  2. ローンに関する知識
  3. 保険に関する知識

そして③は「法律に関する知識」です。

8-3.営業をおさえる

そして最後に「営業」をおさえましょう。

「ビジネスの基礎」「不動産業界の基礎」をマスターできていれば、あとは「営業」です。5つのうちの④「営業に関する知識」が該当します。

本記事では、次の9つのポイントを解説しました。

  1. 自社商品の特徴
  2. お客様のニーズ
  3. アポ獲得方法
  4. 商談方法
  5. クロージング方法
  6. フォローアップ方法
  7. クレーム対応方法
  8. 雑談に使えるネタ
  9. 先輩の成功事例【トークスクリプト】

覚えるべきことは多いですが、マスターすればマスターするほど、営業実績となって返ってくるはずです。

またすでに紹介したとおり、不動産知識が多くなくても、なぜか契約が取れてしまうという営業マンは意外と存在します。営業知識や営業ノウハウに長けているからです。

そのため、不動産知識と営業を同時並行で学ぶか、営業方法を優先して学ぶという方法もオススメです。

9.「不動産 営業 覚えること」のまとめ

不動産営業が覚えることは?押さえておきたい5つの基礎知識【未経験〜初心者】

「不動産営業マンが覚えるべきこと」について、5つのジャンルに分けて解説してきました。整理すると、以下のとおりです。

  1. 不動産に関する知識
  2. 金融に関する知識
  3. 法律に関する知識
  4. 営業に関する知識
  5. ビジネス一般の知識

覚えるべきことは多いですが、身につければ身につけるほど、営業成績につながってくるはずです。

学習の方法優先順位のつけ方についても解説しました。ぜひ自分の性格習得の必要性も考えながら学習を進めてみてください。皆様のご活躍をお祈りしています。

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